4月28日、いわゆるカジノ解禁推進法案が自民党などの議員によって国会に再提出され、安倍政権も推進姿勢を示している。しかし、カジノ・賭博の合法化による弊害が強く指摘され、反対世論が高まるなか、前国会では一度も審議されることなく廃案になった法案であり、再提出はとうてい容認できるものではない。厳しく抗議し、同法案の撤回、廃案を強く求める。
批判の声がひろがるなか、今回の法案では、日本人の入場を一部制限できることとする修正がくわえられた。しかし、弊害対策の具体的な内容は何ら明らかにされておらず、本質的には従来の法案と何ら変わらない。
金儲け(成長戦略)のために刑法が禁ずる違法な賭博を解禁しようというハレンチな法案として厳しく批判されねばならない。
すでに日本では、ギャンブル依存症がひろがっていることが社会問題になっているが、諸外国におけるカジノ賭博の実態をみれば、ギャンブル依存症や自己破産の多発、地域経済のゆがみなどが大きな弊害として指摘されている。
青少年の健全な育成の観点からも認めることはできない。
くわえて、世界各地にカジノが建設され、すでにそのいくつもで衰退、破たんが起きるなど経済的な効果すら疑問視されている。また、マネーロンダリングの温床として、国際的にも問題になっており、その有効な対策も何ら見いだされていない。
よって、全労連は諸団体と協力して、同法案の撤回、廃案のために力を尽くす決意である。また、金儲けのためには手段を選ばないアベノミクスの問題点を指摘し、国民の暮らし優先、格差と貧困是正への政策転換を求めるとりくみを強めていく。
2015年4月30日
全国労働組合総連合
事務局長 井上 久