2003年国民春闘共闘情報
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第19号  2003年3月03日

 

全労連&労働法制中央連絡会

「労働法制の改悪を許さない学習決起集会」

会場満席の120人以上

 まぶしい陽光に春の訪れを感じさせた2月28日(金)の午後、全労連と労働法制中央連絡会共催の集会、「許すな!首切り自由化・ただ働き合法化 労働法制改悪阻止学習決起集会」が開催されました。会場の東京・御茶の水の労金会館ホールには個人参加も含め120名余りが駆けつけました。
 労働法制改悪反対運動は、昨年秋から様々な団体が取り組み、審議の山場では諸団体の共同行動も実現しました。今回の学習決起集会も、こうした流れをくんで多彩な顔ぶれが登壇しました。
 開会挨拶は熊谷全労連議長、主催者挨拶?峻淑子先生。連帯の挨拶は全労協・藤崎議長、つづいて、連合・全国一般の田島書記長による労働政策審議会労働条件分科会の報告、日本労働弁護団の宮里会長による講演。行動提起は、寺間中央連絡会事務局長が行い、まとめと閉会挨拶は、堀口全労連闘争本部副本部長が行いました。


 開会挨拶  熊谷金道・全労連議長

春闘の大きな課題を議論し、意志統一して達成しよう

 国会にあげられる労働法制改悪法案の本質・狙いをつかみ、運動を組織していく出発点として、この集会を是非とも成功させていきたい。政府・財界は、多様な雇用形態・働き方が、労働者の選択にこたえるものというが、そうではない。
 1月の失業率は5.5%だが、求職活動をあきらめた人も含めた実質失業率は10%といわれる。労働者に雇用について選択する余地などない。そういうなかでの攻撃だ。
 95年の日経連「新時代の日本的経営」では、高コスト構造打開のため、ひとにぎりの雇用だけを守り、圧倒的多数の労働者は短期・ないし不安定雇用におきかえていく戦略が出されたが、今度の労働法制改悪は、そういう財界の狙いを総仕上げするもの。絶対容認しがたいのは、労働者保護としての労基法の性格を根本的にかえようとする、解雇自由の持ち込み。それに、裁量労働性のしばりを解除し労働時間管理を骨抜きにし、ホワイトカラー全体にこれを拡大して、ただ働きをさらに助長しようとしていること。有期雇用契約についても、3年間の有期雇用を試用期間として、必要な人だけを採用しようとする手口。また、私たちがこの間厳しくいってきた、製造業の偽装派遣・請負問題。この問題を規制せず、派遣労働の導入を解禁しようとしている。
 リストラと野放しの長時間労働・サービス残業を規制することこそが大切なのに、財界の意向にそって、勝手に首の切れる低賃金労働者をつくろうとしている。職場、地域から、みなさんとともにたたかいたい。連合も全労協も立ち上っている。しっかり議論し、今春闘の大きな課題を達成しよう。

 連帯挨拶  全労協議長 藤崎良三議長

 全労連に結集するみなさんが、雇用と人権と平和と民主主義を守るために尽力されていることに心から敬意を表する。春闘真っ最中、日本経団連をはじめとする経営者たちは、雇用維持のためには賃下げもやむをえないといっているが、現実には、小泉内閣の不良債権処理の加速化とも重なり、どの企業も人員整理、企業整理、社員の非正規低賃金労働者への置き換えを行っている。そういうなかで労働者の雇用と生活、人権が侵害されている。
 本来、労働行政は、そういう企業の横暴に歯止めをかけ、労働者を守るのが基本。しかし、ここ数年、日本の労働行政は、そういう立場に立つよりも、企業経営がスムーズにいくためにはどうしたらよいか、というところに軸足をうつしているのではないか。解雇自由化、有期雇用延長による常用代替。裁量労働における企画業務型の適用基準の緩和、派遣の製造業への導入。いまの労働行政の見直し規制緩和は企業のリストラを応援するものになっている。とんでもないことだ。戦後積み重ねられてきた労働者の諸権利が次々と奪われている。この大改悪にたいし、日本の労働者・労働組合がどういう立場に立って、どういう行動をするのかが問われている。連合も全労連も全労協も、せいぞろいしてこの攻撃に反対する、との姿勢をみせてたたかうことで、この改悪をストップさせることができる。お互いの垣根をとっぱらって、三団体が、もっと多くの労働者が、この問題で国会闘争も組めるようにしたいし、わたしたちもそう努力したいとの決意を申し上げて、連帯の挨拶に代えさせていただく。


