2024年10月31日
全国労働組合総連合
事務局長 黒澤 幸一
10月15日公示・27日投開票で行われた第50回衆議院選挙は、自民党・公明党の議席数が過半数を下回る結果となった。自公の過半数割れは、民主党が政権交代した2009年以来である。反社会的団体である旧統一協会との癒着や党ぐるみの「裏金疑惑」など、不正と金権腐敗にまみれた自民党とそれを補完してきた公明党への労働者・国民の怒りの審判が下された結果である。
また、戦争法の強行に見られるように政策への異論や国民の声を聞かず、国会内における数の力を頼みに悪法の数々を推進してきたことや、「安保三文書」の閣議決定など国会と議会制民主主義を軽視してきたこと、また国政を私物化してきたことなどに対し、国民の「自民党政治を終わらせたい」との願いが多数となったことの現れである。
全労連は、選挙を「自民党政治を終わらせ、要求実現可能な政治に変えるチャンス」として、単産・地方組織で奮闘した。自民党政治に代わる政治が実現可能な情勢となったことを、大いに歓迎するものである。
この間、自公政権はアメリカと財界いいなりに政治を進め、国際情勢ではアジア諸国などとの間で軍事的緊張を高め、国内では経済の停滞と国民生活破壊をもたらしてきた。
対中国・北朝鮮を念頭にした極東地域における軍事パートナーとして、アメリカと共に行動する「戦争国家」づくりを進めている。軍事費には湯水のように予算をつぎこみ、その財源を捻出するため、国民に大増税と社会保障の全面改悪を押し付けようとしている。
労働者には30年間にわたる賃金抑制と、非正規雇用の拡大など低賃金で企業に都合のよい働かせ方を押し付けてきた。一方で2023年度の大企業の内部留保は539兆円と、前年から205兆円積み増しされ過去最高となった。アベノミクスにより法人税は減税され、その代わりに消費税が10%にまで増税され、さらにインボイス制度が導入された。
1月1日の地震に続いて深刻な豪雨被害を被った能登半島被災地は放置され、長引く物価高騰やこの夏起きた深刻な米不足などへの対応も、自公政権は何ら有効な手立てを打とうとしなかった。このような政治は、もう終わらせなければならない。
全労連は、労働者・国民の不安を取り除き、信頼に応えうる政治を野党各党に求め、その実現をめざして全力を挙げるものである。
以上