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全労連第25回定期大会 2010年7月21日〜7月23日

全労連第25回定期大会議案討論 第1日

いわて労連 金野代議員

 提案された方針を支持し補強する立場から最賃闘争にかかわって発言します。東北地方はCランク、Dランクと全国でも下位のグループにされている、という思いを長年もっています。毎年の改定ごとに首都圏との格差が広がっていく憤りを感じている。全国一律最賃制度と最低1000円以上の早期実現を東北6県力をあわせて取り組もうとここ数年やってきている。
 特に昨年は全労連伊藤調査局長の指導のもと最低生計費調査に取組み3月に実施した。大阪、九州などでも取り組まれているが、憲法25条が規定する健康で文化的な最低限度の生活を保障する水準をどう私たち自身で構築するかという意義のある取組みだと思います。これまでも生活保護との整合性というひとつのレベルは出ているが、本当に生活の質を考えた場合、時々の政策によって社会保障費の全体抑制などによって流動的に削減されるなか、労働者が働いて賃金を得て生活するうえで憲法が保障する水準がどこにあるのかをアピールしていかないと労働者自身がなかか確信、自信を持てないということで生活実態調査、持ち物財調査などを行って理論構築をしてきた。佛教大学の金澤先生の監修の下、1625ケースを集め、その7割の方が持っているものは必要なものということにして水準と理論を固めてきました。その結果、税金、社会保障費を加えて月額23万円が必要と出た。以前に取り組まれた首都圏と比較してもほぼ同じ金額。都会とは生活様式の違い、環境の違いはあるが、東北地方では公共交通が発達していないので移動に自動車が必要なのでその経費がかかり、冬場も寒冷経費がかさんでいる。家賃は都心より安いが積み上げるとほぼ全国同じ水準の必要額が出た。これを武器に5月に東北ブロック最賃キャラバンに取り組み、各県、賃金室長などに資料を提供して最賃時給1000円の必要性、全国一律最鎮静殿早期重要性を要請・懇談しました。青森や山形ではマスコミが注目してテレビ、新聞が要請行動の取材に押し寄せることもありました。市町村議会への請願にも取組み、秋田では36.86%で採択された。岩手では明日地方最賃審議会で初めていわて労連が意見陳述を行います。公益委員、使用者委員への訪問を重ね私たちの考えを伝え、訴える場をつくってほしいと要請してきたことが一定理解されたと思います。
 方針では来年度の法律改正の取組みを進めることとしていますが、今年も重要な時期なので全国で取組みを一緒に進めようではありませんか。

静岡県評 林代議員

 岩手に続き、最低生計費の試算から賃金・所得確保をめざす運動にとりくんできた。県評、自治労連など3者で実施した。集約は4761データと、大きな参加となった。
 結果は、若年単身者で月額23万5000円余、時給換算で1356円必要だと発表した。毎日新聞の報道では、大都市、地方都市、中核都市などというが、生計費に大差はないと書かれている。
 この結果をもって、労働局や最賃地方審議会に要求書を提出し、ただちに最賃時給1000円に引き上げよ、そして極力早く1300円に近づけよと求めている。朝日新聞の地方版では、最低生計費特集が組まれるなど、世論にも影響を及ぼしている。公益委員や労働局への働きかけで、全審議委員に資料が配られた。静岡は、最低賃金の全国平均に近く、たばこ販売のテストケースでも、全国で平均的なところとされている。この静岡から最賃を上げることで、全国に波及するはずだ。運動を強めていきたい。県庁職員の初任給は、高卒で時給800円の上くらい、大卒は1000円のすぐ上だ。したがって、ここを底上げすることで、正規労働者にも大きな影響を及ぼし、正規と非正規が手を取り合える要求になる。現在、世帯タイプ別生計費を出そうと検討している。この結果は、来春闘の要求の大きなもとになる。人勧がどんどん低下し、民間も成果主義導入で賃金が下がっているもとで、きちんとした物差しが必要だ、いまこそ生計費に帰ろうと呼びかけている。
 あわせて経済波及効果についても試算した。1000円への引き上げで、県経済は1100億円、1300円で5600億円の波及効果がある。県庁職員から、大変勉強になったと感謝された。今後の武器にしていきたい。要求に確信を持つことが大事だ。底上げすることで効果は地域に回っていく。今後、経済団体とも懇談・共同広げていく。全国の仲間とともに底上げの共同を広げていきたい。

