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【談話】暴力の応酬を直ちに止め、相互理解による平和共存の道を強く求める

2023年10月19日
全国労働組合総連合
事務局長 黒澤幸一

 10月7日、パレスチナのイスラム組織ハマスは、イスラエルに大規模な攻撃を行った。5000発のロケット弾をイスラエルに向け発射したうえ、戦闘員がイスラエルの町を襲撃し、民間人も含めて少なくとも350人を殺害した。イスラエルのネタニヤフ首相はハマスに対して「容赦ない報復を行う」と宣言して報復攻撃を開始し、ガザ地区でも多くの犠牲を出した。全労連は、ハマスとイスラエル軍が双方とも戦闘行為を直ちに止め、パレスチナとイスラエルは平和解決のテーブルにつくことを強く求める。

 イスラエルはガザへの食料や電気、燃料や水などを遮断して「完全包囲」して空爆を繰り返し、医療移設や住居など無差別に破壊を続けている。イスラエル軍はガザとの境界に戦車を集結させ、大規模な地上侵攻を行う準備を整えてガザ市民に南部に退避するよう呼びかけた。これについて国連のグテーレス事務総長は、「人口密集地の戦争地帯で地域全体が包囲されている時に100万人以上の人を食料や水、宿泊施設のない場所へ移動させることは極めて危険で不可能だ」と非難した。一方、ハマスもロケット弾を発射するなど武力攻撃を続けている。双方の死者は10月17日現在で4000人を越え、国連は「前例のない人道的大惨事になる」と警告している。

 背景には第3次中東戦争以降、イスラエルが国連決議に反してパレスチナを占領していることがある。イスラエルは国際法に反して入植地を拡大し、ユダヤ人入植者によるパレスチナ人への暴力、イスラエル軍によるパレスチナ人住居の襲撃などが繰り返されており、これに対するパレスチナ人の積年の強い怒りがある。ハマスは攻撃の目的を「パレスチナ人と聖地の解放」としているが、ハマスによる無差別攻撃と市民の連行も、イスラエル軍による「完全包囲」と報復攻撃もどちらも国際人道法違反であり、いかなる理由でも正当化できるものではない。

 パレスチナが東エルサレムの領有権を主張しているにも関わらず、トランプ前大統領がエルサレムをイスラエルの首都に認定するなど、アラブ諸国に介入するアメリカの責任も問われるべきだ。バイデン大統領もイスラエルへの全面支持を表明し、日本政府もハマスを「テロ」と断じて批判、G7と歩調を合わせている。背景にある歴史的・民族的問題を無視して紛争の一方に加担するべきでない。

 イスラエルとパレスチナは冷静さをもって自制し、暴力の応酬を直ちにやめ、平和共存の道を探るべきだ。全労連は、イスラエルの占領地からの撤退、パレスチナの民族自決権の実現、イスラエルとパレスチナの生存権の相互承認の、国連決議で確認された三原則の実行を強く求める。日本政府に対しては、憲法九条を活かした平和外交を積極的に行い、事態の収束のための役割を発揮することを強く求める。

以上

 
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