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お知らせ
 

2007年12月13日

内閣総理大臣 福田康夫 様

全国労働組合総連合
議長 坂内三夫

原材料高騰にかかわる緊急要請書

 原油をはじめ輸入穀物、鋼材の高騰が社会的にも問題視され、徐々に国民生活や営業に大きな影を落としています。
 原油の高騰は、ニューヨーク市場で1バーレル100ドルに近づき史上最高水準となり、04年初頭比約3倍となっています。国内のガソリン・灯油価格もガソリン価格は04年比1.5倍の1リットル150円超に、灯油は約2倍の1リットル100円に急騰しています。
 石油製品の高騰は、運送業、建設業、農漁業、印刷業、クリーニング業、銭湯、ホテル・旅館、福祉・医療施設などを直撃しています。とくに冬場の暖房費の負担増は、北海道をはじめ寒冷地の人々のくらしに深刻な打撃を与えています。このままガソリンや灯油の高止まりが続くならば、全国平均で1世帯当り年1万4千円の負担増となると試算(第一生命経済研究所研)されています。
 また、原材料高騰によるコスト増を運賃・料金・価格に転嫁できない事業者も高い割合にのぼっており、賃金・労働条件切り下げや非正規化など労働者への犠牲転嫁が出ており、今後拡大することが懸念されます。
 小麦をはじめ大豆やトウモロコシなど輸入穀物の原材料価格も高騰し、主要穀物の国際相場はこの1年で2倍にもなり、国内のあらゆる産業に悪影響を与え、国民生活を直撃する食料・生活必需品の値上げラッシュとなっており、緊急な価格安定対策などが求められています。また、40%を切っている日本の食料自給率を向上させる農業政策の転換をはかることが必要です。
 このように、原材料高騰や食料・生活必需品の値上げラッシュは、労働者・国民の消費購買力を大きく低下させ、格差と貧困をより拡大することが懸念されているところです。
 つきましては、原油、穀物、鋼材など原材料高騰問題について、政府として、次のような緊急対策を早急に講じられるよう強く要請します。


1、 備蓄原油の放出を含め灯油等石油製品の価格安定策、鋼材等原材料、食料・生活必需品などの価格安定策を総合的に講ずること。
(1) ガソリン・軽油などにかかる燃料税について、暫定税率は速やかに廃止すること。
(2) 原材料高騰問題に対応した返済猶予措置や利子補給などを含む使いやすい実効ある緊急融資制度を整備すること。
(3) 北海道など寒冷地では、灯油の高騰は人命に直結する問題である。「寒冷地」に対する価格引下げや「福祉灯油」などの緊急対策を速やかに行うこと。
2、 親会社や元請企業に対して、(1)原材料高騰、生活必需品の値上がりや最低賃金引き上げなどに見合う適正な下請単価・取引対価・運賃などを保障すること、(2)賃金・労働条件切り下げや非正規化など労働者への犠牲転嫁はしないこと、について要請・指導を徹底すること。
 独占禁止法・「下請2法」(「下請代金支払遅延等防止法」「下請中小企業振興法」)を積極的に活用するとともに、不公正取引に対する罰則を強化すること。
3、 国・地方公共団体が発注する公共工事などについて、原材料高騰、生活必需品の値上がりや最低賃金引き上げなどに見合う適正な事業費設定を行うとともに、とくに原材料費、人件費については下請企業やそこで働く労働者に適切に支払われていることを確認できる措置を講ずること。

以上

 
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