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【談話】「特定秘密保護法案」の徹底審議、廃案を強く求める

 政府は、参議院で審議中の特定秘密保護法案を、臨時国会の会期末である12月6日まで成立させる姿勢を強めている。
 「何が秘密かが秘密」という特定秘密の範囲を無制限に広げることが可能な法律の構成には、国内外から強い懸念が寄せられている。
 昨日は、国連の人権保護機関のトップである人権高等弁務官が、「何が秘密を構成するかなど、いくつかの懸念が十分明確になっていない」と指摘し、慎重審議を求める発言をおこなった。
 国内でも、法律家、学者、ジャーナリストなどに続き、芸術家からも廃案要求が出された。朝日新聞が行った世論調査(11月30日~12月1日)でも、特定秘密保護法案を「今の国会で成立させるべきだ」はわずか14%で、圧倒的多数が廃案若しくは継続審議を求めた。
 安倍政権と自公両党は、主権者国民の圧倒的多数の声、国外からの懸念に耳を傾け、今国会での法案成立を断念すべきである。
 全労連は、これまでも繰り返し意見を表明しているように、今でも国家機関が恣意的に情報を秘匿し、国家公務員法などには厳罰規定があり、これらのこともふまえれば、問題の多い特定秘密保護法案は廃案にすべきであると考える。改めて、その点も主張する。

 特定秘密保護法案が対象としている4分野(防衛・外交・特定有害活動・テロリズム)の一つ、テロリズムの定義ともかかわって、自民党の石破茂幹事長がブログで、「単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらない」と記述し、批判を受けて「本来あるべき民主主義の手法とは異なる」と訂正する事態が起きた。
 諸外国と比較しても日本は、デモや集会、宣伝行為に対する規制が極めて強く、現状でも国民の表現の自由が十分に保障されているとは言えない。とりわけ国会周辺は、東京都条例などでより厳しく制限され、その規制の下で工夫した行動を合法的に行っているのが現実である。そのような制約的な行動さえテロと同一視し、あるいは民主主義の手法ではないとの誹謗を時の権力者が発信する状況に、重大な危険を覚える。
 特定秘密保護法案が成立すれば、そのような権力者におもねる恣意的な運用が日常化し、国民の知る権利、表現の自由などが国家によって規制される恐れが格段に強まる。
 この点からも特定秘密保護法案は廃案以外に選択肢はないものと考える。

 事態は極めて緊迫している。政府と自公両党は、国会内の数の力で法案成立を強行しようとしている。この暴走を止めるためには、主権者としての行動が必要である。
 特定秘密保護法案成立阻止の一点で、宣伝、集会、デモ、国会議員要請など、できる行動に、今すぐ、すべての労働者が立ちあがろう。
 連日の国会行動に、可能な限りの労働者が結集するよう強く呼びかける。

   2013年12月3日

全国労働組合総連合
事務局長  小 田 川 義 和

 
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