宮城県労連 鎌内代議員

 最賃大幅引き上げと中小企業訪問について。リーマンショック以降、雇用悪化、中小経営困難で、生活苦を引き起こしている。国保税、県・市民税払えない状況が生まれている。県は福祉向上の立場なのに財産差し押さえ、給与差し押さえさえ起きている。税の滞納で自治体財政は悪化しているといっている。県民のセーフティネット確立が大事。春闘は賃上げと地元中小活性が重要と位置づけたたかった。連帯したたたかいとして商店街200店訪問。消費税減税賛同署名、地域活性化ポスター張り出しに取り組んだ。三十二店から賛同。今までかかわりがなかったが意見を汲み取って活動に生かすことにつながった。ある老舗商店は規制緩和が悪い、小泉、竹中は中小のことは考えていないと言っていた。別の店主は、消費税は経営を圧迫するといっていた。免税限度額の引き上げはかってほしい、増税反対、署名行動一緒にやりたいとの意見も。最賃千円以上と取り組み重視。シール投票、議会要請などにも取り組んだ。

愛労連 吉良代議員

 議案書の12ページにかかわって発言します。私たちは2月にトヨタ総行動の取組みとして下請け企業アンケートに取り組みました。昨年末トヨタが部品単価3割削減を発表したことから、中小企業はどうなっていうのか明らかにするためです。600枚のアンケート用紙を豊田市や刈谷市など下請け企業が集中している地域に配布しました。70通の返信がされ分析すると、まったく仕事がないとか今回の3割カットだけでなく春、夏、秋と定期的にカットを迫られているなどの実態があった。4月にこの結果をビラにして協力してくれた企業を訪問しました。学習会も開きその講演のなかで、自動車がガソリンから電池に燃料が変わると7割の部品が不必要になる、下請けをつぶすことになるしトヨタを中心とする大企業は海外に部品製造も進出して日本の中小企業は二重の苦しみを味わっているという話がありました。ついてこれないやつは切り捨ているということを押し付けています。その後、愛商連が会員を中心に名古屋の中小企業はどうなっているか、秋に向けて500件調査します。また名古屋市職労や愛知県の中小企業同友会、愛商連、年金者も参加し1万件調査しなければという声もあります。
 中小企業、零細企業を元気にするといっているがそこが元気にならないと私たち労働者の雇用の場も生まれない。ある大学教授は「大学生は就職難で困っている。福井の1件の求人に60人も応募した」という話でした。愛知県、名古屋が中小企業を放置して自動車、トヨタに投資しすぎた結果なのに、次は航空機産業を支援するなど大企業中心は変わっていません。
 中小企業がどういう実態にあってどうしなければならないかという政策提起をしていかないといけないと思います。全労連としても第1次産業を含めて産業政策を打ち出すべきだと思います。政策をもって堂々とたたかえるよう頑張って生きたいと思います。

建交労 赤羽目代議員

 職安前アンケートのとりくみ、雇用失業対策について発言する。完全失業率は、5月時点で5.2%、失業者数は347万人いると報道されている。ホームレスが増加し、自殺者は3万人を下らないという現実は改善されていない。
 全労連が提起した職安前アンケートに建交労も積極的に参加し、4200名の回答を得た。雇用形態は、正規51%、非正規も半分で、50歳以上は45%と中高年が圧倒的であった。要求は、再就職支援が過半数、失業給付が41%、公的就労が3番目であった。緊急雇用創出事業がやられているが、枠を増やしてほしい、長期雇用にしてほしい、制度を知らないという人もいた。
 建交労は、こうした失業者と一緒にたたかってきた。島根県浜田市などでは、アンケート調査に答えてくれた失業者と一緒になって市長交渉を行い、臨時でもいいから働かせてほしいと要求したのに対し、市は検討すると答えた。地元の新聞でも、いまこそ失業対策をという報道がなされている。建交労には、失業者を結集し、事業団をつくって運動する40年来の歴史がある。高齢者雇用安定法には、みずから高齢者を雇用促進する団体を援助・育成する義務があると規定されている。厚労省に対しては、これら事業団、ソーシャルサービス協会などの団体、NPOなどについて法に該当するのではないかと運動してきた。厚労省から「含まれる。援助の方向で検討する」という回答を引き出している。地方自治体にも要求を出していく。
これら団体に仕事を出せと運動し、この間1億7000万円ほどの仕事を確保し、雇用を確保した。しかし短期間のため、期間が終わると失業者に戻るが、組合員になってもらって、仕事確保、仕事づくりを一緒にやろうととりくんでいる。失業者の組織化は全労連方針にもあるが、緊急雇用についても、拡充強化が必要だと思う。緊急雇用対策は2011年度でおしまいにしてはならない。延長するように全労連としても積極的に進めてほしい。

