【声明】公務労組連絡会「14年春闘における政府・人事院回答に対する声明」
1、「誰でも月額16,000円以上、平均23,000円」の賃上げ、臨時・非常勤職員の均等待遇、超過勤務縮減をはじめ労働条件の改善、公務職場の大幅増員などを求めた「14年春闘統一要求」に対して、本日、政府・人事院からの最終回答が示された。
その内容は、「人事院勧告も踏まえ、国政全般の観点に立って総合的に検討」(総務省)、「民間給与との正確な比較を行い、必要な勧告を行う」(人事院)などとするもので、要求に対する具体的な回答はまったく示されず、きわめて不満なものにとどまった。
2、国・地方自治体で不当な賃下げが強行され、生活の悪化はもとより、公務労働への誇りと働きがいさえも奪われるなかで、公務労働者の積極的な賃金改善は不可欠となっている。
ところが、政府・人事院は、地域間の賃金格差拡大、高齢層の賃金抑制、技能・労務職員の賃下げなどの給与制度の改悪を通して、「賃下げ法」に代わる恒久的な賃下げをねらっている。こうしたもと、人事院が最終回答で、「給与制度の総合的見直し」の本年勧告にむけた具体的な検討をあらためて表明したことは断じて認められない。
労働基本権制約の「代償機関」であり、かつ、中立な第三者機関でありながら、政府の公務員総人件費削減に荷担し、賃下げを推進する人事院に抗議するとともに、「給与制度の総合的見直し」の検討をただちに中止するよう求める。
3、今春闘は、安倍首相の賃上げ要請に財界が応じ、民間大手組合では6年ぶりのベースアップで妥結している。この結果こそ、「賃上げでこそ景気回復を」「大企業の膨大な内部留保の活用を」とねばり強く訴えて運動してきた全労連の道理ある主張を、政府も認めざるをえなかったことの反映にほかならない。
しかしながら、1%にも満たないベースアップでは4月からの消費税率引き上げによる負担増を補うことはできず、また、中小企業を取り巻く厳しい状況は変わらない。政府が賃上げをめざすならば、中小企業への手厚い支援や非正規労働者の賃金・雇用の改善に尽力すべきである。その点からも、低賃金と雇用不安を拡大する労働者派遣法の改悪に断固反対する。
4、2年間にわたる平均7.8%の国家公務員労働者への賃下げ措置とともに、政府による地方自治体への賃下げの押しつけが3月末で終了することとなる。労働基本権を踏みにじって政府が強行した憲法違反の賃下げにあらためて抗議する。
一方、政府部内には賃下げ継続をねらう動きが強まっていたなかで、それを断念させたのは、地域に思い切って足を出し、宣伝や対話で賃下げの不当性を国民に訴えてきた職場からの積極果敢なたたかいの貴重な到達点である。今春闘においても、地域総行動や全国で36万人が参加した「3・13国民大行動」などで公務労働者が先頭に立って奮闘し、各地で国民的な共同をひろげてきたことは、今後のたたかいの発展にむけた確信となっている。
公務労組連絡会は、引き続き、憲法改悪をねらう安倍暴走政治にストップをかけ、労働基本権回復、公務・公共サービスと教育の拡充にむけて全力で奮闘する決意である。(以上)
|