2002年国民春闘共闘情報
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第44号・夏季第2号 2002年06月21日

一時金は生活費。値切りは許さない

半数に回答、平均73.1万円に

 夏季一時金第2回集計 たたかいは山場へ

2002年6月21日●2002年国民春闘回答集計センター

産業別・単産別総括表

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1.2002年国民春闘回答集計センターは6月20日、各単産・地方共闘より6月中旬の夏季一時金回答報告を受けて第2回集計をおこなった。登録組合の50%にあたる427組合が回答を引出し、うち179組合が妥結している。

2.回答+妥結状況は別表のとおり、集計結果は以下のとおりである。

 
(1) 登録組合数 858組合    
(2) 回答組合数 427組合 回答引出し率 49.8%
  2次回答以上 115組合 上積み回答率 回答数の26.9%
  前年実績額以上 83組合   回答数の19.4%
  妥結組合数 179組合 妥 結 率 登録数の20.9%
(3) [回答+妥結]      
  単純平均 427組合 2.16カ月+α 731,488円
  前年同期比 (2001.6.21) 787,525円 −7.12%
  前年実績比 (同一組合) 803,508円 −8.96%
  加重平均 8.0万人   861,892円

3.回答・闘争状況の特徴はつぎのような諸点である。
 1)6月中旬の特徴は、多くの単産が夏季一時金の回答指定日を迎えており、春闘未解決組合とともに、交渉集中日、統一行動日などを設定して回答引出し、上積みのとりくみをすすめてきた。前回集計時(6月10日)以降、新たに回答を引出してきたのは建交労鉄道と全労連全国一般、地銀連、全証労協で、回答引出し・上積みがすすんでいるのはJMIU、化学一般労連、生協労連、全印総連、広告労協、広告労協、映演共闘、日本医労連、地方マスコミ(新聞)の各組合などである。こうして、登録31単産・部会のうち27組織の回答が出揃ってきた。また、支給日が6月28日、7月上・中旬に集中していることから妥結する組合も増えつつある。

 2)回答状況の傾向は、全体平均が同一組合の前年実績比で9%近い減額を押し付けられていることである。対比可能な24組織中、前年同期比でプラスになっているのは建交労運輸、建交労鉄道、全倉運、生協労連、映演共闘、地方登録組合、地方マスコミ(新聞)の7組織のみで、同マイナスになっているのは建設業、製造業、金融保険業、マスコミ関係業などの17単産となっている。この背景には、「ベアゼロ」「賃下げ」の春闘にひきつづきなりふり構わぬ総額人件費削減攻撃や、中小企業での業績悪化、金融機関の融資ストップなどがあげられる。こうしたなかで、個別にみると83組合(19%)が前年実績額を上回って奮闘している。

 3)回答月数は平均2.16カ月で、前年の2.31カ月分を割り込んでいる。また、配分にあたっては「能力・業績配分」の提案が今年も報告されており、これを押し返すために交渉を継続している組合もみられる。また一方で、多くの組合が若年者救済の一律支給(プラス・アルファ)を堅持しているのも春闘共闘参加組合の特徴である。

 4)最高回答次数は南日本新聞労組(地方マスコミ)の第5次回答。最高月数はテレビ朝日労組(民放労連)の5.3カ月分。高額回答については出版労連の組合が275万円余を獲得しているのをはじめマスコミ関係中心に150万円以上が16組合報告されている。





4.他団体の集計結果について

連 合 6月10日現在 月 数 金 額 (引上げ率)
単純平均 275組合 1.98カ月 528,417円 −8.00%
加重平均 54.8万人 2.24カ月 640,471円 −3.32%


日経連 6月13日現在 月 数 金 額 (引上げ率)
単純平均 大手168社   647,645円 −5.06%
加重平均     744,840円 −1.47%


5.今後の闘争強化について
 春闘共闘と全労連の各地方組織は、17日から21日のゾーンで「02春闘第3回最賃デー」を取りくみ、中央・東京では20日、雨の厚生労働省前に150人が座り込んでの中央総行動を展開した。
 今回は、
 1)地域最賃を時間額1000円以上に、
 2)生活保護基準より低い問題の是正、
 3)表示方式を「時間額のみ」に変更することに反対、
 4)公契約・リビングウェイジ・公正発注に関わる要求

 を掲げ、厚生労働省・総務省交渉などを実施した(詳しくは次号)。
 最賃デー中央総行動に多数の参加者で臨んだ全労連全国一般では、春闘未解決が多く、一時金闘争も長期化している現状を打開するため、東京三菱・みずほ・UFJなど大手都銀の本店に対して、「金融検査マニュアルを画一的・機械的に適用しないこと」「融資先に対して労使関係を悪化させることなく、安定化をはかるよう適切な支援を」などと要請した。
 労働者の生活は、ここ数回にわたる一時金の切り下げによって4年連続の年収減が続いており、ガマンの生活を強いられている。また、年金・医療など社会保障の切り下げにそなえ、一時金を貯蓄に回す割合も多い。生活維持・改善の切実な要求にもとづく夏季一時金闘争は、ほとんどの単産が回答指定日を迎えたものの、ようやく半数の組合が回答を引出した段階である。多くの単産が支給日との関係で一時金の決着期を「6月末」または「7月上旬」としており、24日から28日の週が最大の山場になろうとしている。各民間単産では、改めて交渉集中、闘争強化の統一行動で決着をはかろうとしている。また、7月3日には公務労組連絡会の第1次中央行動も準備されている。こうして、夏季一時金、最低賃金、人勧闘争と、医療改悪・有事法制許すな!など悪法阻止の国会闘争が連動した、熱い夏季闘争になろうとしている。



(以 上)



*次週は賃上げの最終集計です=報告集中日6月26〜27日午前中 ・発表28日予定。並行して、パート賃上げ・企業内最賃協定の調査も実施します。





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