千葉労連 松本代議員

 明治乳業争議と県民要求について。
 明治乳業争議の原点とは何か。原点は安保闘争。大企業支配、アメリカいいなりの課題が根本にある。明治乳業は、労働者を差別し支配しつづけてきた。市川工場では インフォーマル組織を作りたたかう組合をのっとった。人権侵害、いじめをおこなった。東京高裁は差別があると認めながら、救済判決は出さない。明治乳業は、利益一兆円の多国籍企業。大阪では一人の労働者を長期間プレハブに隔離したり、関東工場ではヨーグルトラインに20代の臨時社員が仕事を一人でやらせられ、機械に挟まれ死亡した。労働者守らない企業は、消費者を守らない。不祥事を繰り返している。企業の社会的責任を果たさない。争議は解決させる。働くルール確立が重要。争議解決に都労委が和解を三回勧告したが、はねつけた。食品ユニオン立ち上げたたかっている。みなさんの 協力・支援を。
 森田健作知事は、暮らし軽視の県政をすすめている。千葉土建では仕事がなく、十六人が自殺した。一斉地方選挙でがんばる。九月に仕事作れなどの要求突き上げ県民集会を開く。

年金者組合 篠塚代議員

 運動方針に賛成の立場で討論に参加します。その前に昨日全労連新聞をみました。雇用と社会保障による新たな福祉国家をつくる運動を提起するということを見てこれだと思いました。ただ読むにつれて社会保障の部分が少ないという印象を受けました。こうした印象を払拭するような運動を今後していただきたいと思います。
 まず社会保障充実の取組みにかかわって運動方針案の3の(1)の社会保障、教育などは国の責任を強く追及するという点に大賛成しています。年金者組合は3月の中央委員会で最低保障年金制度は待ったなしの状況だという討論がされました。背景には年金者の厳しい状況があり、100万人の無年金者がいて、140万の生活保護の4.5割が高齢者世帯と報じられています。生活実態調査ではスーパーの閉店間際まで待っている、冷暖房・水道の節約、持病のひとつやふたつは当たり前、年金の大半がなくあるという状況でした。参院選で消費税増税が急浮上し、民主・自民のやり取りをみると危険な状況だなと思いました。私たちが憲法25条を掲げ、国の責任を追及していくことが重要です。労働者の最賃時給1000円、正社員は当たり前の運動と最低保障年金制度実現と、後期高齢者医療制度の即時廃止を目指し、全労連に結集するみなさんと全力で取り組みます。
 次に共同と組織拡大強化について。年金者組合は結成21年を迎えました。全労連と統一労組懇の支援に支えられてきたおかげです。去る6月10万人組織を達成することができました。これができたのは中央本部に結集する826支部の活動によるものです。日本が高齢化するなか年金受給者が2800万人いて、10万人はまだそのほんの一握りです。さらに20万、30万といくには支部作りにかかっています。最低でも全自治体に支部をつくることを目標にしています。今826支部で残りが1142自治体です。年金受給者はいたるところにいいます。これを達成するには大変な事業ですので、金と人が必要です。乏しい財政のなか何とか工面しているが、人材探しに苦労しています。運動方針案の組織拡大5ヵ年計画の第6章に単産・地方で具体化するとあることに励まされました。県、地域の皆さんにぜひ相談ののっていただき力を貸してほしいと思います。
 ことわざで「すべての道はローマに通ず」とありますが、全自治体に支部が結成されたあかつきには「すべての人の老後は年金者組合に通ず」ということになるのは確かです。20万人、30万人は夢ではないと思いますので、大きな夢とロマンを持って頑張りたいと思います。

