TOP INDEX BACK
全労連第25回定期大会 2010年7月21日〜7月23日

全労連第25回定期大会によせられた海外友好組合からのメッセージ

(16カ国19組織2国際・地域組織 メッセージ到着順に掲載)

2010年7月20日現在
全労連

イタリア労働総同盟(CGIL)

 イタリアで最も歴史があり、580万人を組織する最大の労働組合、イタリア労働総同盟(CGIL)を代表し、全労連第25回定期大会の機会に、全ての全労連組合員のみなさんにご挨拶を送ります。
 貴大会は世界中の人々がかつてない最悪の、深刻な経済危機の中で開催されています。
 ますます不安定になる多くの労働者の生活と労働条件の悪化は、この危機を招いた主要な原因の一つです。富の不公正な配分はグローバル経済をゆがめています。
 経済の金融化の長いプロセスの結果起きた金融危機は、先進国でも途上国でももともとあった経済問題をさらに深刻なものにしました。
 発展途上国では、経済成長に見合った雇用が生み出されていないためディーセントワークの深刻な欠如があります。このディーセントワークの危機は、生活コストの上昇を伴い、世界的な食糧危機にもつながっています。これが貧困の拡大の要因となっているのです。
 先進国がそのような状況をまぬかれているわけではありません。ヨーロッパではインフレと生産性向上にもかかわらず賃金傾向では購買力の低下がみられます。
 ほとんど全ての国で、雇用の流動化と労働市場の規制緩和を伴い雇用の条件が悪化しています。
 過去30年の間、金融市場での投機が、進歩と市場開拓、ディーセントワークを作り出す意思のある企業への支援よりも、短期的利益を上げることに傾注してきました。
 金融部門と実体経済、富裕な国と貧しい国、莫大な報酬を得る企業役員と賃金支払いもままならない労働者との間に、それぞれ大変な格差が生じています。男女の不平等も依然として大きいままです。このようなグローバリゼーションは、利益を拡大し続けている多国籍企業と民間の投資ファンドとの関係で先進国と途上国の労働者の格差をますます大きくしています。
 この危機は、規制緩和と市場の自由化、公共サービスの民営化を過去数十年進めてきた新自由主義経済政策の持続可能性のなさを証明しています。
 この市場原理主義は、環境や医療、社会的保護、食の安全や金融の本来の安定を含む世界の公共財を縮小させながら富を集積させてきました。
 国際労働組合運動と市民社会はこれから構築しなければならないグローバルなガバナンスシステムにおいて、ディーセントワークの課題をその中心にするよう求めてたたかっています。この点では、ILOは「2008年の公正なグローバル化のための社会正義宣言」実現において、各国政府や国際機関と連携し非常に重要な役割を果たしています。
 新しい多極世界において、国家はその求められる位置と役割を回復する必要があります。公的な介入は社会的一貫性の確保には最も重要なのです。
 公的な社会的保護のシステムの強化と拡大は喫緊の課題です。環境の面で持続可能な生産に社会的に公正に移行することは極めて重要です。各国の開発計画を支援し、不平等をこれ以上拡大しない世界貿易の公正なルールの確立は必要不可欠です。優先課題はディーセントワークと生産に見合った報酬の確立でなければなりません。そして、労働者の団結権と配分について交渉する団体交渉権が求められる重要なカギとなります。
 金融市場の規制は最も強く求められます。商品市場の投機は禁止され、市場は実体経済に焦点を当てなければなりません。
 新しい経済システムは環境にやさしい成長を生み出す必要があります。私たちのこの地球が生き残るのに必要であると同時に、環境保護は雇用創出にも大きな役割を果たします。インフラ、公共交通、再生可能エネルギーへの公的投資は世界規模で必要とされています。経済成長は環境に配慮した投資によって支えられる必要があります。
 このような困難な時代において、グローバルなレベルでの労働組合の連帯と団結は、安定して保護された雇用を増やし、世界の労働者の権利を拡大する上で重要なツールです。
 CGILは世界で国際労働組合運動がより強化され、広範な大衆組織や青年組織との求められる社会的連携を構築するために、国際労働組合総連合(ITUC)に明確にコミットし、平和、環境への配慮と社会正義に基づく、より良い世界を構築するために活動をしています。
 私たちは、全労連がこの偉大な道を共に歩み、私たちCGILと共に運動し、連帯が強化されることを望んでいます。
 連帯を込めて

ニコレッタ・ロッチ 国際政策担当

全国労働組合総連合
〒113-8462 東京都文京区湯島2−4−4全労連会館4F TEL(03)5842-5611 FAX(03)5842-5620 Email:webmaster@zenroren.gr.jp
Copyright(c)2006 zenroren. All rights reserved.