報道によると、安倍首相と公明党の山口代表は本日、国会内で党首会談をおこない、今通常国会の会期を9月27日まで95日間延長する方針を決めたとされている。夕方の与野党幹事長・書記局長会談で野党に伝えたうえで、衆参両院の議長に会期延長を申し入れ、夜の衆院本会議で延長の議決を強行するというが、断じて容認できない。全労連は会期延長に強く反対する。
95日間の延長となれば、通常国会としては過去最長の延長幅となる。そのねらいは戦争法案(安全保障法案)を「確実に成立させるため」とされているが、戦争法案に対しては国民的な批判がひろがり、最近の世論調査では「反対」が5〜6割に達し、「今国会での成立に反対」は8割にも及んでいる。国民世論に真っ向から挑戦するものであり、とうてい許されるものではない。
そもそも国会に会期があるのは、与党の恣意的な議会運営ややりすぎに歯止めをかけるため、法案の審議は会期中に終えなくてはならず、会期末にまだ審議中の法案は廃案にするという「会期不継続の原則」があるからである。
戦争法案の場合には、政府の説明の齟齬などで審議が度々中断したこともあって、与党自身が衆院通過の目安にしていた80時間程度という審議時間に遠く及ばない状況となっている。憲政の常道からいっても、いったん会期を閉じ廃案とすべきなのである。
全労連はあらためて、世論と共同のひろがりに固く連帯し、最悪の違憲法案にほかならない戦争法案を廃案に追いこむために総力をあげてたたかう決意を表明する。労働者派遣法の大改悪法案など、暮らしを壊す悪法の成立を阻止するため全力をあげる。
安倍政権が世論を無視した強権的な姿勢を示せば示すほど、国民的な批判もまた力強くひろがっている。短時間の審議時間のなかでも戦争法案の危険性がより明瞭になり、「戦争反対!憲法と平和をまもれ」という声と行動が年代を問わず沸き起こり、政権そのものへの批判へと発展している。どちらに大義があるかはもはや明らかだ。
戦後70年の年に、憲法を壊し戦争する国に変えさせるわけにはいかない。戦争か平和か、強権国家か民主主義国家か、日本という国の形(あり方)の大本が問われている。今を生きるものの責任として、声をあげ行動することを、すべての人々に呼びかける。
2015年6月22日
全国労働組合総連合
事務局長 井上 久