7月1日にユニオンと組織統一し郵政産業ユニオンとして全労連大会に参加する。組織統一は小泉構造改革のなかで郵政民営化とのたたかいのなかでできた。
日本郵政は非正規労働者が21万人、日本企業で最大の非正規労働者を抱えている。その実態は全国で郵便、貯金、窓口業務にはなくてはならない存在だが、賃金は正社員の3分の1以下、諸手当にも多くの格差がある。非正規社員の64%は年収200万円以下。この間非正規労働者の10万人の正社員化・均等待遇を訴える全国キャラバンを実施。昨年ILOを訪問し、125条約に関連して情報提供を行い、運動に取り組んできた。正社員化と均等待遇の実現のたたかいには郵政民営化見直しがどうしても必要。国会で法案が成立し郵便事業会社と窓口事業会社が12月に統合されることになった。TPP参加をめぐり皆保険への攻撃がでるだろうが、国民の金融資産や郵政のユニバーサルサービスの危機に一歩広げたたたかいが必要。新組織の結成宣言でナショナルセンターの違いを超えて正規非正規の分断を乗り越え日本の労働戦線の壮大な統一に役割り果たすと宣言した。今大会の方針に全労協への呼びかけが明記されていない。この間の全労連の努力に感謝しつつお願いしたい。一人一人の組合員を大切に、結成宣言を今後の活動の軸にすえて頑張る決意。
いすゞ、日産ホンダトムソンはじめ争議の支援に感謝する。2012年春闘はベアを出せないという経営の強い逆風の下、本気で春闘再生を掲げ団結の強化と総対話をすすめながら闘った。最終的には昨年妥結額を上回った。非正規労働者の正社員化、時短などの諸要求も実現した。反撃した組合では前進があり、その要因は職場の対話と一言メッセージにある。一言メッセージの回答には各自の生活実態や企業の将来展望への不安が出され、労働者の要求がかつてなく切実になっておりそこから闘うエネルギーを引き出すことにつながった。趣味・小遣い・賃上げをキーワードのTSK50を合言葉に対話に取り組み、昨年を上回る回答を引き出す力となった。ストの統一行動も力を発揮し、全国で100支部分会が立ち上がり、東京、神奈川などでは地域との協力も広がった。
JMIUでは当たり前に労働運動を、手抜きしないで進めるという方針を確立した。要求実現と同時に独自に組合を拡大することが大事。ぜひ全労連からも中立組合に呼びかけることを重視してほしい。
秋田は最低賃金が4円ということに大変憤りを感じる。Dランクの地域のたたかいは「低水準」と「格差」の拡大とのたたかいだ。東北ブロックではキャラバン行動として中央最賃審議会への交渉や東北6県が集い決起集会を開催してきたところだ。被災地こそ大幅な賃上げが必要である。
全国一律最賃は世界の流れだが、日本は47都道府県ばらばらでランク分けが続いている。各県経営者協会の最賃引上げ反対の意見書に東北は2県が名を連ねている。全労連にも運動への支援をお願いしたい。全国的な最賃引上げ運動の強化を再度おねがいする。
昨年の6月30日に国と神奈川の労働局長を相手に最賃裁判を提訴した経過とお願い。総勢102名の大量原告団を組織して、日本で初めての憲法違反を訴える最賃裁判。去年、今年の最賃引き上げをめぐる国と経営者側の引き下げ攻撃が強まっている。労働運動が壊れている。当事者を前面に出した運動をしていかなければならない。最賃ギリギリで働いていては、健康や命への不安が尽きない。結婚や将来にも希望が持てない。憲法に違反する最賃額を改定してほしいと立ち上がった。神奈川労連も今まで宣伝などで様々な前進を作っていたが、当事者が前面に立つ運動ではなかった。労働運動の脱皮が必要。労働運動の殻を破る取り組みである。全国的にたたかっていきたい。一層の支援をお願いする。
2年連続の低額目安答申に表れているのは、大企業中心の経済を目指す構造改革路線への回帰だ。しかもその理由が被災地復興となっている。最賃闘争でこそ、この構造改革回帰を突破することができる。山形県内の業務改善助成金制度の活用は13件、使い勝手が悪いことが指摘されている。もともと全労連がまとめている政策への理解と共感を広げる運動の強化を基礎に、業務改善助成金の全国的な状況の把握が必要ではないか。二つ目は生活保護基準とのかい離の問題。山形県でも13万3544円でありその差は3万円以上になる。全労連は基準の取り方についてごまかしの根拠を批判していたが、次第にトーンが弱まっているように思う。厚労省のごまかしを批判し、改善を図ることは全ての県での取り組みとすべき。生活保護との逆転現象との関連で、最賃の給付基準を切り下げるという逆立ちした検討が進んでおり、このたたかいに全力を挙げたい。
