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【談話】労働組合基礎調査の結果について

 厚生労働省は本日、2015年の「労働組合基礎調査」の結果を公表した。労働組合員数は988万2千人と前年より3万3千人(0.3%)増加したが、推定組織率は17.4%と前年より0.1ポイント低下した。組合員数は2011年に1千万人を割込み、減少を続けていたが、4年ぶりの増加である。しかし、推定組織率は2003年に20%を切って以降、低下傾向に歯止めがかかっていない。
 組合員数増加の主な要因は、女性とパートタイム労働者の組合員数の増加(女性が6万6千人、パートタイムが5万5千人の前年比増)である。パートタイム組合員は、102万5千人とはじめて100万人を超え、全体の労働組合員数に占める割合も10.4%(前年比0.5ポイント上昇)となった。それでも推定組織率は女性が12.5%、パートが7.0%であり、全体の推定組織率17.4%には及んでいない。

 推定組織率が低下した要因は就業者数が増加したことであり、正規雇用労働者の減少を上回って、非正規雇用労働者が増加している。総務省「労働力調査」によれば、2014年平均の就業者数は6351万人(前年比40万人増加、2年連続増)であり、正規雇用が3287万人(同15万人減少、7年連続減)、非正規雇用が1962万人(同56万人増加、5年連続増)となっている。組織率の低下が、ブラック企業をはびこらせ、パワハラ、セクハラを横行させることにもつながっており、労働組合の結成、とりわけ非正規雇用労働者の組織化を強めていく決意である。
 産業別の組合員数では、卸売・小売業が5万5千人、宿泊・飲食サービス業が3万7千人増加した一方で、公務が1万9千人、教育・学習支援業が1万1千人、製造業が1万人減少した。公務の組合員数減少の要因は、公務の民営化、定数削減、非常勤職員への置き換えなどであり、製造業の組合員数の減少は大企業を中心にした海外進出が強まり、国内でのリストラである。全労連は、社会保障や教育等の充実と結んだ公務員の増員と、グローバル大企業に対する規制、中小企業の振興、地域循環型の社会への転換をめざすとりくみをいっそう推進していく。
 主要団体別の組合員数では、地方組織単独加盟の組合員を含めて、連合が4万2千人増の689.1万人、全労連が1万4千人減の80.5万人、全労協が5千人減の11.7万人となった(ただし、年金者組合なども含めて全労連が独自に掌握している組合員数は、2015年6月末の現勢調査で108.3万人)。連合の中では、UAゼンセンが7万人の増加と他を圧倒している。全労連としては、ジェンダー平等と最低賃金の引き上げ、均等待遇実現のとりくみと結合して、女性や非正規雇用労働者の組織化をさらに強めていく。
 2012年度から開始した全労連組織拡大「中期計画」は最終年度を迎えている。最終年度にふさわしい前進を築き、2016年は必ず増勢に転じて「150万全労連」をめざす決意である。

 2015年12月24日

全国労働組合総連合
事務局長 井上 久

 
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