2003年国民春闘共闘情報
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第20号  2003年3月04日

 

雇用・くらし・いのち・平和を守れ!

霞ヶ関・国会周辺に7000人以上が要求行動

 各産別  3・4春闘第3波統一行動を展開

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写真=3500人が参加した中央総決起集会。=国会請願デモ。堰§J働法制の座り込み



3・4中央総決起集会に3500人

 医療費、イラク、労働法制、公務員制度を決議

 全労連・春闘共闘・労働法制中央連絡会が主催する「雇用、くらし、いのち、平和を守れ! 3・4中央総決起集会」は、12時40分から日比谷野外音楽堂で開かれ、3.4全国統一行動で霞ヶ関に結集した3500人が参加しました。
 集会の主催者を代表して全労連熊谷議長があいさつ、建保3割負担凍結、雇用保険・労基法の改悪、緊迫するイラク情勢などに対する全国の運動の広がりを紹介し、「財界は、『たたかう春闘は終わった』『雇用などを守るためにも賃下げが必要』などといっている。しかし、賃金の底上げ、パート労働者の時給アップなどが、真に国民経済の活性化のためには必要だ。12日は回答指定日だ。春闘も山場を迎える。すべての職場で要求を出し、闘争体制をつくろう。労働者の暮らしは厳しい。切実な要求に耳を傾け、確信を持って要求を訴えよう」と呼びかけました。

 また集会へは、日本共産党国会議員団を代表して、穀田恵二衆議院議員(国対委員長)と中央社保協代表委員・保団連・室生昇会長から連帯あいさつをうけました。
 穀田氏は「健保3割負担凍結の声はいまや国民多数の世論だ。4師会が凍結を求め決議を上げた。昨日3日、4野党は、院内で200人の集会を行った。今日は、みなさんのたたかいと日を同じくして、4党の代表が有楽町で街頭宣伝を行っている。97年、橋本内閣時の負担増の失敗を、労働者の年収が68万円も減っている現在行うことは、さらに国民生活に甚大な被害を及ぼすものだ。財政破綻を言うが、無駄な公共事業に税金をつぎ込み、(医療への)国庫負担を減らしてきたのは、与党の責任だ。また、500万人もの無辜の民を殺すイラクへの攻撃は、世界で1000万人を超えるデモンストレーションとなっている。アメリカの不法を許せば、未来がなくなる。紛争は平和的に解決するという日本国憲法を持つ国民として、イラク攻撃を支持する日本政府の政治のあり方は変えなければならない」と来るべき選挙での与党への審判を促しました。

 室生氏は、建保3割負担凍結の運動の広がりを運動で作り出してきたことに確信を持とうと呼びかけ、「労働者の健康は日に日に悪化している。2000人以上の企業を対象とした人間ドックの調査結果で、異常が認められた労働者が2倍になっている。JR西日本新幹線運転士のいねむりの原因となった夜間無呼吸症候群は調査で4分の1に認められた」と労働者の健康状態を紹介、「2割負担になったとき、医者にいけない労働者が増えた。これが3割になったら、労働者の健康破壊は一層深刻になる。労働条件・生活条件改善のたたかいと結びつけて健康を守る戦いに立ち上がろう」と訴えました。

 集会参加者を代表して自交総連、公務労組連、医労連、労働法制中央連絡会のなかまが決意表明を行い、集会は4つの決議「首切り自由化法案許さず、派遣の規制緩和反対『働くルール』の実現を求める」「野党4党提出の『3割負担凍結法案』を直ちに衆議院厚生労働委員会で審議を開始せよ」「イラクへの戦争反対!武力によらず、国連中心の平和的解決を求める」「ILO勧告にもとづく民主的な公務員制度改革を求める」を採択し、国会まで請願デモを行いました。


「民主的な公務員制度を」行政改革推進本部へ要請

 この日、行政改革推進事務局に対する要請行動が取り組まれました。午後1時半から全労連代表をはじめ民間単産の代表9人が、公務員制度等改革推進室を訪れ、「3・4中央総決起集会」の決議を手交しました。
 渡辺学参事官補佐らは、「法制化の作業を進め、今国会で成立させたい。現在、準備段階という検討法案として位置付けられている。みなさんと率直な意見交換を踏まえ、検討を急ぎたい。ILO勧告は承知している。政府としては、現行の労働基本権の制約を維持していく」と、検討状況と考え方を示しました。
 参加した全農協労連、建交労、全信労、生協労連の代表は「民間では、労働条件などは労使対等のシステムで決めているのが常識だ。公務員に基本権が与えられていないから、腐敗や官僚主義がはびこる」「『ILO勧告』も無視をするような政府は、世界の恥だ。世界の流れに逆行するべきでない」と要請。国民の期待にこたえる公務員制度を検討するのか、労働基本権を否定する制度なら反対すると要請しました。要請を受けた担当者は、決議や要請内容については上層部に必ず報告すると回答しました。