時給1000円は政労使合意された正当な金額であると学習し経営に要求してきた。厚労省が出した生活保護との整合性は不当に低く計算されたものだと経営につきつけることができた。基幹労働としてのパート労働は1000円以下の仕事ではない。神奈川の職場では、正規の賃金を時給換算しパートの職務点数に換算すると1000円以上になる。全国格差は広がる一方。600円台を早急に引き上げ底上げが大事。生活保護を下げようとするなかで憲法25条にそった世論づくりが必要。地方では地賃の運動が始まっている。
パート法改正については来年法案作成されるようだが、実効あるものにする必要がある。8条の差別的取扱い要件は削除するというが、これで均等待遇が前進するとは思えない。賃金だけでなく福利厚生でも女性は差別されている。公正な社会の実現が世界の流れだが日本は逆。均等室に行って相談を、と呼びかけているがハードルが少し高いと思うが、対応が変わってとても良くなった。私たちは労働の実態を経営だけでなく社会に言っていく必要がある。私たちの声から法律を変えていきたい。最賃とパート法は車の両輪。職場学習を力にディーセントワークの実現に奮闘する。
日本医労連は大幅増員で医師・看護師 職員を増やそうと訴えてきた。昨年6月17日には厚生労働省の厚生・労働の両部局で看護師への改善命令が出された。行政は全国47県中46県でも同様の通達をだした。地方では看護部長が参加し成果もでてきている状況。ごく一部だが、看護師は働きつづけるための改善が進んでいる。われわれも後期高齢者になったら労動条件をつくっていくたたかいが必要であるが、賃金がやすい。誇りを持って医師・介護職賃金の差別をなくさないといけない。そのためにベアアップにこだわる。公務にかけられた攻撃でも人事院勧告間準拠であるわれわれにベアをかち取り、ストライキでもたたかう決意だ。秋闘11月17日に話合いでベアをとり、ワーキングプアをなくしていく。交代制勤務労働者とも連帯する。
全印総連は適正化価格確立の運動を重点課題においている。民間の規制は難しいが、官公需で適正価格を確立して、民間に波及させようと奮闘している。印刷も公契約の対象とさせた適正単価と適正な労働条件を求める運動を進めたい。2010年、適正単価の確立などを求める「産業政策提言」を提起した。目的は、産業に働く誇りと文字活字文化を支えるにふさわしい賃金労働条件の確立、印刷関連産業の再生と印刷関連産業に中小・零細企業と労働組合が共同参画して「産業民主主義」を確立すること。業界や全印総連の組合にない企業経営者にも賛同が広がっている。
大阪の校正印刷会社で胆管がんで7人が死亡した。安全性が確認されていない化学物が野放しにされていることに問題がある。胆管がん問題に全労連としても取り組んでほしい。
東京労連の女性の参加は33%となっている。全労連全体でも単産地域でも努力してほしい。目に見え音に聞こえる春闘として、地域から世論をつくり、地域全体で取り組む春闘にしていこうとたたかってきた。東京春闘で呼びかけ回答指定日翌日の3月15日の行動に取り組んだ、本格的に職場と地域が一体となったたたかいが重要になっている。求人調査でも最賃に張り付いた求人が多くなっている、自治体キャラバンで、時給を上げさせたり交通費を支払わせるなど少しずつ前進している。8月3日には東京最賃審議会専門化部会もあり座り込みも実施する。20円はきっちり取っていこうと呼びかけていく。オスプレイ問題でも東京の横田基地での低空飛行問題もあり運動を進める。連合が大規模な組織オルグを東京にも配置しようとしており、全労連の地域政策も必要。特別会費は、本来組織拡大は組合費で賄うべきだがお金が必要なもの事実。反対ではないがより深い議論が必要と考える。
減少傾向にある組織を増員にどう転じるか、愛労連では定期大会で組織拡大強化3か年計画を策定し具体的な取り組みを確認をした。柱のひとつは中立組合への呼びかけ。814の組織12万人が中立組織。専任スタッフを置き、名簿化して単産とともに加入の働きかけを進める。2つ目は地域労連を窓口に公開労働口座を開く。未組織労働者を対象に労働基準法やパート労働法など基本学習をして、組織拡大の足がかりにしたい。
3つ目は中小企業団体や経営者団体との懇談。中小企業はリーマンショック後、愛知では倒産・廃業が相次ぎ年7〜10%減少している。原因はトヨタなど大企業の無謀な下請け単価引き下げ。今春の下請けアンケートで30%切り下げを要求された、とあった。タイの洪水や円高もあり切り下げ圧力は今も続いている。トヨタは530万台、全体の6割を海外生産にすると発表した。これでは4次5次下請けは整理されることは間違いない。中小企業家同友会などと共同して地域経済の活性化にむけ脱原発、自然エネルギーへの転換が必要だと政策提起の準備をしている。中小企業・地域経済活性化と組織化を一体で進めていきたい。
