福岡高裁那覇支部は9月16日、翁長雄志沖縄県知事がおこなった「辺野古埋め立て承認取消し」に対して、国が提訴した「違法確認訴訟」で、国の言い分を全面的に認める極めて不当な判決を言い渡した。この間、一連の選挙で示された沖縄県民の基地建設NOの意思を無視し、国と地方が対等とされている地方自治法と憲法の精神に反して下された今回の判決に心からの憤りをもって抗議するものである。
判決は、翁長知事がおこなった「埋め立て承認取り消し」を取り消すよう求めた国の「是正の指示」に知事が従わなかったのは違法だとしている。判決はその理由として、外交・防衛は国の専管事項であり沖縄県に介在の余地はないこと、辺野古新基地建設は普天間基地の危険性を除去するためであること、県全体としてはこれにより基地負担が軽減されることを強調した。しかし、これらは「抑止力」論や「普天間基地の危険性除去」という安倍政権の施策をそのまま述べたものであり、まさに国の言い分通りである。沖縄県民の意思を無視し、司法の役割を放棄したものであり、到底受け入れることはできない。
今回の判決はまた、3月4日の和解勧告の中で多見谷裁判長自身が強調した、国と県の協議による問題解決という内容とも矛盾する整合性のないものである。
裁判は最高裁にたたかいの場を移すことになるが、司法が政府の施策の片棒を担ぐことを許さないたたかいの強化が求められる。
全労連は、沖縄県民との連帯をいっそう強め、辺野古新基地・高江ヘリパッド(オスプレイパッド)建設を許さないたたかいを全国のなかまとともに、さらに強化するものである。
2016年9月16日
全国労働組合総連合
事務局長 井上久