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【談話】米兵による少女暴行事件と、それを隠蔽していたことに対して日米両国政府に抗議し、在日米軍基地の全面撤去と日米安保条約の破棄を強く求める

2024年7月2日
全国労働組合総連合
事務局長 黒澤幸一

 昨年12月、米軍嘉手納基地に所属する25歳の米兵が、未成年の少女を誘拐して性的暴行を加える事件が発生していた。本年3月27に那覇地検がわいせつ目的誘拐と不同意性交の罪でこの米兵を起訴していたこととあわせ、6月25日に地元メディアが報道して初めて明らかとなった。起訴当日に外務省の岡野事務次官がエマニュエル駐日大使に「遺憾の意」を表明したというが、事件の情報は玉城知事をはじめ県側に全く伝えられず、公表もされてこなかった。

 全労連は、米兵による卑劣な性犯罪が繰り返されていることと、日米両国政府が事件を隠蔽していたことに対し強く抗議する。特に日本政府の姿勢は国民の主権と人権の擁護を軽視し、日米軍事同盟を優先して沖縄県民の安全・平和を蔑ろにするものである。主権国家の政府としての責任を放棄し、国民の信頼を失うものとして強く糾弾する。

 事件からこの間、在日米軍と沖縄に関する出来事が続いた。12月28日、政府は辺野古新基地建設に関して県の権限を奪う「代執行」を強行した。4月に岸田首相が訪米し、「作戦及び能力のシームレスな統合」として自衛隊が米軍の指揮・統制下にはいることをアメリカに約束した。5月17日にはエマニュエル駐日大使が軍事視察の目的で与那国島を訪問した。6月16日には、玉城知事を支えるオール沖縄の躍進がかかった沖縄県議選が行われた。在日米軍基地の強化と「戦争国家」のために、日米両国政府が意図的に事件を隠蔽したと言わざるを得ない。

 1995年の海兵隊員による少女暴行事件以降、米兵の性犯罪が発生するたびに沖縄県民の怒りが爆発し、再発防止と綱紀粛正が求められてきたが、日米地域協定により沖縄県民の人権は蔑ろにされ、米兵の犯罪は不問にされてきた。今回の事件についてアメリカからの謝罪はなく、県に情報を伝えなかったことを問われた外務省の小林外務報道官は「常に関係各所に漏れなく通報が必要であるとは考えていない」と開き直った。人権を蹂躙して何の反省もない日米両国政府の態度を許すことはできない。

 7月1日、沖縄県警は昨年から今年5月末までに米兵による女性への暴行が5件あったと明らかにしたが、県側にはいっさい伝えられていなかった。憲法に謳われた住民自治を形骸化するものであり、人権よりも国家体制を優先する日米両国に、満身の怒りをもって抗議する。

 全労連は、日米安保条約・日米軍事同盟を打破し、在日米軍基地撤去、平和な沖縄を取り戻すために全力を挙げてたたかうものである。

以上

 
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