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【談話】平成30年「労働組合基礎調査」の結果について

2018年12月19日
全国労働組合総連合
事務局長 野村 幸裕

 厚生労働省は12月19日、2018年の「労働組合基礎調査」の結果を公表した。労働組合員数は1007万人と前年より8万8千人(0.9%)増加した。組合員数は2011年に1千万人を割り込み、その後減少を続けていたが、2015年度増加に転じ、今年度0.9ポイント増加し、4年連続の増加となった。組合員数増加の主な要因は、女性とパートタイム労働者の組合員数の増加(女性が9万人、パートタイムが8万9千人の前年比増)である。パートタイム組合員は129万6千人となり、労働組合員全体に占める割合も13.0%(前年比0.8ポイント上昇)となった。それでも推定組織率は女性が12.6%、パートが8.1%であり、全体の推定組織率17.0%に比べると組織化が進んでいない。
 総務省「労働力調査」(2018年10月速報値)によれば、就業者数は6725万人(前年同月比144万人増加、70ヶ月連続増)となっている。そのうち、正規雇用は3522万人(前年同月比37万人増)、非正規雇用が2156万人(前年同月比115万人増)となった。2018年4月から有期雇用労働者の無期転換権が発生し、2018年10月から派遣労働者の申し込みみなし制度が施行された。しかし各地では雇止めなどの労働相談が相次いでいる。全産業やすべての地域で労働組合の結成を促進し、安定した雇用を実現するためにも非正規労働者の組織化をさらに強めていることが必要である。
 雇用者数が約92万人増えたため推定組織率は17.0%と前年より0.1ポイント低下した。産業別の組合員数では、製造業が262万7千人と最も多く、次いで卸売・小売業が146万8千人、運輸業、郵便業が84万2千人などとなっている。前年に比べ増加幅が大きかったのは、卸売業・小売業5万5千人増、宿泊業・飲食サービス業3万人増、製造業1万9千人増などである。一方で減少幅が大きかったのは、運輸業、郵便業が1万7千人減、教育・学習支援業が1万1千人減、情報通信業8千人減、公務8千人減などとなっている。卸売業・小売業や宿泊業・飲食サービス業などのいわゆるサービス産業に就業する労働組合員の増加が大きく、運輸業、郵便業、教育・学習支援業や公務に就労する労働者組合員数の減少が続いている。サービス産業で働く外国人労働者も近年目立つようになってきており、入管法の改定もあることから外国人労働者の組織化も求められる課題である。
 主要団体別の組合員数では、地方組織単独加盟の組合員を含めて、全労連は前年比7千人減の76万4千人となった。連合は同6万3千人増の699万人、全労協は同2千人減の10万8千人であった。ただし、全労連が独自に掌握している組合員数は、年金者組合なども含めて2018年6月末の現勢調査で103万人である。なお、「労働組合基礎調査」での前年比の減少数は2年連続で1万人を下回り、各地方・地域、単産・単組の奮闘で減少傾向に歯止めがかかったとも言える。
 各地で組織拡大4カ年計画の具体化が進み、「全員参加の組織拡大(総がかり行動)」の推進と職場での加入の働きかけが図られている。この秋からも非正規労働者の運動も積極的に進められ組織拡大につながっている。共済加入も契機としながら拡大運動の新たな手応えがひろがっている。職場からのたたかいを強化すると共に、とくに非正規雇用労働者や若者、女性などの組織化を推進して、「150万全労連」をめざし奮闘する決意である。

以上

 
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