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【談話】2023年「労働組合基礎調査」の結果について

2023年12月22日
全国労働組合総連合
事務局長 黒澤 幸一

 厚厚生労働省は12月20日、2023年の「労働組合基礎調査」の結果を公表した。本年6月30日現在の労働組合員数は、993万8千人と前年度比で5万5千人(0.5%)減となり、推定組織率は前年より0.2ポイント低下した16.3%となった。
 パートタイム労働者の労働組合員数は、前年より6千人増の141万人(0.4%増)となっており、全労働組合員数に占める割合は14.3%で前年より0.2ポイント上昇した。しかし、推定組織率は8.4%と前年より0.1ポイント低下した。
 女性の労働組合員数は、前年より2千人増の347万3千人となったが、パートタイム労働者と同じく推定組織率は12.4%と前年より低下した。
 全労連は、労働組合の推定組織率が低下していることに強い危機感を持つ。12月7日に全労連と地方組織が行った全国いっせい労働相談には、賃金不払い、非正規雇用労働者への差別、ハラスメントなど深刻な相談が寄せられた。電機業界では、大手企業が内部留保を積み上げながら個別リストラが常態化している。組織率が低下するなかで労働者の苦難さが増している。引き続く物価の高騰により実質賃金が低下し続け、労働者の困窮化は深刻になっている。岸田政権の経済対策は、大企業支援中心で労働者・国民生活の実態に目を向けず、内閣支持率が低下し続けている。賃金引き上げなど労働条件改善にむけた労働組合の役割発揮が強く求められている。
 産業別の組合員数では、建設業が7千人増、卸売業・小売業6千人増、宿泊業・飲食サービス業1万2千人増などであったが、製造業2万人減、運輸業・郵便業1万6千人減、金融業・保険業1万5千人減、公務2万2千人減と全体を減少させた。企業規模別(民営企業)では、1000人以上規模の企業が組合員数全体の67.3%を占め、300〜999人規模が12.5%、100〜299人規模が6.3%、30〜99人規模が1.9%、99人以下は0.8%となっている。企業数の大部分を占める中小零細企業での組織化が課題となっている。
 全労連は、地方組織単独加盟の組合員を含めて前年比1万9千人減の68万3千人とされた。ただし、独自に掌握している組合員数は、年金者組合なども含めて2023年6月末の現勢調査で92万4千人であり、全労働組合員数の一割近くを組織している。
 本年の秋以降、労働組合のストライキに注目が集まり、年末一時金などの支給額をめぐってストライキでたたかう労働組合の姿が労働者を励ましている。ヤマト運輸の「3万人リストラ」に対して、茨城の事業所で働く女性が立ち上がり、1月末での解雇を撤回させ、雇用確保にむけて交渉を続けている。全国で65万人以上の会計年度任用職員の処遇改善・均等待遇の実現をめざす取り組みが進んでいる。医療・介護などケア労働者の政府が示した賃上げ幅は生活改善にまったく足りていない。
 これらのたたかいを前進させるとともに、ジェンダー平等社会の実現には労働組合の奮闘が不可欠であり、女性と非正規雇用で働く労働者の組織化がその推進力となる。労働者が声をあげ、要求実現をめざして労働者とともにたたかってこそ労働組合である。
 全労連は、24春闘において仲間を増やし、大幅賃上げをはじめとした諸要求の実現をめざし、組織をあげて奮闘する決意である。

以上

 
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