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【談話】安倍暴走政治の枠組みは何ら変わらず、一抹の期待も抱けない
− 内閣改造にあたっての談話 −

 安倍首相は昨日9月3日に内閣改造をおこなった。18の閣僚枠のうち12ポストが交代し、約3割が女性閣僚となるなかで、目新しさが強調されている。
 しかし、安倍首相がすすめようとする「戦争する国づくり」では、集団的自衛権行使容認の閣議決定を具体化するために安全保障法制担当大臣を新設し、解釈改憲を強引にすすめる布陣をしいた。これに端的に示されているように、国民の世論を無視した「暴走」を加速させるための改造にほかならない。
 また、「世界で一番企業が活動しやすい国づくり」の中核をになう経済財政担当大臣や、消費税率10%への引き上げの一方で法人税率引き下げをすすめる財務大臣など、アベノミクスの具体化をになう中枢の大臣は留任させており、暴走政治を改める布陣とは一切なっていない。
 さらに、沖縄県名護市の辺野古沖への米軍基地建設に向けた強権的な姿勢や、福島原発事故の原因解明や事故収束への対応は不十分なままに九州電力川内原発の再稼働を急ぐ姿勢をみても、期待できる布陣とは決していえない。

 本年4月1日に消費税率が8%に引き上げられ物価上昇が加速する一方で、労働者の賃金改善はほとんどすすまず、4月以降、実質賃金は3%を超える大きなマイナスとなっている。政府は雇用状況の好転を主張するが、その内容は非正規労働者の増でしかない。正規雇用労働者は依然として減少をつづけているのであって、雇用の安定にはつながっていない。つまり、安倍政権のもとで悪化し続けている労働者のくらしの改善が期待できる内閣改造ではなく、むしろ、より大企業中心、労働者使い捨ての社会にすすむ「成長戦略」の強行に執着した内閣改造といわねばならない。

 今回の内閣改造をみても、安倍政権の継続は、労働者・国民のいのちとくらしを脅かし、日本の平和を破壊する方向にあることは明らかである。
 あらためて、安倍政権の早期退陣を強く求め、様々な課題での「一点共闘」をさらに前進させるとともに、政権打倒の国民運動のなかで積極的な役割を果たし、「かがやけ憲法キャラバン2014」など、秋のとりくみに全力をあげる決意である。

 2014年9月4日

全国労働組合総連合
事務局長 井 上 久

 
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