山形県労連 浜田代議員

 最低生計費運動と組織拡大について発言する。
 ワーキングプアが問題になった5年前から、本格的に底上げ運動にとりくみ、署名・懇談などを行ってきた。県の最賃時給619円、地元スーパーで650円程度であり、当初は時給1000円なんてとても無理というのが正直な印象だった。しかし、社会的問題になってきたこともあり、春闘討論集会などで学習を重ね、労働局への申し入れではマスコミにも取材を依頼し、記者向けの勉強会も行った。審議会の意見陳述では、派遣労働者自らが低賃金の実態、職場での差別、いじめ自殺さえあることをのべ、委員に衝撃を与えた。
 09年の東北ブロックの最低生計費調査にも参加した。3種の調査が必要、一定の数を集約しなければならないなどの困難から、みずからの力量にあう運動をという声もあったが、とりくみの意思統一を行った。賃金学習が支えとなった。日本の労働者の賃金はまだまだ高いと竹中大臣(当時)などがいうが、そこにどんな根拠があるのか。理論学習の裏付けが大事だ。目標数、集約数を点検し、目標超える260人分の集約、調査へ大きな貢献となった。分析結果を読みあって驚いた。最低生計費は、都市部と大きくは変わらないという結果だった。岩手県北上市で時給1311円、さいたま市で1345円だった。首都圏も東北も差がない。東北では、雪下ろしや雪かき、自家用車を四輪駆動車に変える、加えてガソリン代、灯油の値段にも悲鳴をあげている。生活実感からも、都市部を下回ることはないと確信していた。大きな満足感がある。最賃は、各県独自にデータを発表し、東北は九州四国沖縄などと低ランクに位置づけられ、これでは低賃金押しつけの格差拡大審議会だと批判している。賃金底上げで、個人消費・内需拡大で景気も回復する。最賃引き上げを粘り強く進めることで県民の信頼を得たい。
 6月の総がかり作戦では、全労連、県労連、生協労連など21名が3つの店舗でとりくみ、15人の仲間を拡大した。状況に応じた力の配分と、身近で切実な要求を汲み上げ、労働者自らが担い手になってとりくむことが重要だということがわかった。大きな成果と受け止めている。5000人県労連目指し奮闘する決意だ。

生協労連 柳代議員

 最賃千円以上、最賃闘争の取り組みについて。生協労連でも闘争本部をつくり いろいろいと取り組んできた。特に昨年の政権交代以降は、民主党の議員を中心に国会議員要請をおこなってきた。11月の最賃決起集会をはじめ、1月から5月までほとんど毎月議員要請を行い、400人以上が参加した。紹介議員はあらゆる党から24人になった。秘書対応では「検討します」が多い、次回訪問しても覚えていないので印象づけようと最賃君のストラップを持っていった。「最賃くんの生協労連です」と次に行くと覚えていてくれる。議員とはなかなか話せないが、政策秘書やアルバイトと対話。アルバイトの方からは「私も時給なのであがるといい」などの話も。署名は4万筆を集めた。紹介議員になったところから「署名を提出した」とわざわざ連絡がきたりしている。最賃は低すぎるとの言葉がメディアにも取り上げられるようになり、この間の地道な運動の成果だと思う。
 来年は最賃委員の改選がある。秋からの行動が重要になる。各地で候補者を確立し、審議委員誕生にむけての準備を進めたい。これまでの運動で最賃のアピールはできてきたと思う、報道もされるようになってきたがが、最賃1000円をどう実現するか。全国で生計費調査が行われ、関東周辺と東北では1300円は必要とでている。これを全国に広げ、日本中どこでも生計費は同じ、時給換算でこれだけは必要という事実を見せていくことが大事。全国一律最賃制の確立にむけ、地域・単産で協力し奮闘する。

