2003年国民春闘共闘情報
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第17号  2003年2月25日

 

<特集> 2・20全国統一行動 (報告その3)

  健保3割負担凍結、イラク攻撃許すな、地域経済を守れ、働くルールの確立を  

各地で多彩な行動 多くのマスコミが取材・放映・掲載

 青森  労組訪問30ヵ所 率直に意見交換

 2月20日(木)午前7時より、JR弘前駅前での宣伝を皮切りに、早朝宣伝行動が始まりました。
 午前9時、地区労連事務所に健生労組組合員3名が集まって地域労組約30ヵ所の訪問に出発しました。訪問した労組からは「賃上げは出来そうにないので、せめて定昇だけでも確保したい」「トヨタ等の言動に怒りを感じる。労組らしい活動を追及すべきだ」「タクシーの景気は悪い、みんな客待ちだ」等の意見が寄せられました。
 午前9時、弘前市役所に青銀労組1、年金者組合1名が集合し「生保受給者の雇用確保のための専従員配置、市独自の失業者雇用奨励金制度を発足させたい」「求人開拓専門員2配置、毎月80社を訪問しているが厳しい」「求人開拓員が雇用のために訪問したら逆に人減らしの話がされる」などの意見交換を行いました。
 午後2時、小雨がみぞれに変わる悪天候の中で、イラク攻撃阻止・有事法制反対の街頭宣伝行動が中三デパート前で行われました。参加者は健生労組3、年金者組合2、全医労弘前支部1、ひだまり1、新婦人1、合計9名でした。
 午後4時30分、国立弘前病院への請願行動が取り組まれました。参加者は医労連山本委員長、黒沼地区労連議長、佐藤地区労連副議長、全医労古川弘前支部長他2名で、病院側代表者と約20分程懇談した後、請願しました。
 午後6時からは、イラク攻撃反対、有事法制阻止、社会保障を守れ、03国民春闘勝利「2・20地域総行動」中弘南黒地区集会が弘前市役所前広場で開催され、14団体62名が参加しました。この日は、午後から雨・みぞれ・濡れ雪と豹変し、風のまう悪天候での集会となり、全身ビショ濡れになりながら市内を元気よくデモ行進しました。

(青森県労連からの報告)


 岩手  2・20行動の県集会に300人が参加

 「許すな!医療改悪・イラク攻撃、守ろう!仕事とくらし」をメインスローガンに掲げた2・20岩手県集会が20日、盛岡市の岩手教育会館で開かれました。主催は同集会実行委員会で、300人が参加しました。主催者あいさつで国民春闘岩手県共闘会議の村上和夫議長は、岩手県の四師会が患者負担増に反対する街頭宣伝を行うなど、県内でも小泉内閣の悪政に反対する運動がひろがっていることを紹介。イラク攻撃をめぐって、日本がアメリカの武力行使を容認する新決議の採択を主張していることについて、「イラク戦争に反対し、世界の圧倒的な世論に反する日本政府にたいしても抗議をしたい」とのべました。
 同集会では、アピールを採択し、参加団体の運動を報告・交流。同日は2・20総行動として、県内各地で集会、デモ行進、宣伝などがおこなわれました。

(「しんぶん赤旗」2/22付け)


 宮城  医療3割負担凍結して 22日仙台で署名

若い世代が高い関心 マスコミが取材

 2月22日、健保3割負担の凍結を求める大街頭宣伝行動は、仙台6箇所と、塩釜、石巻地域で行い署名が、1341筆ありました。この大宣伝行動は、マスコミも注目し、東北放送、しんぶん赤旗が取材し報道しました。

(03春闘速報 第61号)

 宮城県春闘共闘会議と宮城県社会保障推進協議会は22日、仙台市内6ヶ所で、「健保本人3割負担凍結」を訴える宣伝署名を行いました。同青葉区一番町では、宣伝行動に参加した団体の代表が、次々とマイクで訴えました。
 歯科医師で保険医協会副理事長の沼沢博(ひろし)氏は、「健保本人負担が2割になって、痛み止めだけで治療をやめる人が増えている」「入れ歯の型を取って、治療をやめる」などの例を紹介し、3割負担の凍結を訴えました。1時間の宣伝で340人が署名しました。特に若い人が関心を示し、署名をしていきました。