7月3日にルネサスの合理化問題で山口県では2社、大分県では2社、熊本県では3社の合理化がおこなわれようとしている。熊本では2工場の閉鎖も実施される。これは電気産業の崩壊をまねくことになる。ルネサスでは設計のみで製造から撤退となっている。県交渉では撤退をやめろというだけではなく、ここに企業を残せと言っていく必要がある。日本家電は100%輸入だが、中の部品は日本でないと作れない技術。このことをがんばって訴えていく必要がある。ものつくりに関して根本から考えなおすときがきている。レベルの高さある国内で物がつくり出されている。アメリカのアップル社は知的所有権に関しては日本と考え方が180度違う。国内でのものづくり政策をもたないといけない。生産的な話をルネサスですることが大事。そして地域との共同で交渉や労働局との交渉もすすめ、全国のたたかいに共同を広げていきたい。
広島の共同の前進と働く者の権利と命を守るたたかいについて。広島市は2008年から10年かけて全校にエアコンの設置を実施するとしたが、期間が長すぎ学校間の不平等が生じるため緊急の実施を呼びかけた。広島県労連が中心となり、地域総行動同実行委員会ですべての保育園、小中学校、学童、給食場などに早期にエアコン設置を求める20万人署名を提起しとりくみを開始した。耐震化とセットでエアコンを設置するよう求めるようにした。署名は4万8千の集約だった。学童の保護者や47校のPTAなど多くの市民が協力してくれた。
日本には200万人の外国人がおり過半数が労働者と考えられる。使い捨ての労働者がほしいという経営の要望に応えるために入管法が段階的に改正され、南米の移民の二世三世を受け入れる、また外国人研修生をアジアから受け入れている。研修生の奴隷的待遇のひどさが、以前の大会で熊本の実習生自身が発言し、また今大会でも長崎の代議員も発言した。外国人労働者問題といった場合一つは一般的な外国人労働者、そして研修生実習生問題。一般の労働者からの相談ではパワハラ関係がとても多い。夫は日本人なのに国に帰れということを言われるのは一人や二人ではない。研修生実習生の問題については、2010年に入管法を改正し研修制度ななくなり実習生となり労働者として扱われるようになった。しかしそれでよくなってはいない。諸悪の根源と言われる補償金問題は法律では禁止されているが、今でも入国前に払わされている問題が存在している。ブローカーが暗躍しておりもっと分かりにくい形で続いている。日本の政府の考え方自体が外国人労働者を人間としてではなく、労働力としてしか見ていない。入管法の抜本的改正がどうしても必要で、そのために全労連として方針と行動方針を作ってほしいということ希望して発言としたい。
非正規雇用労働者は官民問わず激増し深刻な状況。野田首相が労働者を全面的に有期雇用に変え、有期雇用が当たり前と打ち出した。連合会長までがこれに加わり労働者無視の社会が一層進められるという、恥知らずな戦略で怒りがわく。正規が当たり前、均等待遇実現の運動は消し去られてしまう。無期雇用、雇用の安定ではなく、企業の本音である解雇乱用できる企業優先の法であることを示した。法の谷間におかれた非正規労働者の実態は深刻。全労連としてより明確な非正規労働者にたいする具体的な方針が必要。また非正規労働者の半数を占める青年に対する対応が求められる。ローカルユニオン、青年ユニオンなどの多様性を容認し、圧倒的な非正規労働者を一人でも多く結集させていくことが全労連の大きな役目。今後とも全労連に結集するすべての単産・単組・地方組織の理解と物心両面の支援が必要。
第26回定期大会の看板スローガンに関して強い疑問をもたざるえない。憲法をいかしつくろう“安全・安心社会”すすめよう、対話と共同、組織拡大とあるが、これでは全労連は後退したのではないかと問われてもしかたがない。幹事会にたいして意見を求めめたい。スローガンは単なる飾りではない。要求のエッセンスがスローガンに込められており、これでは漠然としてわからないではないか。福祉国家への展望を語るべきではないか。ひとこと言でいえば 日米による国家改造計画が行なわれていることに対して、いままさに労働戦線でなにをするのかが問われている。全労連が作成した新改定版労働組合教科書には、福祉国家をめざすと明記されており、キーワードであり焦点である部分なのに、なぜ1年であっさりなくなるのか、はなはだ疑問である。2001年からの小泉構造改革でズタズタにされ、国家戦略会議で論議されてきた。このような情勢のかな全労連はどうするのか社会保障をどうするのか、どのような国家像持つのか問いたい。この漠然としたスローガンに対して見解を求める。
