2019年4月23日
全国労働組合総連合
事務局長 野村幸裕
4月21日に投開票の大阪12区、沖縄3区の衆院補選と、4月7日、21日にそれぞれ投開票の統一地方選挙が行われた。沖縄3区補選は辺野古新基地建設の是非が最大の争点となり、「オール沖縄」の屋良氏が「辺野古基地建設推進」を初めて掲げた自民党候補を破り当選した。「新基地ノー」の県民の意思が国政選挙の場でも改めて明らかになった。政府はこの結果を真摯に受け止め、直ちに新基地建設を中止し、約束の供用期限の過ぎた普天間基地の即時無条件撤去をアメリカ政府と直ちに交渉すべきある。また、大阪12区では前共産党の衆議院議員が無所属で野党の統一候補として奮闘したが、当選には至らなかった。しかし、6野党と会派の議員で応援し、今後の共闘の発展につながる闘いを展開した。なお自民党は大阪でも敗れた。この間の森友学園問題をはじめとする不透明な利権構造への根強い不信感による審判である。
この自民党に対する国民の批判は、統一地方選挙でも現れた。自民党は議席数について増加したもの、得票を減らしベテラン現職議員の落選という事態となっており、安倍政権への求心力の低下の現れと言える。従来型の利権政治からの脱却、失言・疑惑の大臣などをかばい続ける政治を終わらせるべきだとの厳しい審判である。
今、生活優先・労働者・国民優先の政治に転換させようとする流れが大きく動いている。この力は最終盤で「消費税増税の見送りも」と首相側近と言われている議員に発言させるような世論操作では動じないことを示している。
全労連は春闘方針で衆院補選と統一地方選挙を要求前進と参議院選挙勝利の前哨戦と位置づけ、消費税増税反対・全国一律最低賃金制の確立、原発ゼロ、安倍改憲阻止などの課題と結びつけたたたかいを提起した。この提起を受け、それぞれ奮闘された皆さんに敬意を表します。
ところで投票率は減少が続いている。「投票に行って要求を実現しよう」「自分の一票が政策を変える」など要求実現と投票行動との密接な関係を明らかにし、投票率を上げるための運動が求められている。
全労連は、衆参同日選挙もささやかれるなか7月の国政選挙に向けて、職場・地域で要求に基づく政治の風を吹かせて、8時間働けば人間らしく暮らせる社会の実現に向け、改憲阻止をはじめ、安倍政治を終わらせるために奮闘する決意である
以 上