(「しんぶん赤旗」2/24付け)


 山形  小泉政治を告発 山形でシンポ

 山形県春闘共闘委員会は20日、山形県内各地で集会や宣伝行動などを展開しました。鶴岡市では労働組合への申し入れ行動や街頭宣伝、酒田市では集会が開かれ、小泉「改革」阻止、雇用、いのち、暮らし、平和を守れと声をあげました。
 山形市では春闘決起集会を兼ねたシンポジウムを開催、労働者約90人が集まりました。
 集会は、「アメリカと大企業中心の政治を国民本位に切り替えるたたかいの共同を」などとするアピールを採択しました。

(「しんぶん赤旗」2/22付け)


 福島  四師会を訪問

誉田県歯科医師会長が「なんとしても阻止したい」と表明

 県労連は、20日、不況を打開し、4兆円負担増をはねかえすことを中心要求に「2・20国民総行動」を取り組みました。小川秀雄県労連議長など4人は、「健保本人3割負担凍結」問題での懇談要請のために、四師会を訪問しました(県薬剤師会のみ21日)。訪問はどこでも歓迎を受け、患者・県民の健康を守るための苦労や、小泉内閣の「3割負担」強行へのつよい怒りが出されました。
 県歯科医師会では、誉田雄一郎会長と安齋勲専務理事・遠藤秀樹常務理事が出席し、正式懇談となりました。
 誉田会長は「小泉首相は医療制度改悪を『三方一両損』といったが、医療機関、患者、保険者の三者損、政府だけ得をするということだ」「『聖域なき改革』と言うが、小泉内閣は自分たちのところだけ聖域化しているのはおかしい」と痛烈に批判。「負担増による受診抑制は、医科は1年くらいで元に戻るが、歯科は2年たっても戻らない。老人医療の負担増も『入れ歯をガマンする』など直撃している。なんとしても阻止したい」と決意を述べました。
 なお、福島県医師会では梅澤芳彦事務局長、福島県看護協会では千葉敏子常務理事兼事務局長、福島県薬剤師会では菅原英雄事務局長、福島市医師会では斉藤芳久事務局長が対応して頂きました。

(県労連事務局ニュース 第14号 2/24)


 新潟  新潟県社保協が四師会を訪問

連合・自治労・中小企業家同友会などへも要請

 12日に新潟県社保協は、共同の目的「医療改悪実施凍結」を求めて、坪谷会長を先頭に県医師会はじめ各種団体と懇談しました。
 日本医師会は、4月からの「健康保険3割負担」凍結を勝ち取るために、2月12日を「闘争の日」として全国的に行動を展開しました。12日には、新潟県社保協は医師会をはじめ各種団体を訪問して励まし、共同の目的実現のためにお互いの運動を強めていくことを確認しました。
 県医師会の事務局長は「県医師会では1月12日に新聞意見広告を掲載、県議会に意見書採択の請願を提出、早期採択を自民党議員に要請している」との対応でした。同じ請願が県歯科医師会、県薬剤師会も提出していることがわかりました。県栄養士会は佐藤会長が対応し「今週研修会があるので署名をやるから持ってきてください」との新たな連帯も始まりました。
 訪問・懇談には県社保協の坪谷会長、星山事務局長、役員以外にも病院の職員が参加しました。この他に看護協会、薬剤師協会、栄養士会や、連合・自治労・県教組・高教組・中小企業家同友会・助産士会へ訪問しました。
 17日に新発田市で「医療改悪凍結」署名付チラシ1万枚を新潟日報に新聞折込しました。今年になって2回目です。3月議会に「凍結を求める」意見書採択を求めて請願を要請しました。また、市医師会・市歯科医師会・市薬剤師会と懇談を行いました。「チラシを見た。とても勇気付けられた」「このように市民運動が広がることを期待していた」との連帯の意見が寄せられました。

(ストップ!有事法制・医療大改悪 合同NEWS NO.10号から)