「イラクへの戦争反対!」 アメリカ大使館要請行動に20名

 3・4霞ヶ関行動の一環として行なわれたアメリカ大使館要請行動は、13時10分から行なわれ、北海道、大阪、京都、東京から集まった福保労の仲間をはじめ、全労連、通信労組、建交労、全教、自治労連などから20名の参加がありました。
 同要請行動では、はじめに3・4中央総決起行動で採択された「イラクへの戦争反対! 武力によらず国連中心の平和的解決を求める決議」を読みあげ、戦争反対のため「職場・地域から…全力をつくす」と決意表明しました。そして、福保労の仲間が、「親愛なるブッシュ大統領」とはじまる要請文を読みあげました。このなかでアメリカのSEIUの代表がブッシュ大統領へ宛てた書簡にふれるとともに、「戦争と福祉・人々の幸福は共存できない」とのべ、いかなる戦争にも反対の意思を表明しました。さらに、全教の代表は、「日本の子どももアメリカの子どももイラクの子どもも命の重さは変わらない。今は、国連の査察強化のため努力すべき時であって武力攻撃すべき時ではない」と何としてでも戦争への道を突き進むアメリカ政府の態度を強く非難しました。
 建交労の仲間は、「新たな暴力は新たな悲劇を生む」として、武力攻撃中止を強く求めました。有事法案の指定公共機関に挙げられているNTTで働く通信労組の仲間は、「戦争がおこれば、NTTの通信網が優先的に使用される」と危惧を表明。自治労連の仲間は「労働者は、憲法9条の精神で日々仕事をしている。未来永劫の平和を願うなら、イラクへの戦争はやめてほしい」と断固として戦争に反対する姿勢を示しました。要請団は、「必ずこの要請内容を米政府に伝えてください」と米大使館へ要請文を手渡しました。


解雇自由の労基法改悪許すな!

 寒風下、初の国会前座り込みに80人

 全労連と労働法制中央連絡会は、国会請願デモにひきつづき国会前座り込みを決行しました。寒風吹き付けるなか、大阪代表25人をはじめ東京、千葉、埼玉などの地方、建交労、生協労連、JMIU、通信労組、国公労連、自治労連、全教などの代表ら80人が参加。あいさつや決意表明に大声で応え、「解雇自由化法案はんたい」「働くルールを確立しよう」とシュプレヒコールをあげました。

 主催者あいさつした生熊全労連労働法制対策本部長は「最大の問題は、経営者は労働者を解雇できるとしていること」「いま、中小企業の経営者は不況のもとで人べらしをしたがっており、さらに大量の失業者を生み出す」とのべ、労基法改悪反対の大きな世論をつくっていこうと訴えました。寺間全労連総合労働局長が経過報告し、この間の審議段階で、不当解雇の金銭解決(退職)を削除させるなど、すべての労働団体が早い立ち上がりで反対闘争を取りくんできたことを紹介。「労働者保護を目的とする労基法に『解雇することが出来る』などと使用者の権利を盛り込むことは断じて許されない」と政府・財界の姿勢を糾弾しました。
 日本共産党の西山登紀子、宮本武志両参議院議員が激励に。宮本議員は、院内外のたたかいを大きく盛り上げて労基法改悪を阻止しようと呼びかけ、参加者一人ひとりと握手して回りました。大阪労連478筆、全国一般神奈川507筆、埼労連7団体57筆の署名を託しました。

 参加者の決意表明がつづき、「松下、サンヨーの大規模リストラで枚方のハローワークは求職者であふれているが4人に1人しか職がない。高校を卒業しても就職できない若者がたくさんいる。労基法が改悪されれば、首切り自由で安心して働けない。労働法制改悪反対に全力をあげたい」(大阪・北河内地協代表)、「生協職場でも有期3年が増えている。物流でも何十人、何百人の『合理化』首切りが起きている。時間給のパートを辞めさせて委託化しようとしている。安心して働き続けられるよう労働法制の改悪に反対してたたかう」(生協労連)をはじめ、通信労組、JMIU、国公労連、千葉労連、働くルール確立大阪連絡会、全教(アメリカ大使館要請報告)など各々現状を紹介しながら今後の闘争強化を固めあいました。


