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【幹事会アピール】23春闘後半、物価高騰上回る賃上げへ
労働者の尊厳かけてたたかおう
〜初回回答、近年で最高水準の賃上げも生活改善にはほど遠い〜

2023年3月16日
全国労働組合総連合(全労連)第6回幹事会

 国民春闘共闘委員会・全労連は、春闘アンケートで示された月30,000円以上、時給190円以上で平均10%以上の賃上げ要求を掲げ、正規・非正規すべての労働者の賃金改善と格差是正を求めている。
 3月8日の集中回答日で誠意ある回答を求め、翌3月9日の全国統一行動にストライキを構え、各職場で交渉を進めてきた。第1次集計では、加盟組織の奮闘により昨年を上回る有額回答を引き出した。しかし、物価上昇が続くなか、生活改善のために掲げた切実な要求に届かない。とりわけ、ケア労働者はコロナ禍で数々の苦難を経験したが、他産業より低額回答にとどまっている。一方で、使用者の不十分な回答にストライキを決行した組織では、誠意ある回答を求めたたかいを強化している。国民春闘共闘委員会・全労連は、4月にかけて物価上昇分を上回る賃上げ回答をめざし、仲間を増やしながら職場と地域一体でとりくみを強める。

 国民春闘共闘委員会・全労連は、一昨年から、先行相場の形成に向け果敢なたたかいを展開し、大手組合より先行して賃上げ回答を引き出した。大手大企業労組を中心に連合の集中回答では、満額回答が相次ぐなど、賃上げが当然という雰囲気がつくられ、ベアが獲得されている。しかし、そもそも要求水準が低いため、物価上昇分に届いておらず、実質の生活改善にはつながっていない。
 さらに労働者の7割を占める中小企業における賃金改善には暗雲が漂っている。その最大の要因は、発注者である大手企業による下請たたきが続いていることにある。トヨタでは、依然としてサプライチェーンに対する単価引き下げを求めており、中小企業の賃上げを阻害している。地域経済を支える中小企業の経営を守るべく、大手企業による下請たたきをやめさせ、公正な取引の実現に向けた政策の強化を政府に求める。同時にケア労働者の賃上げ、公務員賃金の引き上げに向けた緊急勧告、最低賃金の臨時改定を求める。

 労働者の生活改善を求める声はより切実になっており、われわれのたたかいは希望の光となっている。われわれは、春闘後半で少なくとも物価上昇分を上回るベースアップの獲得に向け、粘り強くたたかう。政府に対しては、いのちを守る医療・社会保障と公務・公共サービスの体制拡充を強く求め、その実現をめざして引き続き奮闘する決意である。
 春闘後半、すべての労働者の尊厳をかけてたたかおうではありませんか。

 最後に、組合員の団結で要求実現をめざし、以下のとおり呼びかける。
(1)いまこそ、あらためて「物価高騰から労働者の生活をまもる」という春闘の原点に立ちかえり、いまの賃上げ回答で生活が守れるのかみんなで話し合い、納得いく回答が得られるまで要求実現をあきらめずにがんばろう。
(2)少なくとも物価上昇に見合った賃上げは経営者の最低限の責任である。8日の初回回答では、賃上げに努力し5桁の賃上げ回答も多くあった。労働組合のがんばりいかんであり、経営者が本気で努力すれば賃上げは可能であることを示した。引き続き、ストライキで徹底して経営者の「労働者の生活を守る社会的な責任」を果たすよう迫ろう。
(3)いまこそ産別統一闘争への結集を強めるとともに、地域ぐるみの春闘にとりくもう。スト支援、職場激励、回答促進の行動をそれぞれの単産や地域で具体化しよう。
(4)春闘後半で賃上げさせるカギは、交渉のたびに組合員が増えることだ。職場の仲間に、「あなたも労働組合に入って、交渉当事者になろう」と、いま機を逃さず呼びかけよう。
(5)公務員賃金の引き上げ、最低賃金全国一律1500円の実現、公定価格の引き上げ、中小企業支援策の強化など、対政府要求の実現めざし、職場、地域から全組合員の決起でとりくもう。

以 上

 

 
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