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全労連第25回定期大会 2010年7月21日〜7月23日

全労連第25回定期大会によせられた海外友好組合からのメッセージ

(16カ国19組織2国際・地域組織 メッセージ到着順に掲載)

2010年7月20日現在
全労連

フィリピン進歩的労働者同盟(APL)

 全労連の同志のみなさん、フィリピンの労働組合と社会活動家からのたたかうご挨拶を送ります。
 民間、インフォーマル、移民部門の様々な労働者の組織が構成するフィリピンの労働者のナショナルセンター、進歩的労働者同盟(APL)は、私たちの兄弟姉妹である全労連の活動家のみなさんと、7月21日から23日に東京で開催される全国労働組合総連合(全労連)の第25回大会に心から敬意を表します。
 みなさんの大会は、昨年開催された全労連の歴史的な結成20周年に引き続き、今年、そして今後の日本の労働者と労働運動の、とりわけ全労連の指導のもとでのたたかいのいっそうの前進を議論するよい機会です。みなさんの20年におよぶ戦闘的かつ原則に基づいた労働組合主義と社会的な運動への関わりは、日本の働く人々の地位の向上に貢献してきました。労働者、労働組合、民主的な権利のみならず日本の人々の生活を守り、向上させようとする全労連のみなさんの努力は、日本の内外から尊敬と信頼を勝ち得てきました。同時にみなさんは、新自由主義的な「自由」市場政策に真っ向から反対し、米軍基地、とりわけ沖縄の米軍基地や「非核」のはずの日本に存在した核密約に抵抗し、APLなど国内外の広範な労働運動や社会的運動と連携しながら、世界的な労働者の連帯を前進させています。
 全労連第25回大会は、以前と同様に、日本の内外からの大きな挑戦を受けています。表向きでは、世界的な経済金融危機後の日本経済がすでに安定したと主張されています。しかしこの主張が意味しているのは、大企業が莫大な利益を再び貯め込みはじめたということであり、実際、日本の労働者の労働条件と生活状態は、私たちフィリピンなどの世界中の多くの労働者と同様に、新自由主義を引き金とする2008年の危機以前の状況にまで、悪化し続けています。全労連のみなさんが確信するように、この激動は「ディーセントワークと社会的保護を確立することによって国内経済を活性化させる緊急措置」の履行を政府に迫る、労働組合と広範な大衆的NGOとの連帯をもたらすでしょう。
 とりわけ美化された日本の労働者は、多くの給付と保障された労働を伴った高賃金の労働者、また強力な労働組合に保護されているだけでなく、個々の使用者や政府からも手厚く保護された労働者として描かれ、世界中の羨望の的になっていました。しかし今では、それは過去の消えゆくイメージです。多くの調査は、1990年後半から日本の労働者の平均所得が約12%減少していること、既存の様々な税金が原因で400万人以上が保険料を払えずにいること、ワーキングプア層の拡大が5万人ともいわれるホームレスの存在を裏付けていることなどを示しています。こうした統計は、フィリピンなどいわゆる途上国の極貧とは比較にならないものの、日本における拡大する収入格差と状態の悪化を如実に示すものであり、新自由主義を打倒しない限り、どこでも同じ状況です。
 実際、拡大する日本の青年層が、社会人の直面する深刻な不満や困難を非常に明白に示しています。「負け犬」あるいは「ロストジェネレーション」と称され、日本の青年は「正社員になれず、結婚できない、子育ては無理、年金や健康保険制度の枠外」の人々とされています。彼らのこうした状態は、本当のところは、国民年金の削減、健康保険料の引き上げ、賃金や給付水準の低い、労働組合に入ることを事実上禁じられた非正規労働者の雇用の拡大を企業に認める法律など、一連の新自由主義的な「自由」市場経済政策がもたらした結果です。なんと無益で残念なことでしょう。この世代は、25歳から34歳というおそらく最も生産的な年齢でありながら、非正規労働者の地位を余儀なくされ、その数も1997年の約150万人から2007年の330万人に倍加しています。日本の青年は、まさに「不安定雇用労働者」であり、契約社員、派遣社員、フリーター、ニートといった極度に搾取されやすく、ありとあらゆる侵害にさらされた労働者を象徴しています。
 さらに重要なことは、拡大する不安定雇用、悪化する多くの人々の貧困と苦しみ、過度に貪欲で破壊的な新自由主義が、日本と世界の労働組合、また広範な労働運動と社会的運動の取り組むべき急務であり、重要な課題になっている点です。しかし、ほとんどの国々おいて労働組合の組織率は低下し、日本における労働組合組織率は、1953年36.3%、1970年35.4%と高かったものの、2005年はわずか18.7%に急落しています。古色蒼然とした資本家的手法と新たな新自由主義的戦略を結合させた反労働組合的な制度的慣行、そして全体的な産業と企業の再編は、日本とフィリピン双方の、またいたるところの労働組合に犠牲を強いています。したがって労働組合は、労働者と労働戦線に起きている変化に対処すべく、自らの戦略と戦術を新たにしなければなりません。この点で、全労連が請負労働者や非正規労働者を保護し組織しようと努力していることは、称賛に値します。APLもみなさんと同様に、インフォーマル部門を含めた多元的な労働者の組織の確立にむけて努力しています。
 APLと全労連が直面する状況には多くの違いがあるかもしれません。しかし私たちには多くの共通点があることは確実です。日本国民は、鳩山前首相の選挙公約破りに憤りを募らせています。鳩山前首相はすぐに退陣しましたが、彼が率いた民主党は、半世紀以上に及んだ自民党の保守政権を破って政権の座につきました。同様に、フィリピンの人々も、蔓延する腐敗と民主的権利の抑圧を特徴とする9年に及ぶグロリア・マカパガル=アロヨ政権からの脱却の舵取りをベニグノ・“ノイノイ”・アキノ三世に委ね、フィリピンの新大統領として強大な権限を与えました。政治家は多くを公約し、私たちに多くの期待を抱かせます。しかしAPLと全労連が絶対的な信頼と希望をおいているのは、私たちの労働組合員と国民に他なりません。
 全労連万歳!
 日本、フィリピン、世界の労働者階級万歳!
 万国の労働者、団結せよ!

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