2002年国民春闘共闘情報
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第7号  2001年12月10日

「国民総ぐるみ」の春闘方針案を討議

国民春闘共闘・第1回常幹ひらく

 国民春闘共闘は12月4日、全労連会館で第1回常任幹事会をひらき、2002年春闘方針案を討議しました。方針案は、発足総会(10/31)で討議、確認した[春闘構想]にもとづき、賃金要求や闘争日程などを具体化したもので、新春の第2回総会(1/11)にむけて、各単産、地方春闘共闘での討議と、意見の集中を要請することになりました。



リストラ反対、解雇規制・実効ある雇用対策を

 春闘の重点課題については「首切り・リストラ反対、解雇規制・実効ある雇用対策の実現」を第一に掲げています。また、賃金要求については昨年の要求を踏襲し、

1)賃金底上げは「誰でもどこでも(正規)月額1万5000円以上、(非正規)時間額100円以上の引き上げ」とし、未組織を含む全労働者の賃金要求目標は「時間給1000円以上」の実現をめざします。各種最低賃金は「月額15万円以上、日額7400円以上、時間額1000円以上」とし、パート労働者の均等待遇などをめざす社会的な賃金闘争を展開します。「高卒初任給20万円以上」や年齢別保障賃金などを追及します。また、
2)自治体関連の仕事で公正・適正な賃金を保障する「公契約」や「リビングウエイジ」「ILO94号条約の批准」の運動、
3)ワークシェアリングでは「賃下げなしの時短による雇用拡大」を要求、
4)「大幅賃上げ」「賃金底上げ」「最低賃金」を三位一体としてたたかう基本路線を堅持し、共同の賃金闘争にとりくみます。


 02春闘の重点課題はこのほか「健保本人3割負担などの医療大改悪阻止」と、公務員制度、国鉄闘争、中労委委員をはじめ各分野の要求、農業・食糧、消費税減税、地球環境など国民的諸課題の実現とともに、自衛隊の海外派兵・参戦阻止のたたかいの強化をあげています。
 闘争日程の具体化では「壮大な共同行動で政府・大企業を包囲しよう」と、商工団体、女性・青年・学生団体、医療団体などに呼びかけて、4月中・下旬に国民的ストライキの成功をめざしています。春闘期の主な統一行動日程は、つぎのとおりです。

01秋季年末〜02春闘前段  要求アンケート活動
1月11日(金) 全国新春宣伝行動/日経連包囲行動/春闘共闘第2回総会
2月〜3月    各分野(交通運輸、医療福祉、商業サービス、建設関連、金融保険、金属、マスコミ、公務など)
の総決起と共同行動。医療の全国キャラバンなど
2月下旬     地域総行動
2月末まで    使用者要求の提出
3月中旬     集中回答日
その翌日     第一次全国統一行動
4月中・下旬   国民的ストライキ



春闘スローガン&シンボルマーク決まる

 常任幹事会では、02春闘のスローガンとシンボルマーク選定の一票投票を行い、
  スローガンについては
「春闘で リストラ ストップ くらしをアップ」 (千葉県・松田まさるさん)
  シンボルマークは、
怒りの日本列島をデザインした作品   (富山県・山村武次さん)
を選びました。





国民春闘スローガン・シンボルマークの

応募状況と審査結果について

2001年12月4日

●2002年国民春闘共闘第1回常任幹事会

  <審査の概要>

と き   12月4日(火)13時30分〜
ところ   東京都文京区・全労連会館内「全労連会議室」
審査員   2002年国民春闘共闘委員会常任幹事会
       小林洋二代表幹事、中沢善治代表幹事、佐原忠連代表幹事
       坂内三夫事務局長、常任幹事17名。
      計21名。



  1.応募状況 (12月3日正午締切)

部  門 組織内公募 公募ガイド 合  計 締切後着 前年実績
スローガン 183 1632 1815 α 1690
シンボルマーク 28 284 312 α 217
合  計 211 1916 2127 α 1907


(傾向)スローガンが7%増、シンボルマークが44%増と、ともに前年比較で増えているのは、
1)「公募ガイド」誌の掲載位置(今年は両部門とも各ページの上段に掲載)、
2)春闘への期待が回復しつつある(?)ことなどによる。



  2.審査方法

1)事務局を中心に予備審査を行い、各々ノミネート作品(スローガン15点、シンボルマーク15点)を選ぶ。
2)ノミネート作品について、代表幹事・常任幹事による1票投票を行い、比較的高い得点(3票以上を目安に)の作品を数点に絞る。
3)高得点の作品について、全員の合議によって次のように選定した。
 ●シンボルマーク=最高得点の山村さん(富山・婦中町)の作品を入選とし、
次点の下森さん(滋賀・大津市)の作品を佳作とする。
 ●スローガン  =最高得点の松田さん(千葉・柏市)の作品を入選とし、
次点の大橋さん(静岡・島田市)の作品を佳作とする。



  3.審査結果

< ス ロ ー ガ ン の 部 >

☆ 入選

春闘でリストラストップ くらしをアップ
氏名・松田まさるさん(65歳)/住所・千葉県 柏市/職業・版下制作

◎ 佳作

春闘でリストラ・不況 危機打開
氏名・大橋 榮さん(  歳)/住所・静岡県 島田市/職業・無職




< シ ン ボ ル マ ー ク の 部>

☆ 入選

写真氏名 山村 武次さん
(年齢・52歳) 
住所 富山県婦負郡 
職業 会社員    
制作意図:





◎ 佳作

写真氏名 下森 英喜さん
(年齢・54歳) 
住所 滋賀県大津市 
職業 自営業








  4.講  評

審査委員長  坂 内 三 夫 (国民春闘共闘委員会・事務局長)