秋田県労連 東海林代議員

 第1号議案の2年間のたたかいと教訓にかかわって発言します。私は特養施設で介護の仕事をしています。分会の執行委員、県労連幹事、全労連青年部常任委員をしています。私たちのまわりには労働組合への期待が大きく、私たちはそれに応えることが求められているということを10春闘の支部での教訓に触れて発言します。
 今年の春闘では基本給は定昇のみという結果でしたが、その他に今年度成果主義賃金を導入しない、年間一時金増、寒冷地手当ての継続、介護職員の待遇改善交付金をうけて正規と臨時職員で毎月5000円、パートは3000円支給、業務研修が無給のヘルパーに賃金を支払う、看護師を1名雇うなどの成果を勝ち取りました。私たち組合は結成は長いこと団体交渉の経験がほとんどなく、これらは画期的な成果です。
 介護はやりがいのある仕事ですが、低賃金・重労働で命にかかわる責任の重圧など厳しい仕事です。日々利用者の立場に立った安全安心の介護を追求しながら、自らは将来の不安や楽しい生活とは言えないギャップを感じています。私たちの生活と経営状況と利用者のことを考えると堂々巡りに悩み、要求することが犯罪にすら感じました。それでも私たちは間違っていない、切実な要求だと思っていても言い表せない引っ掛かりがあって一歩前に出られないのが現実だった。
 転機は昨年の春闘です。長く働き続けられ、全職員が笑顔になれる職場を目標に取り組みました。介護労働者の処遇改善を目的に介護報酬が3%上がり、このチャンスを生かそうと福保労中央部、地域労連、県労連に学習会の講師できてもらったり、団交に入ってもらったり支援をしてもらったおかげで前述の成果につながりました。
 今年は初回からゼロ回答。今まではそれでおしまいでしたが今年は違いました。たたかいはこれからだと県労連、地域労連から叱咤激励をうけながら何度も職員で話し合い、がんばろうと決意し、団交を5回繰り返しました。連日職場の皆さんと対話し、どんな思いか生活実態はどうかなど聞き取り調査をおこない、その声を団交でストレートに伝えました。職場への呼びかけ文も作成し、ニュースにしてすべての仲間に届けました。1週間連日のビラまきが注目を浴び、今まで組合に見向きもしなかった人も応援していると声をかけてくれたり、未加入のヘルパーさんも私たちのことを交渉してくれてありがとうと応援をもらいました。団体交渉はいつも執行部と数人だが回数を重ねるごとに増えていき、最後は30名中20名が参加。団交で後ろを振り返るとみんなの顔が見えて泣きそうになるほど嬉しくて心強く頑張ることができました。最終的には8名の組合加入につながりました。
 春闘を通じて志をもった人の気持ちがつぶれない生き生きとした職場をつくれるのは経営者と対等の立場にある労働組合だと思いました。ひとりではできなくても力をあわせ勇気を出すことで現状を打開できました。利用者もその家族も労働者も脆弱で貧弱な福祉行政に苦しんでいます。立場は違っても必ず思いは通じます。そのことを信じてまえに進んでいきます。

長野県労連 鈴木代議員

 反貧困の活動報告をしたい。日比谷の派遣村以来、全国でも、長野でもとりくみが広がった。県下で8つの反貧困ネットワークがあり、地区労などが参加している。このほかにも2つあり、全部で10存在しているが、連合も入って緩やかなネットワーク組織を構成している。上田市では、年末年始に派遣村にとりくみ、真冬にずっと路上生活をし、3年間もそのまま生きていたという人もいて驚いた。
 ハローワーク前の相談では、派遣切りにあった20代の青年が、こんなことは許せないと毎日ハローワークに来て、見たような顔を14人集めて組合をつくった。彼は精神障害者手帳をもっているが、何とかしたいと組織をつくった。県労連も入って援助し、結局みんな就職して解散したが、その彼は「14人が痛みを抱えながら支えあったことがうれしかった」と感想を述べていた。
 生活保護だけでは、人間はなかなか自立しない。そのあとのサポートが大事だ。ある男性は、60過ぎて女性を連れてきた。金も使い込むのか、もっと金くれ、米くれとか、どうしようもない人だったが、彼女ができてからみるみる変わって、仕事もするようになった。反貧困の交流会開催が方針に書かれているが、自立していくためにどういうサポートが大事かというところまで、態勢が必要だと思う。これまでのいろんな経験を生かしていきたい。わたしたちのとりくみで生活保護の受給がスムーズになったが、労組がどこまで足を突っ込んでいいのか悩みはある。
 県知事選はあす告示だ。いわさきちひろの息子の松本たけし氏が立候補する。県労連も一緒に推薦している。全国からの支援をお願いしたい。

