2002年国民春闘共闘情報
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第59号  2002年8月27日

2万人以上と8千の団体を抽せんは違法

 中央メーデー会場裁判   第4回口頭弁論で主張

 8月26日10時30分より、中央メーデー会場裁判の第4回口頭弁論が東京地裁第722号法廷で行われ、中央単産や東京春闘の組合代表が傍聴席を満員にして開かれました。中央メーデー実行委員会弁護団は、準備書面(3)と(4)を、都側代理人も第2準備書面を裁判所に提出しました。
 中央メーデー実行委員会は準備書面(3)で、前回都側代理人が裁判所に提出した第1準備書面で「メーデーの集会開催可能」と主張する辰巳の森海浜公園、夢の島公園、亀戸中央公園と代々木公園、明治公園の5公園について、メーデー集会の開催にふさわしい会場かどうかを、
1)労働者が参加しやすい場所であるか、
2)集会に一体感をもたせることのできる会場であるか、
3)社会的にアピールできる会場であるか、
4)デモコースを適切に設定することができる会場であるか

の4点で検討し、代々木公園B地区、明治公園の2ヶ所しか適切な会場がない。参加者が優に2万人を超える中央メーデーと、参加者約8千人の東京地公労との会場決定について、抽せんという手続きを適用したことは違法と主張しました。
 都側代理人は第2準備書面で、「『人数が絶対ではない。参加する人のレベルの問題もある。』等と占用基準について東京都の交渉で述べた」と、前回の中央メーデー実行委員会の主張を「おおむね認める。本人の記憶があいまいなため、確認できない」と回答。しかし、「メーデー会場として適切な代々木公園と明治公園、不適切な亀戸中央公園、夢の島公園、辰巳の森海浜公園」との主張には、全労連に対する差別が前提の主張であり、そのような差別がない以上、主張自体が失当と反論しました。また、会場の適格性について、
1)「位置、交通の便等」では『参加が困難』と主張するが、集会開催が早朝の5時、6時ならいざしらず、午前10時、11時でも困難なのか、交通費がかかりすぎるのか、まったく不明、
2)「会場周辺の人家とデモコース周辺の人家」では、公園周辺に人家がなく、デモコース周辺に人家がある公園を占有させよ、というデモの効果を考えての判断は公園管理上から全く外れた問題である、
3)「デモに際し交通事故の危険がある」との主張に、大型トラック等はスピード違反や居眠り運転が多いとでもいうのであろうか

と、中央メーデー実行委員会を馬鹿にした反論を行いました。東京都は「もっぱら公園管理上の支障の有無、程度」を、メーデー集会の占用の許可、不許可の裁量判断に際し考慮してきたと主張。「速やかに棄却を」と裁判官へ求めました。


裁量基準の変更(抽せん)は憲法・地方自治法に違反

 事前に都側代理人の第2準備書面を入手した中央メーデー実行委員会は、準備書面(4)を裁判所に提出し、東京地裁昭和27年4月28日判決と最高裁昭和28年12月23日判決を引き、東京都側の「もっぱら公園管理上の支障の有無、程度」を、メーデー集会の占用の許可、不許可の裁量判断に際し考慮してきたとの主張に、憲法上の集会、表現の自由や団体行動権を尊重する視点がまったくないと反論。東京都が「メーデー会場占用の過去の経緯・参加実績・企画内容等を斟酌して総合的に判断する」との裁量基準を合理的理由なく変更し、「抽せん」の方法を用いたのは憲法・地方自治法・都市公園法に違反すると主張しました。
 裁判官は、都側代理人に最高裁判例に対する答えを9月19日までに求め、「双方の主張は次回までに出し切ってもらいたい」「その後、人証を行ないたい」と要請しました。また「人証を行い、結審は3月と考えていたが、人証は1日の集中審議として証人は1人くらい」と双方に確認し、9月26日10時10分の第5回口頭弁論(第705号法廷)の後、進行協議として10月2日4時からとしました。