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【談話】第48回衆議院選挙の結果について

 10月22日投票で行われた総選挙では、自民党が過半数を大きく上回り、与党は改選前をわずかに下回ったものの自公で衆議院の3分の2(310議席)をこえる議席を獲得する結果となり、安倍政権が継続することとなった。第9条を含む改憲を容認する姿勢を示した希望の党、日本維新の会の当選者を加えると、改憲勢力が衆議院の4分の3を占める結果となり、国会での改憲の動きが加速される事態となった。

 野党では、憲法違反の安保法制(戦争法)の廃止と安倍政権による憲法9条改憲反対を明確にし、市民連合(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)の「7項目要望」実現の立場に立つ、立憲民主党、日本共産党、社民党3党が総数で改選前議席を増加させた。全国249の選挙区で何らかの形で市民と野党の共闘で選挙が取り組まれた効果である。自民党候補が勝利した選挙区でも、これまで積み上げられた市民と野党の共闘こそが展望を拓くことになることが明らかになった。その点で、市民との共闘に背を向け、改憲容認という「踏み絵」での選別・排除を行い、共闘に分断を持ち込んだ勢力の罪は極めて大きい。
 その点もふまえれば、自民党が選挙区で獲得した217議席(小選挙区定数の75%)は、一票の差でも議席を占有できる小選挙区制の下での虚構多数であり、安倍政権の継続を民意が支持した結果とは言えない。安倍首相は、選挙開票時のマスコミインタビューで、「(改憲は)自衛隊明記で議論」と答えたが、今回の選挙でそのような信任が寄せられたとは到底言えない。

 全労連は、突然の総選挙を安倍政権退陣に追い込む構えで、9条改憲を断念させ、戦争法など違憲立法を廃止できる政治、アベノミクス・働き方改革を中止させて雇用と暮らしを守る政治への転換を求め、格差と貧困の是正など切実な要求と結んだ選挙闘争を呼びかけた。また、前進・発展してきた市民と野党の共闘の一翼を担った奮闘を呼びかけた。そのような立場からすれば、今回の総選挙の結果は十分なものとは言えない。
 しかし、総選挙も通じて、憲法・立憲主義擁護の民主的な政治か、戦争する国、企業が世界で一番活動しやすい国をめざす政治かの二者択一が迫られる情勢にあることはいよいよ明白である。安倍首相とその家族による国政私物化の疑惑解明も残されたままである。

 このことからしても、安倍暴走政治に反対する運動の継続と強化が必要である。総選挙でもさらに前進した市民と野党の共闘を引き続き発展させ、開始されている「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」の取り組みを一気に強めて、自公の虚構の多数の下でも悪政を阻止し、9条改憲を許さない状況を早期に作り出さなければならない。
 当面、市民アクションが呼びかける「11.3国会包囲大行動」とこれに呼応した全国各地の行動を大きく成功させ、市民とともに反撃の一歩を踏みだそう。

2017年10月23日

全国労働組合総連合
事務局長代行  橋 口 紀 塩

 
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