議員要請に「情報ほしい」「うちも反対だから」

 議員会館前での座り込み終了後の3時30分、ぜひとも議員要請を行いたいと意気盛んな大阪労連の参加者を中心に、衆議院厚生労働委員会メンバーの与野党議員45人全員に、労働法制の改悪に反対する要請行動を行いました。
 参加者は9班に分かれ、第1会館と第2会館の議員事務所へ要請。議員事務所では事務員が要請書を受け取るだけか、秘書が「議員に必ず伝えます」と決り文句を言うのが大半でした。しかし、秘書でも「高卒者未就職の問題について、状況を聞きたい」と就職の現状を聞こうと意欲のある人、「反対している。国会でガンバルが、外での運動が大切なのでガンバって下さい」と要請団を激励する人、「7日に国会に上程され、本会議で雇用保険改悪の方が議論される」と情報を教えてくれる人もいました。
 2組の班からの報告では、民主党・大石正光議員は要請趣旨をしっかり聞いた後「ご苦労様」と要請した人たちを送り出し、民主党・家西悟議員は仕事をしていたのか、秘書に要請しているのを聴きつけ、奥の部屋から「うちも反対だから」と大きな声で要請団に応えました。「最後までガンバって反対してほしいものだ」と要請した人は感想を残し、大阪に帰っていきました。



 
 自交総連  国会座りこみ行動に1000人が参加

政府・国会は規制緩和失敗の責任をとれ

 自交総連は、「事故激増、あふれるタクシー、運転者のくらしは破滅、政府・国会は規制緩和失敗の責任をとれ」をスローガンに中央総行動を実施しました。
 10時から国会前に16地方1000人の仲間が結集して座りこみを行いました。座り込みの間、地方の代表がマイクを握り現状を報告、規制緩和のせいでタクシーが大量に増車され、運賃ダンピング競争が起こっている。運送収入が激減し、最低賃金にも達しない低賃金が蔓延しているなど悲惨な実態を口々に訴えました。
 また、組を作って議員要請に回り、道運法「改正」時の付帯決議を守ること、規制緩和の失敗を是正し、再規制を行うことなどを要請しました。
 参加者はお互いに交流しながら、「地方の悲惨な実情に怒りを覚えた」「東京もタクシーが多く余っている」「法『改正』時に、政府は、競争で良い企業が残るといったが、実際は平然と法違反をする悪質企業だけが伸びている」「規制緩和を元に戻し、再規制してほしい」などと話していました。午後1時、国会に向けて怒りのシュプレヒコールをあげ、座りこみを終了し、議員会館内で報告集会を開きました。(自交総連:菊池)


 全労連女性部  3・4菜の花行動に100人

 全労連女性部は、3月4日、国民春闘3・4菜の花行動を行いました。
 午前中、弁護士会館にて意思統一集会が行われ、連帯挨拶に自由法曹団の滝沢香弁護士、国会情勢報告に井上美代参議院議員、取組みの提起は小原美代子さんが発言しました。各単産・地方からも春闘報告がされ、「労働法制改悪」と「有事法制」反対にむけた意思統一が図られました。散会後、参加者全員に菜の花と黄色のスカーフが配られ、午後の日比谷野外音楽堂の中央行動総決起集会と合流しました。
 集会後、約3500人の請願デモに参加し、国会まで歩きました。その後、「労働法制改悪」と「有事法制(イラク攻撃)」に反対する請願を、国会議員にむけて要請しました。
 要請終了後、衆議院議員面会所でいったん解散し、本日の全行動は無事成功を収めました。女性部全体で約100名前後が参加しました。(K)


MICが「メディア規制反対」など議員要請行動に100名

通信労組の20名 公務部隊とともに行革推進本部事務局に要請

 MIC(日本マスコミ文化情報労働組合会議)は、午前中に100名が参加し、議員会館内で集会を開き、
1)イラク戦争反対、
2)有事法制反対、
3)メディア規制反対

の課題で議員要請行動を行いました。
 集会には、民主党から谷博之参議院議員、日本共産党から吉川春子参議院議員、社民党か福島瑞穂参議院議員が国会報告と連帯の挨拶を行いました。午後には5時半から、イラク攻撃許すな・有事法制反対の駅頭宣伝を、新橋・御茶ノ水・後楽園の3ヶ所で行い3000枚のチラシを配布しました。(MIC:景山)
 通信労組は、20名が参加し、行革推進本部事務局へ公務員制度の要請で公務労組連絡会の行動に参加しました。(通信労組:岩崎)



 
 春闘で 職場と暮らしの 元気回復