TOP 全労連紹介 ニュース オピニオン 労働法制 賃金闘争 憲法・平和 くらし・社会保障 非正規全国センター 全労連共済 青年 女性 English
 
BACK
TOP
オピニオン
 

【談話】第193回通常国会開会にあたって

 本日、6月18日までの150日間を会期とする第193回通常国会が開会された。
 安倍首相は所信表明演説の中で憲法施行70年を踏まえ、「次の70年を見据えた国造りの重要性」を強調、憲法改悪への意欲を示している。昨年は「戦争状態」にある南スーダンへの自衛隊派遣を強行し、会期延長までしてTPP承認・関連法案や年金カット法案さらにはどさくさに紛れカジノ解禁法案まで強行採決するなど「数の力」を背景に国民の世論さえ封殺するような異常な国会運営をおこなった。今国会では、さらに憲法改悪に踏み出そうとしている。

 今国会では、第3次補正予算や5兆円超える軍事費をはじめ大企業優先、国民生活犠牲の2017年度予算と労働者・国民生活に重大な影響を及ぼす重要法案の提出が予定されている。
 一つは「同一労働同一賃金」「長時間労働是正」などを含む「働き方改革」関連法案である。昨年12月20日に出された「同一労働同一賃金ガイドライン案」では手当など一部改善はみられるものの、最大の問題である基本給において、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間に、職業経験や能力、業績・成果などについて一定の違いがあれば、差をつけることを容認し格差を固定化するものであり、非正規労働者の切実な要求からはかけ離れたものである。また長時間労働是正とは真逆の過労死促進ともいえる残業代ゼロなど労働基準法改悪案の成立を狙っている。
 二つは今国会の焦点の一つが「共謀罪」の再提出である。国民の強い反対によって3度廃案に追い込んできた法案を東京オリンピックやテロ対策を理由に今国会での成立を狙っている。政府与党はマスコミや国民の批判をかわそうと当初676成立要件を300前後減らすなど成立への並々ならぬ思いが感じられる。特定秘密保護法に続き、戦争法の強行成立そして今回の共謀罪提出は、「戦争する国」への道をさらに大きく踏み出すものである。国民の思想・良心の自由を侵し、労働組合や民主団体への弾圧につながる現代版治安維持法である。国民の基本的人権そして平和と民主主義が脅かされることは憲法の危機でもある。断じて容認できない。
 全労連は多くの国民諸階層と共同し、法案を提出させないために奮闘する決意を表明する。

 「一強多弱」といわれる安倍政権も、TPPの失効やベトナムの原発輸入断念など外交の失敗や「アベノミクス」による格差と貧困の拡大など国内外とも政策的行き詰まりが表面化し、安倍政権に対する国民の不満・批判が現れはじめている。昨年の参院選1人区での善戦や新潟県知事選にみられる野党と市民の共同の力による政治転換の流れを止めることはできない。
 憲法施行70年、いまこそ先人たちが守りぬいてきた憲法そして平和日本を守り、発展させていくいことが強く求められている。
 全労連は2017年春闘での要求前進をはじめ国民共同の力で戦争法廃止、憲法改悪反対、悪法阻止、安倍「暴走」政治ストップ、政治の転換にむけて組織の総力をあげて奮闘する決意を表明するものである。

 2017年1月20日

全国労働組合総連合 事務局次長 橋口紀塩

 
〒113-8462 東京都文京区湯島2−4−4全労連会館4F TEL(03)5842-5611 FAX(03)5842-5620 Email:webmaster@zenroren.gr.jp

Copyright(c)2006 zenroren. All rights reserved.