東日本大震災やこの間の豪雨災害などの復旧・復興では、国の出先機関の役割が発揮された。幅広く宣伝、懇談、対話集会、自治労連との共同シンポなどを行ってきた。自治体首長への要請、懇談にも重点に置いて活動した。また、財政問題では借金が地方に押し付けられようとしている。さらなる不安、危機感。一方で維新の会の議員からは、「政治的けじめだととらえている。権力闘争で勝ち取っていく」との発言もあり、地域住民の安全・安心よりも権力闘争を考えている。500以上の「地方を守る会」などは反対の意思表明をしている。民主党政権は今後、ほとんどの出先機関を移監対象にして、国が責任を持って行ってきた行政サービスを放棄しようとしている。これを打破する必要がある。憲法が規定する、安心・安全な公共サービスを担う国の出先機関廃止反対の運動を進めていく。
自治労連は09年以降憲法キャラバンの取り組みを、地方労連と公務の仲間とともに取り組んできた。要求突き付け型でなく対話懇談型としても追及し、最近では東日本大震災からの復興、原発に依存しないエネルギー政策について自治体の理解と共同が広がった。岩手では被災地での病院再建、漁業などのなりわいの復旧が急務であるという自治体が多かった。福島でも避難区域の線引きや除染が進まない中、避難せざるを得ず、家族や地域がバラバラになっている現状が出され、福島を忘れないでくださいという声が印象的だった。福岡では公契約について認識が広がって、来年は実施したいという自治体も。キャラバンが根付いており、具体的成果が表れている。三重でも公務労組連絡会で取り組み、国公労組から中央役員が参加し、防災での発言には説得力があり時宜を得ているという報告があった。自治労連独自では取り組めない地方でも、地方労連との協力で取り組みが進んでいる。引き続き共同を広げるために再生可能エネルギーの促進のためにも力を貸してほしい。
8月に21団体共同で自治研修会が開催される。成功に向けて奮闘したい。
国家公務員の賃下げ特例措置とのたたかいいついて。今年2月29日国会で平均7.8%する法律がまともな審議のないまま強行・実施された。総務省は3月に独法を所管する各省庁の事務次官に、102ある独法に同様の措置を講ずるよう事務連絡を出し、労働組合とのたたかいに火を噴いた。独法の使用者はあくまでも個々の理事であり労使交渉をしている。私は都市機構で働いているが、団体交渉を何度もしたが妥結できず機構は7月1日で強行実施する暴挙に出た。闘いは継続している。公務員の賃金を下げるのは次に民間に連動する、悪魔の賃下げデフレスパイラルを招く。急ぐべき課題は大震災からの復興。そのため日本経済の大きな前進が必要なのに、逆行させる愚かな政策だ。
独立行政法人通則法改正に関連して独法職員の雇用が危機に瀕している。今年の5月11日政府は独法通則法改正案を閣議決定し国会に上程した。現在国会はゴタゴタで内閣委員会での審議は実施されていないが、9月に向けて微妙な情勢。赤旗報道で7月2日に開催した独法通則法改定案を批判する学習決起集会が紹介された。この政府案は組織の改廃にあたっては独法職員の雇用をあっせんはする、としか書いていない。労働弁護団から解雇準備の法案、これはおかしいと報告された。労働者の雇用をまっこうから否定する動きに対峙し継続してたたかう。
雇用破壊があってはならない、これが全労連運動の大前提。ともに頑張りましょう。
4月から国家公務員給与の臨時特例法が施行され賃下げがおこなわれたうえに、また400万円もの退職金削減がねらわれている。いまのままの賃金では国民の理解がえららないという理由で、公務員バッシングをたくみに利用しながら国民との分断を図ることにほかならない。消費税と税の一体改革の露払いとの狙いもある。公務・公共サービスの破壊で県段階での賃下げは明らかである。いまこそ労働基本権の回復をもとめられているときはない。賃下げ違憲訴訟裁判にたちあがった。たたかうにあたって、このような裁判がたたたかえるのかと意見が寄せられているが、憲法とILO違反、賃下げのスパイラルを勝ち取ることの意義目的をもって、地裁への署名や宣伝行動を行なっている。ILOへの追加提訴と派遣を全労連へお願いしたい。民主主義の度合いが、ためされている。大阪市長の横暴や社会保険庁職員への攻撃は労働者、しいては国民の破壊と分断をねらうもである。雇用と年金との接続も要望しつつ、全労連大運動へむけて国公労連も全力をあげる。