2002年国民春闘共闘情報
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第36号  2002年5月22日

有事法制の公聴会設定強行に抗議

 「雇用」「暮らし」「いのち」を守る国会前座り込み行動  

1300人に。陸海空・港湾労組など合流

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 衆議院の有事特別委で昨日、政府与党が今国会会期中の成立をねらった公聴会の日程を強行したのに抗議して、22日、定例の国会前座り込み行動には朝から400人、陽射しが強まった昼の集会には、陸海空・港湾労組や市民団体、宗教者、国民大運動に加え、地方代表も駆けつけ1300人が結集して衆議院から参議院まで座り尽くしました。14 :3から行われたまとめの集会は700人が参加しました。
 参加者は、「有事法制を廃案に」「医療保険の改悪を許すな」の声を一つに、座り込みと議員要請を繰り返し、「ストップ有事法制5・24大集会」(明治公園)の成功へ決意を新たにしました。四野党は、法案内容に対する評価に違いがあるものの、「今国会での成立阻止」で一致して院内共闘を強めています。




●主催者あいさつ 全労連・坂内三夫事務局長

油断せず、すべての力を終盤国会へ

悪法阻止、小泉退陣に向けて頑張ろう

 いよいよ最終盤の国会にさしかかってきた。医療改悪、有事法制、メディア規制、郵政公社化法案などが緊迫した事態を迎えている。長野県の田中知事は「脱ダム宣言」をしてムダな公共事業を押さえるとともに、県労連が推薦した労働者委員を任命した。小泉首相にツメの垢でも飲ませてあげたい。
 小泉首相は支持率が高いことをいいことに、「構造改革」の悪政を続けてきた。ムネオ疑惑や政治家のスキャンダル、井上前参議院議長や議員疑惑も続いている。派閥のボスに悪法を通せば大臣ポストを分けてやると言って政権の延命を策動しているが、こうしたことは国民が許さない。あらゆる分野で国民一揆的な運動が巻き起こってもおかしくない状況だ。
 私たちは、「雇用、くらしといのちを守る春闘」を訴えてきた。この間の私たちの運動前進に確信をもちながら、最後まで奮闘しようではありませんか。2500万筆の医療改悪反対署名、燎原の火のように広がった有事法制許すなの運動。しかし、油断はできない。自民・公明は何をするか分からない。「5・24大集会」を大きく成功させ、28―29日、30―31日と波状的に国会を包囲しよう。すべての力を終盤国会に集中して、悪法阻止、小泉退陣に向けてがんばろう。



●朝の集会あいさつ 全労連・田中洋子副議長

私たちの運動が悪法阻止の可能性を開く

 第7次国会前座り込み行動の開始集会では、全労連田中洋子副議長が主催者挨拶を行いました。
 有事法制特別委員会は、国民世論を無視をして、与党単独で公聴会を本日開催したことへの抗議を表明しました。宣伝行動のなかでの国民世論の変化を紹介し、運動を広げれば必ず廃案の可能性があることを訴えました。また、7日に取り組んだ「医療改悪反対新聞意見広告」の反響も紹介し、小泉首相を退陣に追い込み、悪政を阻止しようと力強く訴えました。



 共産・社民・無所属の3議員が激励に 


●国会報告 日本共産党・穀田恵二国対委員長

説明責任を放棄しての日程強行を糾弾

 与党の側は、公聴会を単独で決めた。この暴挙をともに糾弾したい。公聴会日程は、自民党が会期内成立をねらって、衆議院では月内通過のために昨日決めないとダメだと、出口が先にありきの暴挙だ。朝日新聞も、国民が知りたいことをはっきりさせないで「なぜそんなに急ぐのか」と主張している。特別委員会は野党も含めて法案の問題点を指摘してきたが毎日新聞も「内容があいまい」と指摘している。
 日本の国のありようと将来について、自民党の議員ですら「聞けば聞くほど分からない」と言っている。どんな事態なら武力行使できるのか。自治体はどんな時に協力するのかなどが説明されないで、どうして国民が理解できようか。7割以上の国民が疑問に思っている。政府には説明責任がある。これをせずに、国民の声を無視しての公聴会決定だ。アメリカの戦争に協力する法案を断固阻止していこう。「5・24大集会」で国民的共同を広げていこう。



●国会報告 社民党・今川正美衆議院議員

戦争準備より、相互の平和外交こそ必要

 昨日、有事特別委の席上、政府与党は今月いっぱいで法案を通したいと、公聴会の日程を強行した。まだ30時間ちょっとしか審議していないのに。自衛隊が行動するために、いざ戦争するという時に、国民の自由や権利はどうなるのか。これらは2年後にボチボチ出しましょうというものだ。
 小泉首相は「備えあれば憂いなし」と言っているが、1950年に日米安保条約ができてから、アジア諸国が日本をいきなり攻撃すれば、攻撃をしかけた国も滅んでしまうという関係にある。そんなことより、相互の平和外交こそが必要だ。小泉首相は、自衛隊や全軍が一丸となって戦う条件づくりをすすめている。いざ戦争になれば、食料、原油などはどうするのか。こういう議論もされていない。いざ有事の時は、アメリカが指揮をとる。それに日本が巻き込まれる…これが有事法制である。廃案まで全力でたたかっていこう。



