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【談話】地方自治と沖縄県民の意向を無視した辺野古新基地建設強行に抗議し、岸田首相に工事の即時中止を強く求める

2024年1月18日
全国労働組合総連合
事務局長 黒澤幸一

 1月10日、政府は沖縄県名護市辺野古沖の米軍新基地建設について、大浦湾の地盤改良工事に強行着手した。沖縄の平和を脅かし自然を破壊する新基地の建設に反対し、地方自治と沖縄県民の民意を封殺する政府の暴挙に強く抗議する。
 新基地の建設予定地は「マヨネーズ並み」の軟弱地盤が最深90メートルに達しており、現状では基地の建設は不可能と言われている。そのため沖縄防衛局は、工事の設計変更を沖縄県に申請していた。しかし玉城デニー沖縄県知事は、地盤改良工事が環境保全や災害防止に十分配慮したものになっていないことや、国の試算でも12年かかる工期が米軍普天間基地の危険性の「早期除去」につながらないことなどを理由に、申請を「不承認」としてきた。
 沖縄防衛局は、県に代わって国が承認する「代執行」のため沖縄県を提訴し、福岡高裁那覇支部は昨年12月20日、国の訴えを全面的に認める判決を言い渡した。沖縄県の主張に全く耳をかさず、何度も示された沖縄県民の「基地はいらない」の民意に背を向け、国と対等平等である地方自治体の自主性を否定し、地方自治を踏みにじる不当判決である。しかも、県が求める国との対話は「代執行以外の手続きに当たるとは言えない」と切り捨てながら、「(国と県が)対話を重ねることを通じて抜本的解決の図られることが強く求められる」と付言する矛盾に満ちたものである。玉城知事は判決を不服として最高裁に上告した。
 この判決を受けて国は昨年12月28日、承認権限を県から奪う「代執行」を強行したうえで、県に代わって工事の設計変更を「承認」した。これにより、沖縄県内にとどまらず国内外で多くの反対の声が上がるなか、ジュゴンやサンゴが棲息する大浦湾の自然環境を破壊しながら工事が進められている。
 地方自治法に基づく地方自治体の事務を、国が「代執行」するのは初めてのことであり、沖縄県の住民自治と平和な沖縄を願う民意を踏みにじる国の強権発動にほかならない。これが許されるならば、基地以外の問題でも国の意思を押し通すことが可能になり、沖縄だけでなく全ての都道府県でおこりうる。まさに大日本帝国憲法のもとで軍国主義に反対する声を封殺した軍国政治・強権政治の再来であり、断じて容認することはできない。
 全労連は、民主主義を破壊する岸田自公政権を許さず、辺野古新基地建設の強行に強く抗議し、直ちに中止を求める。玉城知事と沖縄県民に固く連帯し、平和な沖縄を取り戻すたたかいと、在日米軍基地撤去のたたかいに全力を挙げるものである。

以上

 
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