「世界で一番企業が活動しやすい国」をめざして、100年以上にわたる労働者のたたかいの成果を壊し、歴史を逆戻りさせる「働き方改悪」を強行した安倍政権に対する怒りが沸き起こるなか、全労連は第29回定期大会を開催した。
戦後最悪の安倍政権は、「戦争する国」をめざして、憲法改悪へと突き進んでいる。ウソとゴマカシを繰り返し、立憲主義をふみにじり、民主主義を破壊して悪法強行を重ねている。一方、安倍政権の暴走を許さない声と運動は、「3000万人署名」をはじめ、かつてない共同を広げている。朝鮮半島では、歴史的な米朝首脳会談が実現し、対話と外交による平和的な解決のプロセスが始まった。憲法9条を生かして北東アジアの平和を築くという展望が開かれてきた。安倍改憲を許すのか、憲法を守りいかすのか、日本の未来が問われる激しいせめぎあいが繰り広げられている。
大会は第一に、要求を前面に掲げ、日常活動を活性化し、地域と単産の力を結合して「新4か年計画」を引き続き推進し、すべての加盟組織が増勢に転じて、150万全労連に向けた新たな前進を勝ちとることを確認した。
第二に、アベノミクスにより格差と貧困が拡大し、地域社会の疲弊が深刻化するもと、「憲法と暮らしを守る」を合言葉に、「地域活性化大運動」と「社会的賃金闘争」を強めるとともに、「8時間働けば普通に暮らせる社会をつくる」ために職場・地域での共同をさらに広げることを確認した。
第三に、「安倍9条改憲阻止、憲法を守りいかそう」の世論と共同を一層発展させ、安倍政権を退陣に追い込み、改憲策動に終止符を打つために総力をあげてたたかうこと、沖縄県知事選挙をはじめ統一地方選挙・参議院選挙勝利に向け、たたかうことを確認した。
大会討論では、西日本豪雨の被災地から、過酷な現実と切実な要求とともに、「命と暮らしを守ることにこそ、政治の役割があるはずだ」と安倍政治に対する激しい怒りが語られた。
そして、「未組織労働者に無期転換ルールを広く知らせ、実現を勝ちとった運動」、「新4か年計画にもとづく組織・拡大運動」、「働き方改悪を許さない共同行動」、「最低生計費試算調査を力に『最賃引上げ』『全国一律最賃制』を求める運動」、「公契約条例など地域活性化を求める共同を広げた運動」、「非正規労働者の要求実現と組織化」、「要求にこだわって粘り強くたたかった春闘」、「野党統一候補勝利に向けた市民の共同」、「地域に打って出た3000万人署名運動」、「戦争法の具体化・基地強化を許さないたたかい」、「沖縄連帯のとりくみ」、「憲法カフェを力にした青年部活動の活性化」、「争議解決にむけたとりくみ」など、地域・職場から豊かなとりくみとたたかう決意が述べられた。たたかうバトンが、青年たちにつながれていることも語られ、確信となった。
全労連は、来年11月に結成30年を迎える。「希望に輝く未来のために、いまともにたたかおう」のスローガンを掲げ、結成以来、様々な逆風や攻撃にも屈することなく、「すべての働く者の人間らしい労働と生活を実現」することを追求してたたかい続けてきた。
あらためて全労連結成の原点を確認し、切実な要求にもとづく一致点で共同をさらに広げよう。今、全労連の出番だ。「ストップ安倍改憲! 憲法を守りいかそう! 8時間働いて普通に暮らせる社会の実現を! すべての労働者を視野に組織と要求を前進させ、未来を切り拓こう!」のスローガンのもと、早期に150万全労連を建設し、激しいせめぎ合いにかならず勝利しよう。
以上、宣言する。
2018年7月28日
全国労働組合総連合 第29回定期大会