2003年国民春闘共闘情報
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第36号・回答第4号  2003年4月11日

産業別・単産別総括表   個別回答一覧へ

 

加重平均で6803円、1.91%に

82組合が上積み、105組合が前年額上回る

 4月上旬の回答の特徴について 

2003年4月11日 2003年国民春闘回答集計センター

 1.春闘回答集計センターは4月10日、2003年国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇など)各単産と地方共闘より4月上旬の回答を中心とする第4回目の報告を受けた。この間は産業別統一行動が少なかったこともあり、回答報告があったのは24単産・部会であった。

 2.回答+妥結状況は各々集計表のとおりで、その特徴はつぎのような諸点である。

 
(1) 登録組合数 928組合      
(2) 回答組合数 317組合 引出し率 34.2%  
  うち2次回答以上 82組合 上積み率 25.9%  
  うち前年実績以上 105組合 回答数の 33.1%  
  妥結組合数 85組合 解 決 率 9.2%  
(3) 単純平均 317組合 5,575円 同率 1.78%
  前年同期 338組合 5,934円 同率 1.87%
  前年同期比   −  359円   −0.09P
  加重平均 7.7万人 6,803円 同率 1.91%
  前年同期 9.0万人 7,005円 同率 2.03%
  前年同期比   −  202円   −0.12P


 4) 回答状況の傾向について
 4月に入ってから、各単産の集中団交や統一行動は少ないものの建設関連労連と映演共闘が初回答を引出し、化学一般労連・紙パ、広告労協、日本医労連などが回答引出し・上積みをかちとっている。しかしながら、回答引出し率は33.1%でいまだ4割にも満たず、「ベアゼロ」と「回答延期」が多く、一部に「定昇カット」「基本給引下げ」などの賃下げ提案がみられるなど、かつてないきびしい状況で推移している。ここにきて、賃下げ攻撃の報告は増えており、電機大手を中心とした春闘後に定昇、諸手当などの見直し(賃下げ)提案が、中堅・中小にも波及してきた反映である。このため、前年同期と比べ回答引出しが伸びず、317組合は最悪だった前年に比べさらに21組合の減である。
 こうしたことから、単純平均は5,575円、1.78%となり、前回集計(4月3日)時点より39円ダウンしたが、一人当たりの加重平均は44円増加した。前年同期水準との比較では単純平均で−359円、加重平均で−202円となり、各々水準を下回っている。

 5)前年同期との比較では、比較可能な23単産中、賃上げ額がプラスになっているのは全農協労連、建設関連労連、全労連繊維、日本医労連の4単産で、化学一般労連、建交労・鉄道など4単産も若干のマイナスで踏ん張っている。

 6)規模別集計(単純)では、1,000人以上が最高値の7,711円で、29人以下が最低値で4,674円となっている。1000人以上の大手では7000〜8000円の定期昇給を死守していること、中小零細では定期昇給もなく、あっても少額であることが影響している。引き上げ率も100〜299人が1.94%、300〜999人が1.89%、1000人以上が1.93%で、大手と中堅では2%近い水準であるのに対し、29人未満では1.55%で、中小零細企業のきびしさが表れている。若干の凹凸はあるが、単純・加重とも規模別格差が明確になりつつある。

 7)これまでの最高額は出版労連の組合の1万4787円。前年実績額との比較で、広告労協の組合の8338円は前年比+6356円である。回答次数では小坂研究所支部(JMIU)が第5次で、JMIU2組合と地方マスコミ2組合が第4次の上積み回答を引き出している。「1万円以上」の回答は計19組合となった。


 3.他団体の賃上げ集計結果について
1) 4月4日現在、連合の第3回集計の回答+妥結状況は以下のとおり。

  妥結組合数 加重平均 単純平均
集計方式 組合数 人数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
平均賃上げ 404 111.5 5,204 1.66 5,442 1.73 4,494 1.55 4,585 1.56
35歳P 29 7.7         4,598 1.63 4,543 1.63
30歳P 19 5.1         6,933 2.44 6,872 2.31

 2) 4月2日現在、日本経団連調べの回答+妥結状況は以下のとおり。

  回答+妥結 加重平均 単純平均
集計方式 社 数 人 数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
大手企業 111 - 5,477 1.69 5,525 1.71 5,095 1.64 5,190 1.68



4・16〜18の第5次統一行動で解決めざそう

 4.「4・16〜18」と今後の闘争強化について
 国民春闘共闘・全労連では15日(火)に関係単産による「財務・金融共同行動」と公務員制度改革の「緊急中央行動」が実施されるのをはじめ、各民間単産・地方共闘は16日〜18日のゾーンで「春闘要求の決着」をめざして第5波全国統一行動を展開する。職場を中心に団体交渉の集中、ストライキや職場集会を取りくみ、要求の前進をはかろうとしている。この間に統一行動を集中するのは15日を含め官民24単産である。
 しかしながら、本集計結果にみられるように、国民春闘共闘ではなお9割方の組合が未回答や超低額のために長期化しているのが現状である。これを打ち破るために、職場・地域で粘り強くたたかっているが、深刻な不況下で「ベアゼロ・賃下げ」相場の波及など経営側のガードは固く、また中小経営のきびしさもあり、要求の前進にはかつてない困難がある。このため、いっせい地方選挙で「健保本人負担を2割に戻せ」や「中小企業振興、地場産業の育成」などの要求をかかげ、身近な地方政治の改革を含めて4月闘争をすすめているところである。

(以 上)



 

 <次回の集計調査のお願い> 

 次週は会議準備のため賃上げ集計に代わり、第2回春闘進ちょく状況調査&諸要求獲得状況調査(全単組対象)を行います。

  ・報告集中=4月18日(金)〜21日(月)

  ・発表=22日(火)予定


 
 春闘で 職場と暮らしの 元気回復