 
保団連「3割負担実施凍結緊急集会」に200人以上

国会議員も与党8人含む85人が出席

 保団連は2月27日午後、国会内で「健保3割負担の実施凍結! 緊急国会内集会」を開いた。これには、全国の保険医協会・医会から医師・歯科医師72名はじめ209名が参加、また国会議員は、与党を含む85名(代理含む)が出席、10名がメッセージを寄せた。
 国会議員や参加者からは、この不況下、患者負担増は、患者・国民のためにも、日本経済のためにも実施すべきでないことがこもごも述べられた。そして現在野党4党が提出し、与党の反対により審議が開始されないままとなっている、「健保3割負担凍結法案」の早期審議入りと成立を求める決議を採択した。
 なお参加者は、午前中から各地元選出の国会議員への要請・陳情を行い、医療現場での受診抑制の実態、国民の健康を守るため早期発見・早期治療の重要性を訴え、これに反する健保3割負担の実施をやめるよう訴えた。また昼には、国会前で約70名の白衣の座り込みを実施した。
 集会には来賓として、日本患者・家族団体協議会(JPC)、日本医療労働組合連合会、全国労働組合総連合、全日本民主医療機関連合会からも代表が参加、栃木、神奈川、愛知、三重の各県医師会、大阪府歯科医師会からメッセージが寄せられた

出席議員から「3割負担4月実施すべきでない」の声相次ぐ

 凍結法案の取りまとめ役ともなった五島正規議員(民主)は「97年に健保本人負担を2割にしたときは給付8割で一元化と言い、89年に政管健保への国庫負担を13%に削減したときも必要なときは元に戻すと言っていたが、いずれも守られていない。これらに触れずに、3割負担は決まったことだからというのはとんでもない話だ」と述べた。
 国会内の動きについて、議運の都築譲(自由)、日森文尋(社民)委員からは一日も早く凍結法案を委員会に付託するよう強く要求していること、与党も結論を出さざるを得なくなってきていることが報告された。また、中林佳子、松本善明(共産)議員は、先の国会で野党が共同提案し、最後には与党も賛成して成立したBSE新法の経験から、草の根の運動を盛り上げれば「凍結法案」実現は可能とした。
 またこの日、野党は幹事長、書記局長会談を開いていたが、その場で、3月3日に4野党で「凍結法案」実現のための院内集会を開くこと、また、各党代表がそろって街頭にもでて宣伝することなどが決まったことも報告された。
 参加者からは「10月の高齢者の負担増で命に関わる受診抑制が起きている。3割凍結は最後の砦であり、安心・安全の国づくりの第一歩である」と運動推進への決意が述べられ、3割負担凍結実現に向け国会外の運動も大いに盛り上げていくことを確認しあった

「私も反対」与党の吉田幸弘議員(自民)があいさつ

 集会には与党からも、自民党議員7人、公明党議員1人が出席した(代理含む)。
 自民党の吉田幸弘衆議院議員は、「私も歯科医師であり、3割負担には反対。与党でも固執しているのは一部であり、与党議員にももっと働きかけてほしい」と述べた。(保団連ニュースより転載)



 
「要求は一致」 広がる共同の気運

 千葉県下  18地域組織が総行動を展開

 千葉労連は、2・20総行動を19日から25日のゾーンで実施しました。その結果は、次のとおりです。駅頭・繁華街宣伝70ヵ所、360名が参加し、1万5000枚のチラシを配布。2・20行動の当日は150名の参加で、200件を超す団体を訪問・懇談。――その内訳は、31の県・地区四師会、29の県・地区中小企業4団体、業界団体に、34の中堅ゼネコン・中小企業・国立病院に、18の農協・地域金融機関に、38の市町村に、40の中立・連合加盟の労働組合に、11の議会・会派やハローワークに訪問しました。


<訪問・懇談の主な内容>

 ◎県北の農協組合長=「農産物の低価格で悩んでいます。輸入野菜に押されて何とかしなければならない。輸入野菜には心がない!消費者は安全で新鮮なものを要求しているはずです。そうじゃありませんか。」

 ◎県西部の中小企業団体役員=「うちの会員も不況に苦しんでおり、貸し剥がしに困っています。外形標準課税反対署名は全国で120筆、消費税の免税店引下げも反対です。今後も要請があれば懇談に応じます。」

 ◎県北の医師会から=「145筆の署名協力が寄せられた(2/24)」

 ◎県東の自治体首長=「県の農業補助金カットに怒り!」

 ◎県東の医師会長=「私も皆さんと同じ考えです。閉鎖する医療機関が出ている状況であり、患者さんは負担が増え、受診抑制で病気が悪化していく。医療制度改悪は重要な問題です。3・13県民集会への参加要請は理事会で検討します。県立病院の統廃合問題も、脳梗塞や心筋梗塞の初期治療は30分以内でないと救命できないのだから、県に県を提出するつもりです。」

 ◎県央の中小企業団体役員=「不良債権処理より、景気対策が先だという認識です。国民負担や外形標準課税導入では中小企業は大変なことになる。要請の趣旨は理解できるので相談させてもらいます。」

 ◎県央の信金支店長=「貸し剥がしを責められるけれど金融検査マニュアルがひどいんですよ。」

 ◎「医療改悪凍結」のポスター掲示の県南の歯科医師会会長=「患者負担増反対の考えは同じです。」

 ◎県南の自治体首長=「市町村合併問題は将来の街づくりの観点から住民の皆さんと一緒に考えていくべきものだと思います。地方交付税や県の補助金削減は、地域住民の生活に密着した事業を圧迫し、市町村へのしわ寄せです。今後も時間をとって懇談したいと思います。」





 
 春闘で 職場と暮らしの 元気回復