最終平均は2.09月、65.8万円に
長期不況が中小を直撃。売上げ減を一時金で調整
夏季一時金最終集計結果の特徴について
2002年8月05日●2002年国民春闘回答集計センター
産業別・単産別総括表
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1.2002年国民春闘回答集計センターは8月5日、夏季一時金の最終・第4回集計をおこなった。登録組合の80%にあたる682組合が回答を引出し、うち、515組合が妥結した。残る組合も粘り強く交渉し収拾に向かいつつある。
2.回答+妥結の状況は別表のとおりで、集計結果は以下のとおりである。
登録組合数 |
858組合 |
|
|
|
回答組合数 |
682組合 |
回答引出し率 |
66.3% |
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2次回答以上 |
204組合 |
上積み回答率 |
回答数の23.8% |
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前年実績額以上 |
124組合 |
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回答数の14.5% |
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妥結組合数 |
515組合 |
妥 結 率 |
登録数の60.0% |
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[回答+妥結] |
組合数・人数 |
回答月数 |
金 額 |
引上げ率 |
単純平均 |
682組合 |
2.09カ月+α |
657,946円 |
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前年同期比 |
(2001.8.06) |
2.25カ月+α |
716,155円 |
−8.13% |
前年実績比 |
(同一組合) |
|
724,594円 |
−9.20% |
加重平均 |
127,258人 |
|
754,664円 |
|
前年同期比 |
(2001.8.06) |
|
792,221円 |
−4.74% |
3.02夏季一時金闘争の経過と特徴はつぎのような諸点である。
1)今期の夏季一時金闘争は、春闘の賃上げが史上最低を更新する5,764円(1.89%)で収束しつつあるなかで、4年連続の年収減、毎月の赤字補てんを改善するために「3カ月以上」「前年実績以上」などの要求基準にもとづき、支給額の引上げを重視してきた。民間調査機関による「前年比マイナス」の予測が発表されるなか、6月10日集計の「既に決まっている一時金」は前年比6万4401円減、7.9%マイナスというきびしいスタートとなった。
2)第一次回答の特徴は、◆長期不況のもと、「業績悪化」や「赤字幅の増大」などを理由とした低額回答の押し付け、総額人件費抑制が春闘に連動して目立ったこと。◆一時金の回答を「企業損益の調整弁」として利用し、業績の好・不調によって回答額が二極化したことなどが共通している。こうしたなかで、◇業績が向上・回復したところや、集団交渉など産業別のたたかいで賃上げがきびしい分、一時金は生活給として断固保障させたところなどが一定水準の回答を引き出した、◇一部の中小企業では消費低迷に加え、単価切り下げ、融資ストップなど経営難に直面しての大幅削減や回答延期がみられたこと、◇配分あたって大手企業を中心に「能力・業績配分」の提案が増加してきたことなどである。
3)この間のとりくみの特徴は、5月以降の「医療改悪法案」「有事法制」や「郵政関連法案」「メディア規制・個人情報保護法案」など悪法阻止の国会闘争をはじめ、職場・地域では春闘未解決支援、公務単産では公務員制度「改革」問題、人勧期要求などをたたかいつつ、夏季一時金闘争をすすめてきたことである。こうしたなかで、各単産が業種別・地方別の対策をつよめ、一部ではスト突入、残業拒否、本社交渉などをたたかいながら、204組合(回答数の24%)が2次、3次と回答を上積みさせ、124組合(同15%)では前年実績以上を獲得してきた。
4)最終集計結果は、単純平均が65万7946円、前年実績(同一組合)比で6万6648円の減、引上げ率にして9.20%のマイナスという結果になった。製造業をはじめ建設業、交通運輸業、金融・保険業、マスコミ関係業など22単産が前年比マイナスというきびしい実態がみられる。一方、プラスになっているのは、建交労・鉄道6.40%、生協労連2.27%、全労連全国一般(商サ)1.24%、映演共闘0.45%の4単産のみであった。
5)単産平均が100万円の大台を超えているのはマスコミ関係の民放労連、出版労連、地方マスコミ(新聞)の3つで、この加盟組合を中心に150万円以上の高額回答が18組合(最高は出版労連傘下の323万円)報告されている。最高回答次数は高見沢電機支部(JMIU)の第6次回答で、最高引上げ率はテーエス支部(建交労・運輸)の170%アップであった。
4.他団体の集計結果について(いずれも妥結状況)
連 合(最終) |
8月06日現在 |
月 数 |
金 額 |
前年実績 |
(引上げ率) |
単純平均 |
433組合 |
1.91カ月 |
514,113円 |
565,451円 |
−9.08% |
加重平均 |
74.6万人 |
2.23カ月 |
660,697円 |
678,349円 |
−2.60% |
日経連(最終) |
7月25日現在 |
月 数 |
金 額 |
前年実績 |
(引上げ率) |
単純平均 |
主要221社 |
|
670,557円 |
709,029円 |
−5.43% |
加重平均 |
|
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769,564円 |
815,141円 |
−5.59% |
「民間賃下げ、最賃、公務も…」。賃下げの悪循環を断ち切ろう!
国公・公務労組連が「座り込み行動」展開中
5.この間、春闘共闘と全労連は、「最低賃金を時間1000円以上に」「全国一律最低賃金制の制定」などを求めて第3次、第4次の「最賃デー」を中央、地方で取りくんできた。7月26日に出された中賃審議会の改定目安は、引き上げ額を示さず「現行水準の維持を基本」とするもので、とうてい容認できないものである。いま、全国の地方審議会で、ひきつづき大幅な引き上げをめざす要請、意見陳述、異議申し立てなどの取りくみがすすめられている。
また、公務単産と公務労組連絡会は2002年度人事院勧告のヤマ場をむかえ、7月31日に全国から3500人のなかまを結集して「第2次中央行動」を展開。「マイナス人勧阻止、有事法制廃案、民主的公務員制度確立!」など夏季重点要求の実現に全力をあげた。ひきつづき、国公労連と公務労組連に結集するなかまが「賃下げ勧告阻止、不況打開、賃下げの悪循環を断ち切ろう!」と、猛暑のなか、8月6日から連続して人事院前での座り込み行動を実施している。
国民春闘共闘委員会に参加する各単産・地方共闘は、02春闘の後半から夏季闘争にかけてリストラ・人べらし攻撃やベアゼロ・賃下げの押し付けに反対しつつ、生活をまもる夏季一時金要求を重視してたたかってきたが、結果は前述のようにかつてない不十分なものとなった。私たちは、第3回総会(7月2日)の確認文書にもとづき、この間の運動前進、共同の広がりをふまえ、すべての労働者の生活を守るために、賃金・労働条件の改善をめざして、ひきつづき奮闘するものである。
(以 上)
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