「戦場に行かされるのは僕ら。僕らの未来を勝手に決めるな」。若者が「安全保障法制(=戦争法案)を本当に止める」と声を上げ、その運動は全国に広がっています。「だれの子どももころさせない」と、若い母親が人生初めてのパレードを各地で始めています。国会周辺では、総がかり行動実行委員会が呼びかけた座り込み行動や国会包囲行動への参加者が回を重ねるごとに増え、各地の集会やパレードにも、それぞれの地域で過去最高の数の人々が結集しています。いま、国のすみずみから、「9条守れ、戦争法案反対」の声が沸き起こり、安倍政権を追いつめています。
憲法学者も弁護士も、この安保法制は「憲法違反だ」と断じました。武器使用の拡大や「後方支援」と言う名の兵站は、憲法9条が禁ずる「武力の行使」そのものです。PKO活動として、ISAFのような「治安維持活動」に参加すれば、「武力の行使」につながりかねません。そもそも、日本が攻撃されていないのに他国防衛のために戦う「集団的自衛権の行使」は明白な憲法違反です。国民は、そのことを見抜いてきています。戦後最悪の憲法違反の戦争法案は、撤回、廃案しかありません。
追いつめられた安倍政権は、国民の8割が「政府の説明は不十分」としているのに、衆議院採決を強行しました。民主主義、立憲主義に反する歴史的暴挙です。この暴挙は、国民の新たな怒りと不安を呼び起こし、安倍政権の支持率は急落しています。法案に自然成立はありません。世論と運動をさらに広げることによって、採決できない状態をつくれば、廃案に追い込むことは可能です。私たちのこれまでの運動は、その可能性を切り拓いてきました。そこに確信をもち、必ず、この戦争法案を廃案にしようではありませんか。
戦後70年・被爆70年の夏、戦争か平和か、この国の針路が問われています。自由と民主主義、命が奪われ、あらゆるものに軍事が優先された時代を繰り返してはなりません。いま、多くの労働組合が、戦後の原点に立ち返って、「再び戦争のための仕事はしない」「戦争に協力する仕事はいやだ」と立ち上がっています。平和であってこそ、誇りを持って働くことができます。私たち労働者は、安倍政権がすすめる「海外で戦争する国」づくりをけっして認めることはできません。
全労連は、この戦争法案を必ず廃案にするために、総力をあげます。
「戦争法案廃案! 安倍政権退陣! 8・30国会10万人・全国100万人大行動」を一大決起の場として成功させましょう。9月2日・9日を中心に「戦争法案ゼッタイ廃案! 全国統一行動」を展開し、職場集会、宣伝、地元議員への申し入れ、地域集会やパレードを、すべての組合員の参加で成功させましょう。労働法制改悪反対、原発ゼロ、辺野古新基地建設反対、社会保障を守れ、TPP反対、教育を守れ、など様々な声や運動を総結集させ、安倍政権を退陣に追い込みましょう。さらに、この運動の中で多くの仲間と対話し、憲法を守りいかす運動の中心を担っている全労連を大きくしましょう。
職場で、地域で、やれることをすべてやりきって、戦争法案を葬り去りましょう。そして、すべての組合員の立ち上がりで歴史的なたたかいを展開し、憲法9条を守りぬきましょう。
2015年7月31日
全国労働組合総連合第52回評議員会