2019年2月25日
全国労働組合総連合
事務局長 野村 幸裕
2月24日に投開票された辺野古埋め立ての賛否を問う沖縄県民投票は、辺野古「埋め立て」に反対する圧倒的な沖縄の民意をあらためて示した。様々な圧力をはねのけて、すべての市町村が参加する県民投票を成功させた、沖縄県民のみなさんに心から敬意を表する。
これまで何度も、沖縄県民は、県民大会や様々な選挙で、「辺野古に新たな基地はつくらせない」という民意を示してきた。昨年9月の知事選挙においても玉城デニー知事が圧勝し、あらためて民意が示されたにもかかわらず、安倍政権は「選挙には様々な争点がある」などと言い訳をして、違法・無法な新基地建設工事を強行した。しかし、もう、この言い訳は通用しない。今回の県民投票における「埋め立て反対」票は、知事選挙での玉城知事の得票を大きく超え、投票総数の7割以上の43万4273票にのぼった。県民投票条例では、投票資格者総数の4分の1(29万票)を超えた場合、知事には結果尊重義務が生じ、首相と米大統領に結果を通知しなければならないと定められているが、その基準を大きく上回る結果となった。この県民投票の結果を、政府は重く受け止め、ただちに辺野古新基地建設のための埋め立てを中止すべきである。それとともに、普天間基地の無条件閉鎖・撤去を求めて、対米交渉を始めるべきである。
政府は、辺野古の海への土砂投入を強行して、「工事は進んでいる」と見せかけ、県民をあきらめさせようとした。しかし、「県民はあきらめていない」ことを今回の県民投票ははっきりと示した。新基地建設にあたっては、いくつもの困難が存在している。大浦湾側の軟弱地盤の地盤改良のために7万7千本もの砂杭を打ち込むなどという工事は、どこまで費用と年月を要するのか想像もできない工事である。また、その地盤改良工事の工法変更を玉城知事は許可しない立場であり、工事の本格化は見通せない。「辺野古新基地は必ず止められる」ことは様々な点から明らかになっている。
今回の県民投票は、「沖縄のことは沖縄県民が決める」として、民主主義と地方自治の実現を求めてたたかわれた。また、沖縄県内すべての自治体首長・議会議長が賛同した「沖縄建白書」の実現を求めて、オール沖縄でたたかわれた。その結果、沖縄の民主主義、地方自治、沖縄県民の民意が勝利した。
全労連は、各単産・地方から沖縄県民のたたかいに支援・連帯して運動をすすめてきた。今回の県民投票の成果と到達点をふまえ、「辺野古新基地は必ず止められる」ことを確信し、さらにたたかいを広げる決意である。
以 上