財務省は、福田淳一事務次官のセクハラ疑惑に関し、16日、疑惑を否定し、女性記者に名乗り出るよう求めた。人権侵害に無理解な安倍内閣の姿勢を改めて露呈したものである。
証拠のテープに残されている福田氏の発言は、セクシャル・ハラスメントそのものである。
財務省事務次官のトップとしての権力を利用して、女性の人権を侵し、働く女性の人格を傷つけるこのようなセクハラ行為は断じて許されない。
セクハラ行為の事実を認めた福田事務次官は即刻辞任すべきである。
ところが、財務省は福田氏を罷免しないばかりか、こともあろうに、この事件の対応として、記者クラブに加盟する女性記者に「調査協力」を依頼した。自らを戒め、省内での徹底調査と処罰こそが求められている中で、本末転倒も甚だしい。「調査協力」は被害者や記者クラブ加盟社に対する恫喝にも等しい行為である。「調査協力」を強要することはそれ自体がセクハラであり、人権侵害である。
今、世界中で女性が自分の性的被害を「Me Too」と表明する運動が高まりを見せている。その中で、今回の財務省の対応は、国際的にも大きな批判を浴びるだろう。
財務省は、森友疑惑での公文書改ざん疑惑解明についても、今回のセクハラ事件についても、国民に真実を隠そうとするのか。私たちは、もうこれ以上財務省における不正・腐敗を容認することはできない。
財務大臣麻生太郎氏は、責任をとり、今すぐ辞職すべきである。
2018年4月18日
全国労働組合総連合女性部
部長 長尾ゆり