昨日午後10時ごろ、訓練中だった米軍のオスプレイが沖縄・名護市のキャンプシュワブ近くの浅瀬に不時着を試みて失敗し、大破した。
同機は構造上の欠陥が指摘されてきたが、恐れていたことが現実になったといわざるを得ない。幸い海上への墜落で、住民の犠牲はなかったが、一歩間違えば大惨事につながりかねない重大事故であり、断じて容認できない。しかも、深夜の訓練中の事故である。あらためて、基地負担の深刻さと米軍が我が物顔でふるまう沖縄の厳しい現実を示すものとして糾弾されねばならない。
この重大事故に対して、「本当にとんでもない出来事。法治国家ではない」(翁長 沖縄県知事)、「本当に一歩間違えれば、それこそ大惨事になる。恐れていたことが現実のものになった」(稲嶺 名護市長)などの批判が出されているが、当然である。
全労連は、このオスプレイ墜落という重大事故の発生に強く抗議するとともに、オスプレイの飛行・訓練の全面的な差し止めと日本からの撤去を強く求める。
稲田朋美防衛大臣は14日未明に、米軍のマルティネス司令官と電話で協議し、事故について遺憾の意を伝えるとともに、事故原因の究明と情報提供、安全が確認されるまでの飛行停止を申し入れたと伝えられるが、これでは不十分である。
オスプレイは構造上の欠陥が指摘されてきたのであり、今回の事故は基地があるが故のものである。沖縄県民の怒りと負担を考えれば、米軍の調査で安全確認と済ますわけにはいかない。日本政府は毅然とした態度をとり、自ら事故原因の徹底究明をおこなうとともに、オスプレイの飛行・訓練の全面中止、日本からの撤去を厳しく求めるべきである。
オスプレイの配備や訓練はいま全国にひろがっており、沖縄だけの問題ではない。全労連は諸団体との連携をいっそう強化し、全国でオスプレイの飛行・訓練の全面中止と日本からの撤去を求めるとりくみをいっそう強化していく。
2016年12月14日
全国労働組合総連合
事務局長 井上 久