 岐阜  企画段階から青年の意見を尊重し、個性あふれる行動を

 企画の段階から今までにない集会やデモ行進にしようということで、実行委員会では若い人の意見をなるべく多く取り入れました。のぼりや旗だけでなく、プラカードをもっとたくさん、そして個性あふれるものにと各団体に呼びかけました。またシュプレヒコールをなくし、インタビューしながら平和、雇用、くらしを訴えました。

(県労連の報告から)


 広島  県労連・建交労が実施した「失業者382人のアンケート」に大きな影響

在職中は「正規職員だった」が6割、約4割が「預貯金の取り崩し」

 県労連・建交労県本部が共同で実施した「失業者アンケート」の集約結果を発表しました。今日の雇用・失業の状態を映し出すものとして中国新聞、朝日新聞などが大きく取り上げました。
 県労連(永見繁樹議長)は、広島市内の2ヵ所の公共職業安定所(ハローワーク)を訪れた人を対象に実施したアンケート結果をまとめました。希望する仕事の求人が少なく、預貯金を取り崩すなど厳しい生活を強いられている状況が浮かび上がっています。
 県労連は、結果をもとに要求をまとめ、行政や経営者団体に雇用確保を求めたいとしています。
 アンケートは、今月6日に実施し、広島、広島東の両公共職業安定所を訪れた382人から回答を得ました。回答者は男性がやや多く、世代別では50代が最も多い28%を占めました。在職中の雇用形態を尋ねたところ、「正規職員」と答えた人が229人と約6割を占めました。パート65人、アルバイトが18人など。業種別ではサービス業が26%で最も多く、製造業23%、卸売・小売業・飲食業14%と続きました。
 失業中の生計を支える手段(複数回答)は、「預貯金の取り崩し」が132人で、「家族の収入」が127人。「借金」と答えた人も8人おり、厳しい生活が伺われます。

(県労連FAXニュース 2月24日より)


 長崎  四師会と懇談 話がはずむ

 今年の総行動は、早朝宣伝、昼デモ、繁華街宣伝などの大量宣伝行動とともに、申し入れ行動に工夫しました。各団体別のたてのコースと、地域別の横のコースを織り交ぜました。
 団体別では(1)事業所コース、(2)四師会コース、(3)業者コース、(4)労組コースの4コース。
 地域別では(1)県南、(2)県央、(3)県北の3コースを設定した。
 四師会コースでは長崎市の医師会、歯科医師会などで対話がはずみ、見解が一致しました。
 労組コースでは春闘共闘と県労連への加盟も訴え、活動上の悩みなども出され、組織拡大の可能性も広がりました。
 地域別コースでは独法化に伴う国立病院・療養諸問題や、諫早湾干拓問題、高校統廃合など地域独自の課題で自治体や当該事業所、労組などの訪問をおこないました。その間には定点宣伝などをおこないました。

(県労連の報告から)


 熊本  20日は終日行動、経営者協会、四師会などを訪問

 2・20行動では、
(1) 早朝ビラに仲立証券争議、野村證券争議などが合流。ハンドマイク2ヵ所で訴えました。
(2) 要請は野村證券、九州財務局、熊本県、経営者協会の4ヶ所と県医師協会、歯科医師会、看護師会、薬剤師会を社保協を軸にして訪問。さらに国会議員熊本事務所を10カ所。
(3) 夕方集会 連帯挨拶に共産党と川辺側ダム反対住民。一分訴え「1)大幅賃上げ、2)仕事よこせ、3)医療3割凍結、4)消費税反対、5)公務員制度改悪反対、6)イラク攻撃反対」などを行いました。
 また、県労連や県商工団体連合会など15団体でつくる「県春の大運動実行委員会」(永松勝俊委員長)は20日夕、小泉内閣の構造改革に反対し、雇用安定などを訴える集会を熊本市の辛島公園で開き、デモ行進しました、
 春闘の時期に毎年開いており、約500人が参加。永松委員長が「小泉内閣の構造改革はあらゆる階層、分野への痛みの押し付けだ。中小企業の活性化対策などを求め、みんなで声を上げよう」とあいさつしました。大幅賃上げや、サラリーマン医療費本人3割負担の凍結、イラク攻撃反対などを訴える集会アピールを採択。参加者は「くらしと雇用を守れ」「消費税増税反対」などと声を上げながら、新市街、下通アーケードをデモ行進した。

