すべての組合員、そして労働者・国民のみなさん。
本日、第47回総選挙が公示されました。私たちの暮らしと日本社会の未来がかかった大切な選挙です。「総選挙に行って、『暴走』政治にノーの審判を下そう」を合言葉に、悪政阻止の世論と共同を大きくひろげましょう。
安倍首相は、「景気回復、この道しかない」を総選挙のスローガンに掲げました。しかし、アベノミクスの破綻はもはや明白です。
安倍首相は「大企業がもうかれば、いずれおこぼれが回ってくる」というトリクル・ダウン理論に固執していますが、今回もそんなことは起きませんでした。消費税率の引き上げや円安による物価上昇で日本経済には急ブレーキがかかり、2014年度は5年ぶりのマイナス成長が確実視されています。実質賃金は3%を超えるマイナス、医療や介護、年金、生活保護など社会保障は削られ、教育費負担は増え、私たちの生活は苦しくなるばかりです。雇用破壊も深刻で、格差と貧困がいっそう拡大しています。その一方で、大企業の内部留保だけは増えつづけ、285兆円に達し、資産家は株高などでぬれ手に粟の大もうけです。
いま必要なことは、大企業の利益第一、大金持ち優遇の経済政策を抜本的に見直し、庶民の懐をあたため、個人消費を活性化させることです。それこそが、日本経済の「好循環」をつくりだす確かな道です。消費税10%は「2017年4月への先延ばし実施」ではなく、きっぱり「中止」すべきです。最低賃金の引き上げなど賃金の底上げにくわえ、雇用の安定や社会保障の拡充など、暮らしを支える施策の充実が切実な課題です。原発再稼働は断じておこなわず、地域循環型の経済への転換、中小企業や農業、地域経済の活性化策が求められます。
すべての組合員、そして労働者・国民のみなさん。
今回の総選挙は、世論のひろがりに追い込まれた安倍首相が、自らの延命のためだけに強行した大義なき選挙です。そして、総選挙で多数を占めさえすれば、「信任された」として、「暴走」政治をいっそう加速させようという姑息なやり方です。
原発再稼働や沖縄・辺野古への米軍新基地建設、戦争するための法案準備にくわえ、自民党の総選挙公約では、「憲法改正原案を国会に提出し、憲法改正のための国民投票を実施、憲法改正を目指す」と、9条をはじめとした憲法改悪が明確に打ち出されています。
また、「2年間で農業・雇用・医療・エネルギー等あらゆる岩盤規制を打ち抜いて」いくとして、さらなる規制緩和、暮らし破壊の「暴走」を推進する構えです。
安倍「暴走」政治の本質は、侵略戦争への痛苦の反省のうえに、恒久平和・戦争放棄を土台にすえて、国民主権と基本的人権の尊重を高らかにうたった日本国憲法をなきものにしようという時代に逆行した国家改造にほかなりません。これ以上、「暴走」を許していては、働く人々や庶民の暮らしも、地域社会も壊され、若者は戦場に駆り出されていくことになります。
すべての組合員、労働者・国民のみなさん。
私たちがめざすのは、安倍流の強権国家、ブラック企業がはびこる日本ではなく、人が幸せに暮らせる社会、働く人々や庶民が元気な日本です。そうした思いを語りあい、「憲法をまもり、いかそう」を合言葉に、戦争する国づくりと、働く人々や庶民を犠牲にした大企業の利益第一の国づくりに明確なノーの審判をくだしましょう。
歴史的な総選挙で棄権することがないよう、みんなで誘いあって選挙権を必ず行使しましょう。そして、沖縄県知事選挙につづいて、安倍「暴走」政治に審判を下し、私たちの暮らしと日本社会の未来を切り拓く歴史的な日にしましょう。
2014年12月2日
全国労働組合総連合 議 長 小田川 義和
全日本建設交運一般労働組合 中央執行委員長 赤羽 数幸
全日本金属情報機器労働組合 中央執行委員長 生熊 茂実
全国自動車交通労働組合総連合会 中央執行委員長 熄驕@政利
全国検数労働組合連合 中央執行委員長 沖原 勝治
通信産業労働組合 中央執行委員長 宇佐美 俊一
全国生協労働組合連合会 中央執行委員長 北口 明代
全労連・全国一般労働組合 中央執行委員長 鈴木 新
全国金融労働組合連合会 中央執行委員長 中島 康隆
全国印刷出版産業労働組合総連合会 中央執行委員長 是村 高市
映画演劇労働組合連合会 中央執行委員長 金丸 研治
日本医療労働組合連合会 中央執行委員長 中野 千香子
全国福祉保育労働組合 中央執行委員長 多久和 令一
全日本年金者組合 中央執行委員長 冨田 浩康
日本国家公務員労働組合連合会 中央執行委員長 宮垣 忠
日本自治体労働組合総連合 中央執行委員長代行 猿橋 均
全日本教職員組合 中央執行委員長 北村 佳久
郵政産業労働者ユニオン 中央執行委員長 日巻 直映
特殊法人等労働組合連絡協議会 議 長 平岡 信彦