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【全労連事務局長談話】一時金の引き下げに抗議!賃上げで労働者の生活改善はかれ

2021年8月10日
全労連事務局長 黒澤 幸一

 人事院は本日、政府と国会に対して、国家公務員の給与に関する勧告と人事管理に関する報告と意見の申し出をおこなった。給与に関する勧告は、本俸について官民較差が△19円(0.00%)とわずかな較差にとどまったことから、改定を行わないこととした。また、一時金では、期末手当を0.15月引き下げることを勧告した。
 今年の勧告は、新型コロナウイルスの感染拡大による影響を受ける2度目となる。国民のいのちとくらしを守るため、非常事態のもとで働いている公務労働者の賃上げに対する期待に背き、生活や現場実態が反映されなかった。加えて、賃金水準が低い非常勤職員の期末手当を削減させるものであり、職場の切実な要求に応えておらず、強く抗議する。公務員賃金の削減は、公務員準拠の職場にとどまらず、来春闘にも冷や水を浴びせるものであり、容認できない。
 一方で、育児休業の拡充に関する意見の申し出のほか、労働時間・休暇制度、非常勤職員に関する処遇改善など人事管理に関する報告では、不妊治療休暇の制度創設、非常勤職員の休暇制度改善、テレワークにかかる費用負担問題について言及し、政府に対処を求めるなど、職場の要求に応えていることは評価したい。

 中央最低賃金審議会の目安を参考として、地方最低賃金審議会で最低賃金が審議されている。10月1日から順次、地域別最低賃金が改定され、加重平均で930円以上となる見込みだ。国の高卒初任給の時間単価は897円と加重平均を下回り、11都府県よりも低くなる。公務員は最低賃金法の適用除外であるとして、最低賃金を下回っていても問題ないと政府・人事院は強弁し、初任給の低さを放置している。
 政府が行うべきことは、賃金引き上げによる経済の活性化、とりわけ、公務員の賃金が直接結びつく地方経済の活性化策だ。地方で働く公務員賃金の底上げ・引上げは、地域間格差の是正にもつながる。最低賃金とともに、公務員賃金の地域間格差を是正すべきだ。

 新型コロナウイルスの感染拡大により、公衆衛生職場や医療現場では終わりなき長時間過密労働が続いている。現場第一線では、「退職」もしくは「生死」の選択を迫るような事態となっている。これは、公衆衛生職場や医療現場だけにとどまらない。各種の給付金支給担当をはじめすべての公務職場では、国民のいのちとくらしを守るため、自らのいのちを削るだけでなく、家庭などあらゆることを犠牲にして働き続けている。
 公務が果たしている役割が社会的に注目されている。全労連は「いのち守る緊急行動」を展開し、政府に対処を求めている。同時にオリンピックの中止を求めてきたが、開催が強行され、先日閉会した。感染者の拡大が止まらない今、オリンピックよりも医療体制を拡充し、国民のいのちを守ることが最優先されるべきだ。

 全労連は、「いのち守る緊急行動」を全力でとりくむとともに、全国一律最低賃金制の確立と1500円以上への引き上げをめざし、職場と地域から奮闘する。また、組合員の要求をアンケートで集約し、来春闘での大幅賃上げをめざしとりくみを進める。
 まもなく行われる総選挙を視野に、国民のいのちとくらしを守る政治への転換をめざし、みずからの要求と結びつけて、憲法を守りいかすために職場と地域から奮闘する。

以 上

 
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