(2/21 熊本日日新聞)




 

衆議院予算委員会 医療・福祉問題で集中討議

小沢和秋議員が「3割負担実施凍結」求め質問

 2月24日衆議院予算委員会では、医療問題の集中審議が行われました。日本共産党の小沢和秋議員が、医療費の負担増による受診抑制と有訴率の上昇の国民実態を示し、医療改悪実施の凍結を求めたところ、小泉首相・坂口厚生労働大臣は、医療改悪が与える国民の影響についての実態調査をしていないばかりか、少しぐらい調子が悪くて病院にかかる必要はない、と言わんばかりの答弁を行いました。以下議事の要約です。

●小沢 10月から始まった高齢者の医療費負担増の影響は深刻だ。昨年11月の高齢者医療費の調査結果を見ると対前年度同月比マイナス4.4%、1月はマイナス5.9%。10月の受診回数の落ち込みが目立つ。小泉首相は「必要な量は抑制されない」と党首討論でいっていたが、ある医師は朝日新聞の投稿欄で「薬を出す時期に、患者から薬がまだあまっているので出さなくてもいいといわれ、おかしいなと思って問いただすと食後の薬を食事を1日2度にして飲んでいるとのこと、20年医師をやっていて、こんな状況は初めて」として政府の医療改革に疑問を呈している。

○小泉
 (高齢者の中には)1割負担になってやめたという人もいるだろうが、必要な医療は抑制されているとは思っていない。私だって、風邪薬を1週間もらっても、3日ぐらい飲んで効かなければあとはやめてしまう。国保はすでに3割負担だ。それで必要な医療が行われていないとはいえない。

●小沢 どうしても必要だったら病院に行く、上限があるから大丈夫だとおっしゃっているが、8000円上限でも負担できない人がいる。しかも償還払いの制度のために、一時的に立て替える現金を持たない人は、不安で病院に行くのをためらう。

○坂口
 確かに受診率は下がっているが、若い人も下がっている。なぜ下がったのか状況を見る必要がある。

●小沢 さらに健保本人3割負担が押し付けられようとしている。97年1割から2割の引き上げから始まった受診抑制は年々下がりつづけている。一方、有訴率(体の不調を訴える率)が増加している。若い人ほど大きい。病院にかかる人は減りつづけるが、病人は増えている実態だ。

○坂口
 アンケートを取ると、どこか調子の悪いところに丸をつけたくなるものだ。訴えが即病気とはいえない。調子が悪くても何とか自分で直そうと努力している現われだ。

●小沢 リストラのしわよせで、生活が厳しくなってきている反映だ。労働者は5年連続年収が下がり、5年前より、年収で69万円下がっている。病院に行きたくてもいけないんだ。

○小泉
 (有訴者は)必ずしも病気ではない。調子の悪い人はいっぱいいる。

●小沢 リストラの加速、庶民増税を含む4.4兆円の国民負担増は国民に耐えがたい苦痛を及ぼすものだ。4師会も3割負担やめろと全国的に運動を展開してしる。北海道議会は全会一致で延期を採択した。43都府県で決議しようとしているのを自民党は押さえつけようとしている。

○小泉
 いろいろ反対のあるのは承知している。3割がいいというのは少数派だろう。だが、国民全体のことを考えると、止むを得ない医療抜本改革のひとつだ。

●小沢 わが党は(日本共産党)予算の組替えで、公共事業偏重を改めて2兆1千億円、大企業優遇税制を改め1兆5千億の財源が捻出できるという政策を発表した。

○小泉
 他の野党は賛成してるんですか、予算は全体を総合的に考える必要がある。

●小沢 わたしは、「わが党の政策」といった。野党がどうのと言う問題ではない。4野党共同法案(健保3割負担実施凍結法案)の審議を拒否しているが、審議に応じるよう強く要求する。 

以上




 
 春闘で 職場と暮らしの 元気回復