 このたびは、国民春闘共闘委員会が主催する「第9回国民春闘スローガン・シンボルマーク募集」にあたり、「公募ガイド」誌の読者のみなさんをはじめ国民春闘共闘参加の組合員のみなさんなど多数の方から、力作・傑作をご応募いただき、まことにありがとうございました。今回は、全国から2,100点を超えるご応募がありました。これは前年比12%の増加で、この間の深刻な社会状況を反映して、「何とかして欲しい」という思いが「春闘への期待」として再燃してきたのではないかと思っております。



 1 応募状況と作品の傾向について

<スローガン>

 多くの国民が、明るい希望に満ちた「新世紀」を期待したものですが、今日の社会状況は長びく深刻な不況、史上最悪の倒産と失業です。加えてテロ・報復戦争に狂牛病…。「構造改革」を唱える小泉内閣は、医療や年金制度の大改悪や参戦国家をめざし、痛みは国民にだけ押し付けようとしていることが、いよいよ明らかになってきました。
 こうした状況を反映して、「リストラ阻止」「雇用確保」や「賃上げ」要求などが怒りを込めて取り扱われていたのが特徴です。また、来年こそ「いきいき」と「人間らしく」したものであってほしいという期待と要望を込めた作品が多数寄せられ、「消費不況」「景気」を何とかしてほしいという要望も相変わらず多数見られました。
 こうした要求・期待の切実さと結びつくキーワードは「幸せ」「笑顔」や「安心」であり、ともに追求する「家族」や「仲間」「みんな」が登場しています。さらに目前の「2002年」「明日」への「夢」「未来」もたくさん見られました。春闘やそれを担う労働組合への期待が、大きく膨らんでいることを実感させられます。なお、「2002年ワールドカップ」を意識した作品がなかったことに拍子抜けした審査員もおりました。



<シンボルマーク>

 広範な年齢層から、前年比44%増の作品が寄せられました。
 作品の傾向は、 1) 「2002」「02」をモチーフにしたものが数多くみられました。数次の並びからして比較的デザインしやすい年であったようです。また、勝利の「V」や日本列島をイメージしたものなど、躍動感ある作品が目立ちました。
2) 絵柄としては「0(ゼロ)」を顔に、「2」を拳に仕立てたもの(その逆も)、平和の鳩や干支の馬などを使って国民春闘を表そうとしたものが多く、
3) 特徴は顔の表情が豊かで、悪政や横暴にたいする怒りや、「02年」への希望にあふれていました。
 作品のレベルとしては、今回も本職デザイナーの方の作品は図柄がしっかりしていて、数多くノミネートされましたが、組合員からの作品も向上しています。



 2 優秀作品の寸評について

<スローガン> ☆入選作品

 松田さんの作品。「リストラ ストップ」という当委員会の方針にマッチした表現と、「くらしをアップ」というテンポの良い連続した表現に、02年春闘をたたかおうとする審査員の共感が集中しました。松田さんは川柳もたしなみ、シンボルマークでもノミネートされるなど、幅広い活動が実をむすんだものです。


<スローガン> ◎佳作作品

 大橋さんの作品も「リストラ」を扱い、「リストラ・不況 危機打開」という表現に注目が集まりました。02春闘への夢や希望をつなぐ作品が多いなかでの秀作で、最高得点の松田さんに次ぐ高得点を獲得しました。


<スローガン> ノミネート作品の中から

 高槻市・芦田さんの作品「職場に活力、くらしに夢を」をはじめ、目黒区の三浦さん「変えよう政治、変えなきゃ社会」、横浜市の荻野さん「明るい未来のナビゲーション」、江戸川区の佐久間さん「解雇に待った、景気に渇!」などの秀作が注目されました。



<シンボルマーク> ☆入選作品

 山村さんの作品。日本列島が拳を握って怒っているという古典的な絵柄ながら、ノミネート作品を一列に並べると、眼中に飛び込んでくる迫力ある作品でした。日本全国津々浦々から「国民一揆」のような春闘をめざす当委員会の方針を後押しする秀作です。


<シンボルマーク> ◎佳作作品

 下森さんの作品は、「0」と「2」を巧みに組み合せ春闘の躍動感を表現した秀作です。この種の絵柄が数点ノミネートされ、票が分散されたこともあって次点になりました。


<シンボルマーク> ノミネート作品の中から

 下森さんと同様に、「0」と「2」の組み合せは鳥取市の有田さん、柏市の松田さん(スローガンの入選者)、秋田市の田中さんも秀作を寄せてくれました。「2002」と人物群の組み合せでは大阪市の藤原さんが注目され、同・北川さんの作品は「20―02」を持ち上げる重量挙げに例えたユニークさが受けました。



 3 採用作品の活用について

 国民春闘共闘委員会では、2002年春闘の全期間を通じて発行する、
1) 全国数百万枚規模の「大量宣伝ビラ」
2) 全国約1万カ所の職場に貼り出す「檄布」
3) 各産業と地方・地域の春闘を交流する「国民春闘共闘」の情報紙(週2回刊)
などに入選作品を刷り込み、積極的に活用いたします。また、参加の産業別組合・地方共闘組織でもバッチやワッペンなどを含めて積極的に活用するものです。
 一般公募が定着し、来年は第10回目を迎えようとしています。ひきつづき一般の皆さまからの募集を行い、国民的な英知を結集した春闘に盛り上げていく所存です。ご応募いただいたすべてのみなさんのご活躍を期待しつつ、今後ともご協力をお願いいたします。


(以 上)