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【談話】医療・介護従事者等の新型コロナ感染による労災給付について
労災保険料のメリット制算定から除外の継続を求める

2023年4月17日
全国労働組合総連合
事務局長 黒澤 幸一

 政府は2023年5月8日以降、新型コロナ感染症を感染症法上の区分を第5類に変更することとしています。
 労災認定に関しては「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類感染症に変更された後においても、この取扱いに変更はありません」(新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)7.労災補償問2)とし、医療従事者等では「業務外で感染したことが明らかである場合を除き、原則として労災保険給付の対象」とすることを維持するとしています。
 しかし、「感染症法上の『新型コロナウイルス感染症』に関連する給付は、全ての業種においてメリット制の対象外とし、労災保険料に影響を与えない特例」を変更し、「5類感染症に変更された後に労働者が発病した場合の労災保険給付については、メリット制による労災保険料への影響がありえます。」としています(厚生労働省新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)7.労災補償問13)。
 2020年から3年にわたる感染拡大の中で、医療・介護では、最前線で働く労働者のリスクを理解しながらの献身的な奮闘によって支えられてきました。
 しかし厚生労働省は、5類への変更後に発病した場合の労災保険給付については、メリット性による労災保険料への影響があるとしています。
 今後も新型コロナ感染症の感染拡大が発生する可能性は否定できません。その際に積極的にコロナ患者の医療・介護を行い、職員が感染すれば労災保険料が増加するといった「ペナルティ」が課せられることは、医療・介護現場でのこれまでの、そしてこれからの努力に水を差すものとなります。そして医療・介護の現場に労災申請をためらわせる雰囲気を醸成するものとなります。
 また、労災申請が適切に行われないことは、パンデミックによって発生した医療・介護現場での労働負担を適正に評価する指標の一つを失うことになります。
 こうしたことから、私たちは感染症法上の区分が5類へ変更されることにより、医療・介護従業者等を労災保険料のメリット制度の算定対象に適用することに反対します。あわせて、新型コロナ感染症の感染拡大がなくなるまで、労災保険料のメリット制の対象としない現行制度の継続を求めます。

以 上

 

 
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