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【談話】2017年「労働組合基礎調査」の結果について

 厚生労働省は本日、2017年の「労働組合基礎調査」の結果を公表した。労働組合員数は998万1千人と前年より4万1千人(0.4%)増加した。組合員数は2011年に1千万人を割り込み、その後減少を続けていたが、一昨年の0.1ポイント、昨年の0.6ポイント増加に続き3年連続の増加となった。組合員数増加の主な要因は、女性とパートタイム労働者の組合員数の増加(女性が7万6千人、パートタイムが7万7千人の前年比増)である。パートタイム組合員は120万8千人となり、労働組合員全体に占める割合も12.2%(前年比0.8ポイント上昇)となった。それでも推定組織率は女性が12.5%、パートが7.9%であり、全体の推定組織率17.1%に比べると組織化が進んでいない。
 雇用者数が約100万人増えたため推定組織率は17.1%と前年より0.2ポイント低下した。総務省「労働力調査」(2017年10月速報値)によれば、就業者数は6581万人(前年同月比61万人増加、58ヶ月連続増)となっている。そのうち、正規雇用は3485万人(前年同月比68万人増)、非正規雇用が2041万人(前年同月比5万人増)となった。全産業すべての地域で労働組合の結成を促進していくことが求められている。とりわけ非正規雇用労働者の組織化は重要である。2018年4月から有期雇用労働者の無期転換がはじまり、すでに各地で雇止めなどの労働相談が相次いでいる。2018年10月からは派遣労働者の申し込みみなし制度もはじまる。非正規労働者の組織化をさらに強めていることが必要である。
 産業別の組合員数では、製造業が260万8千人と最も多く、次いで卸売・小売業が141万3千人、運輸業、郵便業が85万9千人などとなっている。前年に比べ増加幅が大きかったのは、宿泊業・飲食サービス業2万9千人増、卸売業・小売業2万7千人増、生活関連サービス業・娯楽業2万0千人増などである。一方で減少幅が大きかったのは、情報通信業2万5千人減、製造業1万4千人減、公務1万2千人減などとなっている。宿泊業・飲食サービス業や卸売業・小売業などのいわゆるサービス産業に就業する労働者の増加が大きく、製造業や公務に就労する労働者の減少が続いていることからも労働者の非正規労働者化が進んでいることがうかがえる。サービス産業で働く外国人労働者も近年目立つようになってきており外国人労働者の組織化も求められる課題である。
 主要団体別の組合員数では、地方組織単独加盟の組合員を含めて、全労連は前年比5千人減の77万1千人となった。ただし、年金者組合なども含めて全労連が独自に掌握している組合員数は、2017年6月末の現勢調査で104万人である。「労働組合基礎調査」での前年比の減少数は1万人を下回り、各地方・地域、単産・単組の奮闘で減少傾向に歯止めがかかったとも言える。他方で連合は同4万9千人増の692万人、全労協は同5千人減の11万0千人であった。
 各地で組織拡大4カ年計画の具体化が進み、調整会議の開催も37都道府県で行われ「全員参加の組織拡大(総がかり行動)」の推進が図られている。また、この秋からの無期転換にむけた運動も積極的に進められ組織拡大につながっている。共済加入も契機としながら拡大運動の新たな手応えがひろがっている。職場からの闘いを強化すると共に、とくに非正規雇用労働者や若者、女性などの組織化を推進して、「150万全労連」をめざす飛躍を実現する決意である。

2017年12月25日
全国労働組合総連合
事務局長代行 橋口 紀塩

 
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