●国会報告 無所属・川田悦子衆議院議員

子どものために。いま、大人が頑張らないと

 私は、有事法制がこんな形ですすめられていることが、とても悔しい。薬害エイズの被害者として、子どもたちが殺されていく。悔しいからたたかってきた。政治家になるつもりはなかったが、「この国を変えてほしい」と息子に言われて国会議員になった。小泉首相は、支持率が高いうちにと「構造改革」をすすめ、国民に痛みを押しつけてきた。
 私は、殺すことも、殺されることも「ノー」と言っていこうと思う。無所属だから、国会内での発言時間はないが、有事法制で日赤職員の海外派遣問題で質問趣意書を準備している。昨日の与党の暴挙には、本日の委員会を欠席して抗議した。子どもたちのことを考えると、どうしても、いま大人たちが頑張らないとと思う。日本のマスコミはなかなか動こうとしない。今、クーデターが起ころうとしている。私たちがたたかってマスコミを動かさねばと思う。みなさん、がんばっていきましょう。



◎決意表明 全国保団連・室生昇会長

医療改悪すすめる政府は、悪性のガンだ

 私たちは国民のいのちと健康を守ることを職務としている。全国の平和を守り、いのちと健康を守ろうという熱意を政府は聞くべきである。政府はいま大変な病気にかかっている。悪性のガンだ。健保本人は2割から3割に、老人医療は3000円から5000円の上限をはずして1割負担に。サラリーマンの保険料引き上げ、診療報酬の引き下げなど。この診療報酬は、医師、看護士、レントゲン技師などの人件費や運営費、諸経費…。これを減らすことになれば、医療現場は大変な重労働に追い込まれる。入院して6カ月がたつ老人に国は85%しか支払わない。足らない分は個人負担になる。
 有事法制は、いのちと暮らしが大変なことになる。私は戦争を体験した。貧しい、ひもじい思いをした。18歳で軍隊に入り、戦争に行かされた。この間、日本は一度も侵略されたことはない。自らの侵略の反省もなしに、アメリカの戦争に協力する法律は許すことはできない。医療改悪反対の声をあげた医師を中心に有事法制反対のアピールを準備中だ。皆さん医療改悪、有事立法反対のため大いにがんばりましょう。



◎決意表明 全日本海員組合・藤丸徹教宣副部長

平和な海、平和な外交で成り立つ日本

 海員組合は常々、「海から平和を考えよう」と訴えてきた。鉄鉱石、アルミ、ニッケルなどは100%海外に依存している。小麦粉をはじめ食料も多くは海外に依存している。平和な海、平和な外交なくして日本の経済は成り立たない。戦前の悪夢は許さないとして、いち早く「有事法制反対」の声をあげて、陸海空・港湾20労組の仲間と共にたたかっている。
 小泉内閣は就任以来一年間、口を開けば「構造改革」と言ってきたが、平和な日本を戦争する日本にしようとしている。来る24日には、明治公園で国民的な大集会を成功させたいと考えている。よろしくお願いします。



◎決意表明 日本医労連・田中千恵子委員長

有事法制で戦場へ。いやなら辞めるか

 いのちを守る職業として、2つの法案は許さない。今日は第9回目の統一行動で、全国のなかまが結集している。医療改悪反対の取りくみが始まって4カ月がたち、その間に小泉総理の支持率が下がってきた。医療改悪とたたかうなかで小泉内閣を退陣に追い込もうと言って始めたが、だんだんそうなってきた。しかし、すでに医療費が上がったのかと診療抑制が始まっている。医療費がないからと自殺する人も出ている。
 この間、1000人以上の国会議員に要請してきた。有事法制で私たち看護婦には業務命令が出る。いやなら辞めるしかない。細かいことは政令で決めると言われるが、すべての職種が野戦病院に行かされる。野戦病院はあちこち動かされる。治療には麻薬も使われる。国内では知事の命令ひとつで患者を追い出し、傷病兵を入れることになる。「5・24大集会」につづき、6月4日には医療従事者の決起集会もひらき、たたかいを強めていく。



