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【談話】 農協つぶし法案の委員会採決に抗議する

 昨日25日、衆議院農林水産委員会は自民、公明、維新の賛成多数で、農業協同組合「改革」法案(農協つぶし法案)を可決した。全労連は強く抗議するとともに、引き続き廃案めざして、諸団体と共同したとりくみを強化していく決意である。

 衆院段階の審議を通じても、同法案が、現場の農業者や農協関係者の望んでいるものでは全くなく、アメリカや大企業の新たな金儲けの場としての農業参入の障害になる農協組織を弱体化しようというものであることが明白になった。
 そもそも協同組合組織の「改革」を政府が上から法律で押しつけ強制することなど許されないのであって、ICA(国際協同組合同盟)などからも批判されていることを政府・与党は重く受け止めるべきである。
 したがって、この問題は農業だけに止まらず、協同組合組織全般に及ぶものであり、「岩盤規制にドリルで穴を開ける」と称して、安倍政権がすすめる医療や福祉、雇用、農業分野の有用な「規制」を壊し、企業参入を促進する攻撃の一環にほかならない。

 安倍政権は、「改革」の目的が農業者の所得増であるかのように装ってきたが、同法案では農家の所得は増えないことも審議を通じて明白になった。安倍首相は「家族経営を大事にしてきたのは自民党」などと答弁してきたが、「コメつくって飯くえねぇ」といわれる米価大暴落にも何ら有効な手を打っていない。
 今やるべきは、再生産可能な価格保障など、農家、家族経営をまもる具体的な対策である。それは、食の安全や安定供給、環境保全など農業の持つ多面的な機能を維持し、地域社会をまもるうえでも緊急課題である。

 おりしも昨日25日は、アメリカ議会上院でTPP(環太平洋連携協定)交渉促進の前提となるTPA法案(大統領貿易促進権限法案)が急転直下可決された日でもある。これを受けて、TPP交渉妥結に向けた動きが加速することが懸念される。日本政府はこの間、国会決議も投げ捨て、許されない無原則的な譲歩を重ねているが、今回の法案は、TPP交渉に批判的な農業関係者の弱体化をもう一つのねらいとするものでもある。
 全労連は農業関係者や広範な市民団体との共同をいっそう強め、日本の経済主権を損ない、国民のいのちや安全、地域経済を壊すTPP交渉からの即時撤退を求めるとりくみや戦争法案NOの運動とも結んで、安倍政権の「暴走」に断固反対し、農協つぶし法案の廃案を求めるたたかいを強化していく。

 2015年6月26日

全国労働組合総連合
事務局長 井上 久

 
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