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【談話】2014年人事院勧告について

 本日7日、人事院は、2014年度の国家公務員給与に関する勧告を行った。
 民間給与との比較では月例給で0.27%(平均1,090円)、一時金で0.15カ月下回ったとして、較差是正のため、7年ぶりに俸給表の水準と一時金の引き上げを勧告した。これらは、公務・民間が一体となったねばり強いたたかいの貴重な到達点である。しかし、水準の是正とあわせて勧告された「給与制度の総合的見直し」では、「地域間格差の拡大」や「中高年層の給与引き下げ」が打ち出されており、認めることはできない。撤回を求める。

 賃金の地域間格差は、地方からの若年労働者の流出、地域経済の衰退、市町村の消滅をもたらす社会問題の主な原因となっており、格差是正が急務とされている。ところが人事院は、民間賃金水準の低い12県に基準を置いて、俸給表水準全体を平均2%引き下げ、地域手当の格差を18%から20%へと拡大させようとしている。この措置は、公務員給与における職務給の原則をゆがめ、人事異動に弊害を引き起こすのみならず、地域振興のためにも格差是正を求めている民間労働者や地域の事業者、自治体の声に逆行するものである。
 世代間配分の問題では、民間相場からみて低すぎる公務員の初任給を引き上げるのは当然としても、生計費が最もかさむ50歳台後半層の給与を最大4%も引き下げることは、経験豊富なベテラン職員の士気の低下をもたらすものでしかない。
 政府方針である「全国津々浦々すべての労働者の賃金改善」という視点からも強く求められていた、非常勤職員の給与水準の引き上げは今年も見送られた。春闘期からの交渉において、給与制度の見直し問題とあわせて、当該労働組合から幾度も指摘されてきた要求を踏まえない勧告であり、強く抗議するものである。

 国家公務員には、「給与臨時特例法」によって2年におよぶ平均7.8%の賃下げが強行され、その間、人事院は、この法律を口実にして勧告を出さず、労働基本権制約の代償機関としての任務を放棄してきた。この夏の勧告は、人事院にとって、職員からの信頼を取り戻し、代償機関としての本来の役割を発揮するチャンスであったはずである。あらためて、人事院に対し、職場の労働者の要求に誠実に向き合うことを求める。
 同時に、政府に対しては、「給与制度の総合的見直し」や非常勤職員の処遇改善、再任用・再雇用問題を検討するにあたり、国家公務員賃金の社会的影響の大きさをふまえ、広く利害関係を有する労働者の意見を聞き、慎重な検討を行うよう求める。
 また、憲法とILO勧告にもとづいて公務労働者の労働基本権を回復するよう求める。

  2014年8月7日

全国労働組合総連合
事務局長 井上 久

 
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