青森県労連 奥村代議員

 産別と地域の統一運動について。1989年にたたかうナショナルセンターとして全労連が発足した。その時の運動形態は、単産と地方運動を統一してたたかうことは重要。議案にはこのことが十分に位置づけられていない。
 議案には、大企業中心の構造改革によって国民との間に矛盾が広がり、これへの激しいたたかいの時期となるとあるが、どう運動を構築するおかが不十分。構造改革との決別、財界とのたたかいが不十分ではないか。これまでの運動の到達点をどう方針化するのか、その具体化が不十分ではないか。
 青森の実態を分析した結果から考えてみる。縦線の産別運動と横線の地域運動をどう統一していくのか重要と考える。県労連で青森の課題についてまとめたが、いかに大企業とアメリカ従属に苦しめられているかがわかった。地域の疲弊すすんでいる。ある地域では親子心中があった。母は80歳で2人の息子は四十代。なぜこんなことになったのか、津軽では、人口が6、7割減っている、仕事がなく生活が成り立たない。もう一つは県の財政は破たん。大企業の利益誘導、公共事業をするのに県債を発行している。その背景には、日米構造協議がある。農業、林業、漁業では食べていけない実態がある。ぜひ冒頭の具体化をお願いしたい。

東京労連 佐藤代議員

 「雇用と社会保障と福祉国家を目指す」にかかわって補強意見と意見、労働者福祉活動について発言します。
 福祉国家を目指すということについて言葉の表現も含めて様々な意見があるように思います。私なりには福祉国家とは、雇用、くらし、教育、産業と中小企業を破壊する新自由主義路線、構造改革から転換し、貧困解消、いのちくらしを第一に優先する社会・国家づくりだと思っています。その中身として全体の底支えをするナショナルミニマムの問題の表現が前面に出てこないのにやや疑問です。憲法25条実現での国の責任を問う国民的、これをつくっていくとあります。私は生存権裁判のたたかいにかかわっています。この、いわば人間の尊厳を守る裁判闘争が方針にある憲法25条実現での国の責任を問う国民的運動の中心的課題のひとつとして位置づけるよう提案するものです。
 東京では現段階で東京高裁で不当判決となり、最高裁に上告しました。福岡高裁では老齢加算の廃止について原告の主張通りの勝利判決を勝ち取っています。これは一連の生存権裁判における初勝利にとどまらず、50年前の朝日訴訟の第1審浅沼判決依頼の画期的な判決です。生存権裁判の意義や重要性はたたかっている当該の問題だけではありません。日本のナショナルミニマム確立のたたかいにきわめて重要なたたかいで、賃金・最賃闘争にとっても重要です。
 全労連は支援全国連絡会に入っていることは承知していますがこれから裁判は最高裁です。朝日訴訟のときも最高裁までいきましたが、残念ながら遺族への訴訟継承は認められず棄却されましたが、世論を無視できませんでした。今回は日本で始めて正面から憲法25条をすえて、憲法判断を迫る、国の責任を問うたたかいです。50年前の1次判決を契機に不十分ながらも社会保障への道をつくりました。その当時労働団体の役割があったことを思い起こさないといけません。福祉国家を目指す大運動の一翼として、その任務を真のナショナルミニマムを確立する大きな提起として生存権裁判を位置づけ、貧困のスパイラルを断ち切る運動提起を含めて補強をお願いします。
 全労連共済について、今後の発展方向で未組織に大いに役立つ、労働者保護から排除された、家内労働のような周辺の労働者も含めて大いに活用できる助け合いの制度を開発し運動強化を要望します。労金運動にかかわってはすでに13金庫が合併し、日本労金を創設する方向で大きく動いています。労金運動をナショナルセンターがもっと重視していいと思います。労働者福祉運動をどうするのかという提起の中で重要です。2012年の4月に発足というスケジュールであり時間は切迫しています。全国的な討議の組織に向けイニシアティブを発揮していただきたい。合わせて、これを契機として労福協との問題、総合的な労働者福祉運動についても考え方を提起していただき、各地方とも意見交換などをすすめながら積極的な討議をお願いします。

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