【談話】参議院選挙で「アベノミクス」拒否の意思表明を
− 第183回通常国会の閉会にあたっての談話 −
本日26日に第183回通常国会が閉会した。最終日に、安倍首相に対する問責決議が可決されるという混乱の中での閉会となった。
今国会は、2012年末の総選挙で政権に返り咲いた安倍首相が、「三本の矢」の経済政策(「アベノミクス」)の具体化を優先したこと、その実施とかかわる2013年度予算成立が5月15日にずれ込んだこともあり、成立した法案は限定的であった。
その中で、衆議院の定数を「0増5減」する「区割り法案」が衆議院の3分の2で再議決されると言う「数の横暴」がおこなわれた。
また、申請抑制を目的にした生活保護法「改正」法案や発送電分離などを盛り込んだ電気事業法「改正」法案は、最終日の混乱のなかで廃案となった。
今国会では、障害者雇用促進法改正法や原発事故時効中断措置法、子ども貧困対策法など一定評価できる法整備がおこなわれた反面、消費税転嫁確保法や地域主権改革関連法など国民生活に悪影響をもたらすものも少なからず強行された。
何よりも通常国会は、参議院で与党が少数であるというねじれ状況や、参議院選挙の実施が確実であったこともあり、党利党略や政局が先行した。
このような国会状況が国民の政治不信が高めたことは否めない。国民の暮らしの安定を第一の課題においた国会論戦の活性化を強く希望する。
自民党が総選挙公約等で掲げた国防軍設置のための改憲や、新自由主義「構造改革」の具体化、強行は、すべて参議院選挙後に先送りされている。
安倍政権が狙う改憲の内容は、自民党の「憲法草案」で明らかである。
「アベノミクス」の中心課題とされる労働者保護の規制緩和や原発再稼働、原発輸出などの原発依存政策の再強化、TPP参加に伴う規制緩和の推進などは、6月に閣議決定された「成長戦略」に示されている。さらに、庶民増税と社会保障費等を抑制する緊縮財政を一体で進めることも「骨太の方針」で閣議決定されている。
これらの悪政を一気に進めようとする自公両党に、参議院でも絶対多数の議席を与えるのか、それとも、改憲策動や「アベノミクス」へのノーの審判を突きつけるのかが最大の争点となる参議院選挙が本番を迎える。
ほぼ同様の課題が争点となった東京都議会議員選挙の結果もふまえ、労働者、国民の側に立つ政党・候補者に貴重な一票を託し、改憲と「構造改革」を拒否する労働者の意思を明確に表明するよう強く呼びかける。
すべての労働者が、政治への不信と不満を払しょくし、明日の日本の進路の選択のために、「主権者の一票」の行使にたちあがるよう強く訴える。
2013年6月26日
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