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【談話】育児介護休業法の改正取りまとめについて

 労働政策審議会は昨日7日、保育所に入所できない等の場合の「緊急的なセーフティネット」として、育児休業の延長期間を現行の1歳6か月から最長2歳までに延長する育児介護休業法の再改正意見を取りまとめた。

 取りまとめは、「本延長制度はあくまで緊急的なセーフティネットであり、本人の希望の時期に職場復帰できるよう…………」としているが、今回の最長2歳までの延長措置は、国が公的保育施設の整備を怠ってきたなかで深刻化している「待機児童」問題への付け焼刃的なその場しのぎ策といわざるを得ない。
 全労連はあらためて、誰もが復職を希望する時期に安心して子どもを預けることができるように、政府が責任をもって、公的保育施設を緊急整備するよう強く求める。今回の延長措置で、「待機児童」問題を曖昧にしてはならない。

 そのうえで、育児介護休業法を再改正するというのであれば、多くの職場で人員抑制によって長時間過密労働に拍車がかかり、育児休業を取れないとか、妊娠・出産を機に退職せざるを得ないなどの事態が改善されず、男性の育休取得もわずか2.65%に止まっている状況を転換できる抜本的な改正をめざすよう求める
 代替要員の確保や所得保障などをしっかり担保して、男性も女性も安心して育児休業が取得でき、原職復帰できるようにしなければならない。
 全労連は、この間、(1)本人選択制、(2)原職復帰、(3)国及び使用者負担による有給保障、(4)代替要員配置の保障の4つの基本原則の実現を求めてきたが、その実現を強く求める。

 同時に、「女性が輝く社会」を掲げる安倍政権のもとで、ジェンダーギャップ指数で日本は昨年よりさらに順位を下げ144か国中111位となるなど、男女差別や経済的格差の拡大など日本の女性が厳しい実態に置かれていることを直視すべきである。
 女性の活躍をいうのであれば、ディーセントワークの実現に正面からとりくみ、労働時間の上限規制などを実現して、男女ともが人間らしく働き、家庭と両立できるようにすべきである。そうしてこそ、女性の社会進出、就労も促進される。「多様な働き方」というごまかしで、裁量労働制の無原則的要件緩和や高度プロフェッショナル制の創設など、過労死を助長する労働時間規制の骨抜きなどもってのほかである。

 2016年12月8日

全国労働組合総連合
事務局長 井上 久

 
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