2024年10月18日
全国労働組合総連合
事務局長 黒澤 幸一
10月15日公示、27日投開票で衆議院選挙が実施される。衆議院選挙が行われるのは、4年ぶりである。全労連は、働く者の要求実現の立場で選挙に臨み、改憲派から平和憲法を守るとともに、職場と地域の切実な要求を実現し、くらしと仕事を守る政治への転換をめざして奮闘しよう。
石破首相は、自民党総裁選挙の間は「本当のやりとりは予算委員会だ」などと発言し、国会審議を尊重するかのような姿勢を示していたが、総裁に選出された途端、手のひらを返したように臨時国会の早期解散を表明した。一政党の代表にすぎない立場で選挙日程を表明するのは、憲法違反である。
過去最短の臨時国会では石破氏が言及した予算委員会は開かれず、大地震に続いて豪雨災害に見舞われた能登半島支援の追加予算すら組まれなかった。国民のいのちとくらしを顧みず、党利党略で早々に選挙日程を決め国会を解散したことは、国会軽視・議会制民主主義軽視の暴挙であり、断じて許すことはできない。
反社会的カルト集団である旧統一協会との癒着関係や、党ぐるみで行っている法律違反・脱税の裏金問題により、自民党に対する国民の怒りと批判が高まっている。自民党はこれらの問題について、国民に対する釈明も謝罪もいっさい行わず、新総裁による看板の架け替えと若干の「候補者公認取り消し」でごまかそうとしているが、自民党に代わるまっとうな政治を求める国民の声は日増しに大きくなっている。
自民党はアメリカに言われるままに日米軍事同盟強化と際限のない軍事費拡大・軍備増強を進め、日本を「戦争する国」へと変えようとしている。その仕上げとして自衛隊の明記、緊急時の議員任期延長など憲法改悪を狙っている。軍事費を捻出するために、庶民への大増税と社会保障の全面改悪を行おうとしている。
また、大企業優遇税制、労働法制の全面改悪と解雇規制の緩和、大型公共開発推進など財界いいなりの政治を進めている。
物価高騰と低賃金にあえぐ国民にさらなる悪政を押し付ける自民党に、これ以上政治を任せることはできない。全労連は、「全国一律最低賃金制度実現」「労働法制改悪と解雇規制緩和の阻止」「健康保険証廃止の撤回」「物価高騰対策と食の安定供給」「選択的夫婦別姓の実現」を五つの国民的要求、「自民党政治を終わらせる」と「改憲を阻止する」を二つの国民的課題と位置付け、選挙で実現をめざして全力を挙げるとともに、組合員をはじめ広く国民に投票を呼び掛けるものである。
以上