◎決意表明 日本山妙法寺 木津 博充上人

国民の知らぬ間に議決の動き。許さない

 南無妙法蓮華経。
 先の戦争で私は死ななかった。大変申し訳ないことだった。前の戦争では116万柱もの遺骨が日本に帰ってきていない。硫黄島には2万1000人が送り込まれ、2万人以上が亡くなった。アメリカ軍がその上にブルドーザーで空港を作った。7000柱は返還されたが、アメリカはそこで軍事訓練をしていると言う。ヒロシマにも総理が行って献花をするが、あまりにも欺瞞だ。この有事立法の動きも同じだ。
 アメリカは戦争の枢軸国だ。戦争の真っ先に立ちと迫っている。いま日本を攻める国はないと言われている。不審船も海上保安庁の仕事で十分まかなえる。国民の知らない間に有事法制を議決してしまおうという動きを許してはならない。21世紀は、武力をなくし戦争しない国をつくっていこう。24日の集会には、たくさん集まってください。上野などの繁華街で宣伝すると、若い人が大勢集まってくる。ともに頑張りましょう。



●激励あいさつ 全労協・藤崎良三議長

悪法阻止へともに。いま、政治は雇用対策を

 圧倒的多数の労働者・国民は、有事3法案は戦争法案、戦争国家づくりだとして反対している。小泉内閣と与党3党は、反対の声の広がりを恐れ、早く成立させてしまおうという反動的政治をすすめている。小泉総理を先頭にして一部の反動勢力が、日本の戦争国家体制を急ぎ確立しようという企みだ。
 小泉内閣は、重要法案、とくに有事法制、メディア規制、健保改悪、郵政事業関連法案などを、ともに国会会期延長で成立させようとしている。有事法制は戦争法案で、国家総動員の不当な内容だ。個人情報保護法案はマスコミの報道規制だ。健保法案は個人負担、国民負担を先行する大収奪。郵政法案は国民サービスを無視して民間企業に金儲けの事業を提供するという反国民的なものだ。
 いま、政治がやらなくてはならないのは、反失業・雇用確保だ。中高年が職を失ったら就職の道がない。新卒者も同じだ。雇用対策は労働者共通の願いだ。私たち全労協は、全労連の皆さんとも手をたずさえて、いっしょにやれるよう努力していきたい。当面、有事法制の廃案に向けて、多くの労組、市民団体、宗教者のみなさんといっしょに頑張っていきたい。



暴挙許さない!結束してたたかう野党に連帯

「5・24集会」に最大限の結集を


「有事特別委員会」 与党、暴走続行の構え

 22日、午後の特別委理事会で共産党の木島議員が今日の審議をやめるよう要求しましたが、与党・委員長は受け入れず、2時から委員長が一方的に決めた日程にもとづき委員会を開会し、与党だけで参考人質疑をおこないました。さらに、委員会終了後、与党のみで理事会を開き23日も10時から2時30分まで委員会を開くことを決めました。質疑者は与党のみ。



「厚生労働委員会」 24日 定例日開催を野党は拒否 事実上ストップ!

 22日、厚生労働委員会が定例日開催として、審議が行われましたが、次回の定例日開催については、野党は揃って拒否をしています。特別委員会の公聴会を与党単独で実施したことなどへの抗議を行っていることを反映しています。明日の厚生労働委員会理事会の開催も現在は見込みがたっていません。与党単独で開催させないために、至急全国から議員要請やFAX要請を強化しましょう。



連日国会へ、監視と要請を

 与党が反省の態度を示さないかぎり、野党は23日からの国会審議に応じない方針ですが、与党がさらに単独審議などの暴走を重ねる危険性も少なくありません。また、議員が議員会館に待機しており、要請行動のチャンスです。今後おこるいかなる状況にも対応できるよう、草の根からの宣伝・署名行動をさらに強化することが重要です。国会への監視・要請行動を大きく強めましょう。



28・29日国会座り込み行動への参加を

議員要請行動や地域・職場からのFAX要請を集中しよう


 緊迫した国会状況に対応するために以下のように行動を強化します。各組織からの参加を要請します。



●5月28日(火) 12:00 国会請願デモ 13:00〜15:00 第8次国会前座り込み行動

●5月29日(水) 10:00〜15:00 第9次国会前座り込み行動

         この日は、連合・全労協・全建総連なども座り込み行動を行います。


 署名集約

 <5月22日現在>  はたらくルール署名   1,764,541筆

            医療改悪反対署名  4,021,319筆

            有事法制反対署名   271,164筆

 <署名送付締め切り>  6月12日

  署名は1枚も残さず全労連へ、枚数を必ず記入して送付ください。






 連  絡 

27日から衆議院議面行動連日実施

有事法制を許すな!運動推進連絡センター


 「連絡センター」では、緊迫した国会情勢を受けて、本日の連絡センターの会議で27日から「昼の国会議面行動」を連日行うこととしました。ただし、座り込み行動や昼デモなどが開催された場合は、この行動に結集します。
 時間は、12:15〜13:00までで、当面衆議院の議面とします。内容は、傍聴や議員要請の取り組みなどを中心に行います。各組織や団体は積極的に参加をお願いします。
 なお、傍聴行動がある場合は、9:30に集合することに変更になりました。