2023年6月2日
全国労働組合総連合
事務局長 黒澤 幸一
政府は、「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律案(マイナンバー法等一部改正法案)」を5月31日の「地域・こども・デジタル特別委員会」、6月2日の参議院本会議で採決し成立させた。
マイナンバー制度関連法案をめぐっては、国会審議中にも7,279件の健康保険証誤登録が発生したと報告され、国民を震撼させる事態となった。さらに、コンビニでの他人の住民票の誤発行や印鑑登録証明書の誤交付、公金受取口座の誤登録に加え、他人の医療情報を誤って開示するなど、想定された事態が続々と明らかになった。
しかし、政府は事態の全容解明を行わないまま法案採決を強行した。この暴挙に断固として抗議する。
今後、国民生活に及ぼすであろう多大な情報漏えい等の懸念は何も払拭されていない。ただちに全容解明を行うこと、少なくとも全容解明がなされるまで、マイナンバーカードの使用を中止することを求める。
また、このような状態の中での2024年秋の保険証廃止は撤回すべきである。国民皆保険制度を守るために、あらためて現行の健康保険証の存続を強く求める。
デジタル化を進めることは社会的には有用な側面を持っているが、基本的人権や情報漏えいのリスクから国民を保護する政府の施策なしにデジタル社会は成り立たない。マイナンバー法等一部「改正」法は実施を中止し、デジタル化やマイナンバー制度の拡大とマイナンバーカード導入ありきの姿勢を改め、国民の安全安心を優先した国の施策を求める。
以 上