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【声明】ネスレ争議和解にあたって(声明)

 本日、「OECD・多国籍企業ガイドライン」(「ガイドライン」)が目的とする「多国籍企業とこれらの企業が事業展開する地域社会との間の紛争防止と信頼向上を実現させる」観点から、スイスのネスレ本社と全労連の確認のもとに、兵庫労連並びにネッスル日本労働組合とネスレ日本(株)とが合意書を交わし、31年の長期にわたるネッスル争議は和解しました。
 多国籍食品企業のネスレは、世界各地で労使紛争を多発させ、各国で「ガイドライン」違反を申し立てられていました。日本でも、2005年8月に、当該のネッスル日本労働組合と上部組織の兵庫労連、全労連が同様の申し立てをおこないました。
 近年、スイスにあるネスレ本社は紛争解決の姿勢に転換し、ネスレ現地法人に対し「どのような少数組合とも話し合いの場を設定すること」を奨励していました。今回の和解は、国内での粘り強いたたかいと、日本にのみ残された争議状況の解決を本社が決断したことから一挙に進展したものです。
 和解合意書では、ネスレ日本がこの間の最高裁判決等を真摯に受けとめ、今後は遵守することを表明しています。

 ネスレ争議の「ガイドライン」違反の申告は、日本国内では最初のケースです。初めてのケースで「本社が進出国の紛争の解決に関与する」とした「ガイドライン」にそった和解となったことは大きな意義があると考えています。
 今、世界の経済活動が多国籍企業に席巻され、日本企業も多国籍企業化しているときに、少数派労働組合であっても会社と対等な関係を築くことの正当性を勝ちとったことは、大きな成果だと考えます。
 さらに、グローバル化が進んでいる情勢下で、「ガイドライン」が多国籍企業との紛争防止と争議解決の手段として有効であることの先例となり、労働条件の維持・向上と労働者の権利擁護の有効な手段となりうることを示しました。

 分裂攻撃が始められてから31年が経過しています。この間、ネッスル日本労働組合は、労働委員会闘争や裁判闘争に断続的に取り組み、会社を断罪する命令・判決・決定等を100件以上勝ち取っています。最高裁勝利判も4件(他に差し戻し、地裁和解1件)にもなります。
 この闘いを支えてくださった全国の働く仲間の皆様、全国の弁護団、各種民主団体の皆様に和解を報告するとともに、厚くお礼を申し上げます。

  2013年10月1日

全国労働組合総連合
ネッスル闘争全国対策会議
ネッスル日本労働組合

 
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