2017年4月27日
全国労働組合総連合
事務局次長 橋口紀塩
政府は4月25日、沖縄県名護市辺野古での米軍新基地建設にむけた護岸工事に着手した。基地建設のための埋め立て工事の前提となるこの護岸工事は、3月末で沖縄県知事の許可期限が切れている岩礁破砕を伴うものであり、法に反する違法行為にほかならない。
全労連は護岸工事の着工に強く抗議し、即時の中止を求める。
名護市辺野古沖への新基地建設に反対する沖縄県民の意思は、この間の名護市長選挙や沖縄県知事選挙、さらには衆参両院の議員選挙を通じて、繰り返し、明確に示されている。
直近の沖縄県での世論調査(沖縄タイムス、琉球朝日放送、朝日新聞が4/23・24共同実施)でも、「辺野古移設」反対が61%を占め、埋め立て工事を強引に進める安倍政権の姿勢には65%が「妥当ではない」と回答している。沖縄県民は知事の立場を支持している。
しかし、安倍政権は、「反対意見が多いことは承知しているが、工事を進める」(4月25日、稲田防衛大臣)などと強弁し、民意も法も無視して強権的に工事を進める姿勢を露わにしている。着手した工事は、海底面を変更させる岩礁破砕をともなうものであり、漁業権の関係から、県知事の許可が必要である。ところが、政府は、名護漁協が新基地建設にかかわる海域の漁業権の一部放棄を決議しているから知事の許可は不要だとしている。同じ沖縄県で進められている那覇空港の拡張工事では、漁協による漁業権の一部放棄が行われたものの、県知事の許可を得て工事が開始された。同様の工事で、異なる手続きをとることはダブルスタンダードであり、法の安定性を損なう違法行為である。基地建設を強行するために法を曲げるようなことは、断じて許されない。
名護市米軍キャンプシュワブ前での辺野古新基地建設に反対する座り込みは1000日をこえて継続されている。ここに示されている基地建設反対の沖縄県民の意思を、安倍政権は、機動隊や海上保安庁などの国家権力を動員して力づくで抑え込もうとしている。そして、司法や行政の公正さまで捻じ曲げて工事を強行している。民意も法も無視した暴挙は到底許されるものではない。
安倍政権は、埋め立て工事を即刻中止し、沖縄県と真摯に協議を開始するべきである。2013年1月に、沖縄県議会など41市町村、すべての自治体から「建白書」が提出された。安倍政権は、沖縄の総意を集めた「建白書」を何よりも尊重するべきである。
全労連は沖縄県民と思いを共にし、辺野古新基地建設計画の撤回を強く求めるものである。
以上