2019年3月27日
全国労働組合総連合
事務局長 野村幸裕
3月27日、午後の参院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で2019年度予算が可決され、成立した。一般会計総額は101兆4571億円。7年連続で過去最大を更新し、当初段階で初めて100兆円を超えた。19年度予算は、社会保障の改悪や10月の消費税率10%増税で国民生活を破壊し、経済を破綻させ、過去最大の軍事費で憲法と平和を破壊する不当なものである。
全労連は、予算の前提となる統計調査の不正や景況判断の真偽などを放置したままの強引な国会運営と併せて、強く抗議する。
消費税10%増税は、実質賃金が伸びず消費不況が続き、短期の景況判断も厳しい中で強行することは暮らしと日本経済に打撃を与える。景気対策として、キャッシュレス決済向けポイント還元やプレミアム付き商品券などに計2兆280億円を計上しているが、これらの政策は国民と中小企業者に混乱をもたらすと共に、格差を拡大するものである。「全世代型社会保障」も低所得層にとっては、実質的な保育費の負担増であり、介護労働者の処遇改善も限定的で職場に格差と分断を持ち込む危険性がある。社会保障では、低所得者の後期高齢者医療保険料の大幅値上げ、生活保護費の更なる切り下げ、年金の実質減額など国民の負担増と給付削減となる不当なものである。
その一方で、防衛費は7年連続で増額となり過去最大の計5兆2574億円に上った。具体的には陸上配備型迎撃システム「イージス・アショア」が導入され、ステルス戦闘機F35A、無人偵察機グローバルホークなどである。また、「いずも」型護衛艦の事実上の空母化に向けた調査研究費や長距離巡航ミサイルなど、自衛の枠を越えた海外で戦争するための整備を開始したことは平和を願う国民の世論に背を向けるものである。なお、アメリカからの購入は7000億円を超え、アメリカ駐留軍の予算は約6000億円、沖縄・辺野古新基地の工事費もすべて国民の税金から支出される不当なものである。
全労連は、10月の10%消費税増税に反対し、戦争する国づくりを許さない運動を強化し、全国一律最低賃金制度の確立などと併せて、統一地方選挙や参議院選挙を通じた争点とするため全力をあげる。
全労連は、職場での賃金引き上げ・底上げや労働条件改善と共に、後半国会で、ハラスメント防止ではなく、実効あるハラスメント禁止の法案や原発ゼロ法案の成立のために奮闘する。また自民党がめざす9条改憲の国会審議を許さないために3000万人署名の更なる推進や各地で開催を予定しているメーデー、憲法集会を成功させるために奮闘し、国民生活無視の「虚構」安倍政治に終止符を打つたたかいを強化することをここに表明する。
以 上