【談話】「次世代育成支援対策推進法の一部改正法案」などの国会提出についての談話
2014年2月19日
全国労働組合総連合
事務局長 小田川義和
2月14日、「次世代育成対策推進法の一部改正法案」、1月31日に育児休業給付の改正などをふくむ「雇用保険法の一部を改正する法案」などが「女性の活躍」「少子化対策」として国会に提出された。その内容は、次世代育成支援対策の延長や、両立支援の取り組みを進めた企業を評価する仕組みの導入、育児休業給付を半年の限定としながらも67%に拡充することなど現行法施策を前進させる内容を含んでいる。
この間、男女雇用機会均等法や育児介護休業法など継続就労を促進する制度整備が進められてきた。しかし、依然として6割の女性が妊娠・出産を機に退職し、男性の育児休業取得率や家事・育児時間が低い数字に留まっている。今回の改善では一歩前進ではあるが、大きな改善が望めないことも同時に指摘せざるを得ない。
妊娠・出産を契機に女性労働者の離職に歯止めがかからない要因は、半数以上が非正規労働に追いやられ、育児休業を取得する条件が整わないこと、妊娠を契機とする雇い止に対する規制が有効にはたらいていないことなどがある。また、正規雇用に就いても、長時間・過密労働により、仕事と生活を両立させていく展望を持ちえず離職する状況もまったく改善していない。公務員や看護師、介護福祉などの専門職をはじめ、人員不足のため、育児休業を取得する条件は整っていない分野もある。これらの実態改善を積極的に促す、労働時間規制の強化や、専門職にふさわしい処遇の確保、リストラ規制などが同時に行われることが必要である。
加えて、子どもを持たない最大の理由となっている「子育て・教育」の負担の大きさを軽減する教育費完全無償化や待機児を生じさせない公的保育の拡充も必要である。
しかし、現在安倍政権がすすめている労働法制改悪や社会保障制度改悪、高校授業料無償化への所得制限導入などは子育て支援の周辺制度を堀り崩すものであり、今回の制度改正の趣旨と合致していない。
全労連は、次世代育成対策推進法・育児介護休業法などの更なる改善を求めるとともに、男女ともに安心して子育てができ、働き続けられる社会の実現を求め、労働法制改悪などの逆行する施策の反対も含め、たたかいを強める決意である。
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